生活に便利なものがどんどんできると、人間の動作も頭の働きも鈍くなっていくようです。
ある会社で、求人に応募した約４万３千人の学生"全員"に、内々定の通知メールを送ってしまった事故が起きました。
それぐらいのことを事故と呼ぶのは大げさなと思われるかもしれませんが、これは事務事故と言ってよいでしょう。
メールの受信者に被害がなくても、相手が繊細な神経の持ち主であれば影響がないとは言いきれません。
なんだそんなことかと他人は思っても、ムダな悩みも悩みのうちです。
会社の信用にもかかわります。
なんでもボタンのひと押しでできてしまう便利さは、こういう間違いを引き起こします。
この報で奇妙に思ったことが二つあります。
？１．「エントリーしていないのに内々定通知」との投稿が相次いだ、ということは４万３千人には求人応募者でない人が混じっていたのか
？２．就職活動サイトに、業種などで絞り込み一括でエントリーする機能がある、ということは就職は仕事をする場を求めるのでなく、とりあえずの居場所をゲーム感覚で探すぐらいのこととされているのか
ニュースのサイトに「きょうの出来事」という欄があって、その日の主要な記事が一覧で示されます。
記事の少ない日には同じ記事が並ぶこともありますが、ざっと見渡すには便利です。
１行１項目、全角で１６文字、それより長ければ「…」印が続いていて、カーソルを当てるとポップアップで行末まで読めるようになっています。
なかには、切りつなぎが鮮やか過ぎる短縮癖がおもてに出て、判読に迷うこともあります。
こういうのがありました。
「トヨタ自所属選手、２人目逮捕」
トヨタが自分の所属選手を逮捕、なんだこれはと呼び出してみると、
「トヨタ自動車から２人目逮捕 ラグビーＷ杯へイメージダウン」
という見出しで、外国人選手がコカインを所持していて２人目が逮捕されたということなのでした。
これなら「トヨタ自動車の選手逮捕、２人目」とでもしたほうがわかりやすいでしょう。
ときどき見られるややこしい短縮文は、わざわざわかりにくくしておいて、タップを誘おうという変な手なのでしょうか。
「明石の漁港で５万円のヒラメ盗み食べる 容疑で親子逮捕」
このヒラメが５千円だったら、新聞ダネにはならなかったでしょう。
それでも盗みはぬすみ。
５千円が５００円でも、罪の深さは変わりません。
盗んだのが親子であったこと、それが悲しみの深さを増します。
標題をパッと見たとき、これは身代金の間違いではないかと思われたかもしれません。
身ではなく、やはり負です。
紙に印刷をすると未使用ということになって、実売価格も約半額になるという、奇妙な負の代金のことです。
新聞は、ウソ記事で評判を下げると、販売部数がどんどん減ります。
それでも、出版部数を急減させるわけにいきません。
印刷して販売店に送りつければ、とにかく出版したことにはなります。
販売部数をはるかに超えて送られてきた新聞紙には、もう読みものの価値はなくなっています。
はじめから売れないとわかっているものは、売れ残りとも言えません。
残っているのは、未使用という価値だけになります。
未使用の新聞紙にも、使い道はありました。
包み紙や敷きものに使うだけなら、新聞屋さんに毎日届けてもらう必要もありません。
そうなれば怖いのは広告主、見てもらえない広告は出さなくなるでしょう。
もう一人怖いのは閻魔さま、ウソをつき続けようといくら頑張っても、閻魔大王のお裁きにはかなわないのです。
近所の町中華らしい店は駅前に１軒、ビルの上階なので町中華と呼べるのかどうか、ひと昔よりもっと前からあるのでまあよいとして、ほかにはないかと探したら、もう１軒見つかりました。
店のつくりもやんちゃという店名も現代風なので、これが町中華と言えるかどうか、すれすれよりちょっと外側の感じはします。
町中華を、町なかに華と読むならＯＫ、でしょうか。
「町中華」という本が出版されています。 ⇒
姿はマガジン期限なしというムック、その一つでもあります。
安くて美味くて居心地がよく、町の人たちに愛されている昔ながらの個人経営の中華料理店が「町中華」と名付けられているのでした。
町の中にポツンとある店をわざわざ分類する必要はないのに、世の中には分類好きや名づけ好きの人が多いのでしょう。
ムックはあるがマンガはどうか、と思ったらもう出ていました。
「おざわゆき＆渡邊博光のおたから町中華」
旅には 観光という名目が通用する
「何をしに」「観光です」「そうですか」
受け入れ側の目的は 超短期の利益
送り出す側に 目的があったとしたら
生活環境調査～生産流通力調査～治安体制調査
押しかけてみる～爆買いさせてみる～汚させてみる
受け入れ能力 物資供給能力 異常対応能力 測定
根をおろしてみる～増やしてみる～町をつくってみる
考えていると 寒気がしてくる
人間が、ごく素直な普通の判断によって行動したことが、法に違反しているというだけで罰せられることがあります。
車両の一時停止違反、はみ出し禁止違反などは、いちばんわかりやすい例になります。
電車の来ないことがはっきりわかっている踏切でも、きっちり一時停止をしなければ違反となります。
前に極端なのろのろ運転おじさんががんばっていて、対向車線に車の気配がない見通しのよいところでも、黄色の線が引いてある区間での追い越しは違反となります。
違反した人は、すぐに追いかけられ、反則金の振込用紙を頂戴することになります。
反対に、どう見てもそれはまずいだろうと思うようなことが、法に触れなければと、わがもの顔でまかり通っています。
その最強最悪の例が、国会議員の言動です。
国会が国権の最高機関であるとされながら、国の権威を認めたがらない人が議員になって、国の不利益を増大拡張していくという、普通の判断では全く腑に落ちないようなことがたびたび行われています。
あの場では、常識さえも無効とされるのはなぜなのかと思ったら、国の唯一の立法機関であるというだけで、どういうことをしなければならないのかという基本理念が、どこにも定められてないのでした、いやはや。
交番で拳銃を奪って逃げていた男がすぐに逮捕、さすが日本の警察です。
この早わざには、二つの公開行動が効いています。
交番の防犯カメラに写っていた不審者の画像をいち早く公開したことと、親が「息子に似ている」とすぐに届け出たことです。
大阪で起きた事件の容疑者が東京在住なのにどうしてわかったのか、画像認定システムがそんなに進んでいるのかと、不気味にさえ思っていたところでした。
自分の息子が怪しいと名乗り出るのも、その家族にとっては重大な個人情報公開です。
公衆電話からウソの通報で警官をおびき出す計画を実行しながら、防犯カメラに写りこむことに気づかずにいたり、拳銃を手元に置きながら、自分がやったのではないとうそぶいたりしているのは、知恵の回りかたがどこか普通ではないのでしょう。
重要施設の防犯カメラ設置方法も考え直さなければなりません。
交番の看板の下に、むき出し配線でこれ見よがしにつけてあるカメラがあれば、狙われると役立たずになるおそれもありそうです。
香港のデモ
逃亡犯条例という奇異な条例に
改正と言いながら より危なさが加わる
ことの運びに 制動がかかった
これを リーダーなき情報共有の勝利との見方もあれば
止めただけでは いずれまた動き出すから完全撤回をと
要求し続けようという指導者がいるとも報じられる
どちらにしても
人々の意思そこのけの動員よりも
人々の同意によるものには 底力がある
ここ一両日で 参加者は倍加した
「日本で現在入手可能な7の異なる米国製品」という広告サイトがあります。
七つ道具には、苦い思い出があって、なぜかなかなか消えません。
折りたたみナイフ型の記念品でしたが、空港で金属探知器に引っ掛かり、現物はこれだと確かめられながら「必要なら後に残れ」と言われ、「いらないよ」と受け取らずに帰ってきた、小さな出来事です。
旅行中に役立ったこともなく、なくてはならないものでもなかったそれが、１０年以上経っても記憶から消えないのは、モノの値打よりも意地悪く没収されたコトに虫がおさまりきらないのです。
ああして召し上げられたモノは、みなどこに行くのでしょうか。
