逆転の発想が新しい手法を生み出すことはあるが、思考の逆転は誤報を生むことがある。
ある新聞社が、ツイッターの公式アカウント「XX新聞オリンピックニュース」で、「2020年オリンピックの開催都市を決める I OC総会の投票で、東京が落選したと誤って報じた」と自戒報道をした。
その誤報は、1回目の投票が終わった9月8日午前4時ごろ、「東京、落選しました・・・」とツイッターに流したものだった。
数分後には間違いとわかって訂正が発信された。
他の国でも同じ誤報が起きたらしい。
誤報の原因は、善意側のあっさりした解釈ならば、誤解にあったと考えることができる。
1回目の投票で、3候補のうちマドリードとイスタンブールが下位で並び、そのどちらが決選投票に加われないかを決める2回目の投票を、決選投票と誤解したのだという。
通常、何かの権利を投票で決める場合は、権利を得る者を決める投票をする。
権利を得そこなうのはどちらかという決め方は、罰ゲームの実行者、あるいはあみだくじのお使い番を決めるようなもので、そのときには投票という手続きにはよらないものである。
決選投票の候補に立てるほうではなく、立てないほうを決めようなどという、とんだ逆転の発想で、時間の勝負に確認の余裕を失っている現代報道感覚にいたずらをしかけたのだった。
この投票方式を考えた人は、してやったりとニヤニヤしていたことだろう。
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