言葉に関するFAQに、しばしば現れる三種類の愚問があります。
「正しいですか」がその一つ、ごく短い文を示して、これは正しいですかと聞いてきます。
短文の中ですでに破綻しているものは、さすがに質問のたねにはなりませんが、日常会話に使われる平易な言い回しを持ち出して、正しいかどうか判定を求めるのです。
言葉はものごとを伝えるために使われますから、伝えたいことがそのとおり相手に伝われば、それが正しいということになるので、前後の関係も、どういう場面でのことであるかもわからずに、話の部分が正しいかどうかなどと裁けるものではありません。
「意味はなんですか」が二つめ、熟語の意味が知りたければ、直接検索で辞書サイトにいくらでも回答が出ているのに、FAQに質問を出します。
それが流行語なら関連サイトがずらっと並びますが、自分でそこから探り当てるのが面倒なのでしょう。
どこにも意味が出ていないから教えてくれというのもあります。
そういう場合は、それ単独では意味を持たない文字列、あるいは人名、団体名、商品名などがほとんどです。
聞いてどうするという、ただの意味探しがむやみに多いのです。
「文法上どうですか」が三つめで、小説の中の短文や、あいさつの慣用語句を持ち出して、文法上どうかと聞いてきます。
この場合は、多分自分で疑問を抱いたのではなく、教室で出された文法の研究課題を、自分で考えもせずにいきなりFAQに答えさせようという、お手軽質問なのでしょう。
何でも聞けば答が出てくると、おみくじを引くような気分でFAQを遊びに乱用している方々もいらっしゃるようです。
答えたいと思っているだろうから聞いてやっているのだと、ふんぞり返る人もいるでしょう。
富士山が汚れるわけもこれでわかります。
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