この込み入った字は、鼻の両脇に出たはなぶたの端をあらわす部位としんにょうを組み合わせたもので、「辺」の旧字体です。
わたなべさんの「なべ」のこの字には、やまざきさんの「さき」と同様に、たくさんの異体字があります。
ずらっと並んだのをよく見ないと、どこが違うのかわかりません。
こんなむずかしい部位を、あざやかに「刀」だけにまとめてしまったのは、まさに一刀両断の感があります。
この込み入った字は、鼻の両脇に出たはなぶたの端をあらわす部位としんにょうを組み合わせたもので、「辺」の旧字体です。
わたなべさんの「なべ」のこの字には、やまざきさんの「さき」と同様に、たくさんの異体字があります。
ずらっと並んだのをよく見ないと、どこが違うのかわかりません。
こんなむずかしい部位を、あざやかに「刀」だけにまとめてしまったのは、まさに一刀両断の感があります。
「しかばねかんむり」といういやな名前の部首がありますが、それを「辛」にかぶせてしんにょうと組み合わせると、遅、おそい、おくれるの旧字体の異体字になります。
確かに颯爽とは歩けないような感じです。
羊がとび跳ねたり、走り回ったりするたとえは、あまり聞いたとこがありません。
乕は虎の異体字です。
元の虎にかぶりものをつけてしんにょうと組み合わせた字は、逓、つたえる、テイの旧字体です。
これらを比べてみると、どこか余分なものがまぎれ込んだような、奇妙な関係にあります。
虎の威をかるという言葉があるのに、虎がさらにかぶりものをしています。
これはどういうことになるのでしょうか。
易にしんにょうで逖の異体字になります。
6月24日の記事にも別の異体字関係がありますが、これも「にげる」という字です。
命の危険な状況以外「にげ」はどうも潔くないので、この字には深入りしたくありません。
言葉では表しにくい、見ればすぐわかるということがあります。
「ちかい」という字の異体字関係もその一例です。
右側がもとの字ですが、これは6月18日にも別の異体字を載せていました。
異体字が二つもある、なかなかやるなあという感じです。
日の下に匂を書き、しんにょうと組み合わせると遏、とどめるという字の異体字になります。
口へんに曷は、禅寺で気合を入れるときの叫び声「カツ」です。
曷の下半分は、人をおしとどめて物乞いする意味のようです。
この人とLの組み合わせの部分がヒに入れかえられると、匕首や暴力行為を連想させ、形はやわらかくなっても、あまり心地よい文字ではなりません。