人が熊手を持った古い絵画は、なぜか美しい。
身の回りをいつもきれいに、役立つものを集めるのに労を厭わない。
昔の人のそういう心が、画面から伝わってくるからだろうか。
人には、何かを搔き集める習慣のようなものができている。
とにかく集めることから考え始める。
どこかに不都合があれば、かかわるものを集めてみることで考えがまとまっていくという、思考習癖を第一のカギにしているようである。
高齢者の医療費負担を10%からいきなり2倍に上げようという話も、搔集習慣の現れではないか。
1割負担を2割に、まことに単純でわかりやすい数字だが、1の次は2と、数列はそれしか思い浮かばないのか。
10%から20%負担へ、増加率100%という見方をした報道はどこにも見当たらない。
苦しい生活費の中から、その1割をねん出している人達には、2倍の負担を喜んで迎え入れる気持ちはほとんどゼロだろう。
所得がいくら以上の人が対象というのも、大づかみのご都合計算から逆に割り出しただけの数字ではないか。、
こういう数値を考え出す人たちには、その愚策の結果がどうなるかは、おそらく念頭にないのだろう。
チラと頭をよぎるのは、年寄りは早く死ねばよいということぐらいではないのか。
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