しんにょうは、ぎょうにんべんと足の字を縦につなげた形をしていて、止まってはまた行くという意味をもっているチャクという字だそうです。
つまり、足を使う動作をあらわす漢字の組み立て部品です。
しんにょうの点は常用漢字以外では二つ打ちます。
これがもともとのかたちです。
しんにょうを使っている文字のうち、ふだん使われていない文字だけを探し歩いてみようかと思いたちました。
なぜ今ごろ、そんなことを思いついたかというと、つれづれに誹風柳樽を引っぱり出してみたとき、めくったページに
「X男の方もXX身で□る也」
というばれ句を見つけたのが始まりなのです。
この句で、□には外をしんにょうに乗せた字が書かれていて、それが逃の異体字と知ったからです。
意味の合成から考えると、常用の兆より異体の外のほうが、にげるには向いているように思います。
現代では、右左にバラバラになって逃げるよりも、家の外、住んでいた土地の外、国の外へと、外に向かって逃げることが多く、意味も広がります。
入院という、どっちつかずの例外もありますが。
こうして漢和辞典をあらためて眺めると、しんにょうに乗った、これまで知らなかった字が、ぞろぞろと出てくるので、しばらくはしんにょう畑に侵入して眺めてみようと思っています。
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