バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

燃えよ青春

2012-05-15 07:29:37 | 感動
 土曜の朝日新聞beうたの旅人シリーズで、正やんこと伊勢正三さんのことをとりあげていた。それも2ページにわたり。
 あの名曲「なごり雪」と「22歳の別れ」が同時に作られたことを知った。同時に2曲とは簡単にスラッと作ったというわけではなく、特に22歳の方は徹夜で推敲を重ねたとのこと。作成秘話を知り、特に徹夜で推敲という追求の姿勢にひかれ、改めてこの2曲を聴いてみたくなった。

 当時この手の曲をなぜ遠ざけていたのかよくわからないけど、何となく好きじゃなかった。本当は好きなんだけど、好きってことを人に知られたくなかったような屈折した心情があったように思う。たぶん、みんなが好きというのが理由の一つだったろうし、優しいフォークは演歌チックで草食男子風なのが直感的に遠ざけた理由かもしれないと分析。
 聴き直してわかったのは、これはリアルすぎるってこと。ストレートすぎるってこと。

 小椋桂さんの「白い一日」を知り、詩にめざめ、文学に憧れたあの頃。言葉を紡ぎ、心をじわりとなぞる詩。
 東京に上京した18歳。1年間住んだアパートを出るその前日、押し入れのふすまに小さな字で詩を書きこんだ。次ぎ住む人が偶然気づくかもしれない程度の字で。都会に埋もれ顔をなくした自分のささやかな自己主張だったと思う。今みたいに絵描いていないし、ブログないから、自己表現の方法を知らなかった。
 ふすまに書き込んだあの時の気持ちが蘇った。



ピースマーク万歳

2012-03-05 12:35:59 | 感動
 部の卒業の会、「春が来た」。いつもは送り、演出する側だけど、今年は送られる側だから何もしない。
 昨年の送る会で電撃デビューしたOBA48が、今年も飛び出すのではないかと各方面でささやかれたけど、何もしなかった。
でも何もしないでいるのは性分に合わず、結局はDVDを作ることにした。

 こんなもの作ろう、と思ったのは6月。それからこつこつ写真を撮り、構想を考えた。写真と動画とナレーションで組み合わせようとイメージしていたけど、最終的には写真と音楽だけのシンプルなものにした。

 卒業生達の生い立ちから並べる。誕生、七五三、幼稚園、小学校、中学、高校と。
 
 何百枚と並ぶ写真から目を引くものを引っ張ると、それはどれも笑顔の写真。特に女子はほとんどピースをしている。

 写真撮るとき、みんな必ずピースする。大人もする。高齢者もする。
 カナダのドナさんに聞いたら、カナダでは子どもならやるとのこと。
 写真に向かう手持ちぶさたを、ピースという共通ポーズでごまかすみたいで嫌だった。だから自分はやらない。

 何百枚の写真をスライドショーで眺めていると、ピースマークの笑顔が次々と現れる。この子達いつも笑っていたわけではない。ケガをしたり、負けて、泣きたいときもたくさんあった。でもカメラに向かうときは皆ピースマークになっている。この満面の笑みを眺めていると、全てをひっくるめて笑顔をつないでいけば良いのだと思うようになった。

 そんなわけでピースが並ぶ。それを見ているとつい顔がほころぶ。

 だから昨日OBが「写真撮るよー」とカメラを向けてきたとき、実にめずらしくピースしたのです。

始まりの朝

2012-03-03 06:41:44 | 感動
 卒業の朝、学校まで送る。朝練の体育館にはもう電気が付いていた。
 二人を降ろし,Uターンすると東の空が見事なまでにオレンジ色に輝いていた。
 昨日までの雨雲が地平線で切れ,その奥から遥か奥から強い光が放たれていた。
 いいものを見た。携帯持っていなかったので,写真に収められず残念。
 
 こういう一瞬の風景は偶然であるが故に、意味深でもある。
 今日を区切りに新たな前進を始める卒業生達にふさわしい。

 今朝の一期一会。

終わりよければ全てよし

2011-10-11 12:48:24 | 感動
 山口国体は天気に恵まれ、絵はがきのような景色の土地で数日間を過ごすことができた。地元応援団は昨年の千葉国体バージョンそっくりであったことが印象的。お祭り騒ぎで応援した去年の数日間が思い起こされた。応援する方もバルーンカンカンやりながら全身運動していたから、これもある意味「国民体育」大会。体育館と駐車場をつなぐ見上げる石段を、老若若男女が行き交う様。そうして翌日は太ももが「あれ?なんで筋肉痛?」となる。買い出しだの、チケット取りだの、その都度駐車場への石段ダッシュした、まさに体育の日なのでした。
 旅(といっても大会なんだけどね)の楽しみは、おいしいものを食べたり、珍しい景色やきれいな景色見たり、買い物したり、そして非日常体験にあるかもしれないけど、自分的には少し違う。確かに知らない土地に行って、その土地の風土に触れ「なるほどねー」って感慨深く帰るのも良し。でも最近は人とのふれあいの方がおもろかったりする。しかし体育館周りではどこでもよく見る顔、顔。本当にこの業界世間が狭い。
 「世間」って言うのは顔見知りがいて自分の常識が通用する範囲を言うわけだから、こんな遠方まで来てバドミントンネタで一色って言うのもちょっとねー。世間の常識も、他人の世界では非常識だったりするから気をつけないといけないのです。そんな中、この旅の最後に数日間の記憶をさかのぼって爽やかな記憶に変換してしまう出来事があったのです。
 帰路レンタカーを返しに最寄りの新幹線の駅に向かった。もうまもなく到着という時車内でバックをもぞもぞさせ「携帯がない・・・」と約一名が言う。こういう場合まずは誰かがその携帯を鳴らしてみる。鳴らない。じゃ、トランクの荷物の中でブルブルに鳴っているのかと確認のため車を止め、再度鳴らしてみる。ブルブルしない。ホテルで使った?じゃホテルに置いてきたのだろうという推測が成り立ち、ホテルに電話する。すると程なく折り返しの電話で、「ありましたー。」取りに戻るにはちょっと厳しい状況。「着払いで自宅に送って下さい。」と言うと、「今から駅まですぐ届けます。」とのこと。車で20分の距離。我々は駅入り口辺りをうろうろしながらレンタカーを返している頃、宿のご主人は既に駅ロータリーに携帯を届けに現れていたのでした。朝食堂でお膳を運んでくれていたあのおじさんです。朝の忙しい時間、抜け出して車をすっ飛ばして来てくれたのです。
 多少のホテルの古さの記憶など全て吹っ飛び、その逆に古いなりに気配りのあるしつらえばかりが思い出されるから、人間の脳みそなんて不思議なものです。これが今回の旅の締めくくりなのでした。




旅の楽しみは、人との出会い

2011-09-26 08:58:05 | 感動
 先日新潟に行った余韻にいまだにしみじみ。大会に行くと何がいいかっていうと、その土地ぶらり体験。基本的にはホテルと体育館の往復がメインだから、ほとんど観光はできない。だけに、誰もが行く観光地にはいかず、時間の合間にブラッと街歩きとなる。
 夕方ホテルから新潟駅を背に、あてもなくハーバーに向かって歩いた。ホテルの人いわく、「歩いて行く距離では特に見るものないですよ。せいぜいこのレインボータワーくらいですかね。」と勧めるけど、ビミョーな感じ。海に行きたいというと、「それは遠いけど、ここに行けば佐渡汽船が見られますよ。」佐渡!佐渡と言えば水戸黄門。水戸黄門はいつも一話完結なのに、その回は不正を暴くために佐渡金山に潜り込んだ御老公御一行危うし!となり、前代未聞の翌週へ続くとなった。そんな特別な思いがあるから、佐渡への入口に行ってみたかった。
 我々一行は適当に佐渡汽船方向に歩いて行くと、なにやらよさげな市場なのか物産館なのか道の駅なのか風の一角にたどり着いた。そうだここで土産を買ってしまおう。物産館かと思ったらスーパーのよう。店内グルリと回る。まず入口にチーズコーナー。ここは超本格的。ホールのも置いてある。奥へと足を進めると、店内は普通のスーパーだけど、高級品も置いている。地元特産品もあるけど、世界の美味しいものも置いている。新潟と言えばせんべい.せんべいコーナーで美味しそうな袋入りを手に取ると、「喜八堂」。家の近所のと同じ名前だ、と思いよく見ると、その家の近所の関宿の喜八堂のせんべいでした。もう一度グルリと回り、チーズコーナーを眺めていると,チャーが買い物終えたので別の店に移る。
 外は文化祭会場みたいになっていて、好きなものを買って潮風を感じながら外のテーブルでビール一杯最高!状態。そうだ、さっきのチーズ食べたい、と思い再びチーズコーナーに行くと、すかさず「何かお探しですか」とチーズソムリエ風のお兄さんが声をかけてきた。どれも家庭で料理用で、ちょっとつまめる風のがなかったので、今そこでビール飲みながらつまみにしたいと言うと、「それじゃ、こちらで食べやすくカットして差し上げますから」と適量でお手頃価格のものを勧めてきた。それをお願いすると、食べやすいサイズにカットして、ジプロックに入れて、人数分の楊枝を添えてくれた。
 滑らかな泡のビール片手に、店の裏手の埠頭に出て、チーズつまみながら潮風に当たった。
 このシチュエーション、いいねー。
 なんでいつまでも新潟の埠頭が余韻が残るくらいいいかと言うと、あのチーズお兄さんのおかげと思う。人の気を読んだ気配り。チーズの一片に気を感じる。最後手渡す時の笑顔。
 近くにあれば、毎日買いに行くのに。


心にタッチ

2011-09-24 11:25:22 | 感動
 どうしてもすぐ必要な本がありネット検索すると、中古しかないことがわかった。そのまま注文すると、到着までに10日以上かかるとのこと。ダメじゃん、それじゃ。
 あるわけないだろうと思いつつも、野田市の図書館資料検索すると、あった。必要なものの数冊は関宿に、残りは興風図書館に。
 すぐさま関宿図書館に行き本を探しカウンターへ行き、何冊まで借りられるのかと質問すると、「雑誌以外は何冊でも借りられますよ」とのこと。じゃ、あと2冊必要なのは興風図書館にあるから、この足で今借りに行こう、などと別に語る必要もない今後の予定をそのカウンターの女性に告げると、「ちょっと待って下さい、その本が確実にあるかどうか今調べますから」と言うのです。ネット検索で「有り」となっているから大丈夫なのではと返すと、「タッチの差で借りられていることもあるので、わざわざ行ってなかったらいけませんから」とのこと。確認作業は原始的に電話で行われて、そのやりとりを本を読みながら待っていると、ほどなく「1階カウンターで取り置きしております」となにからなにまで手際が良い。
 こういう人がいるから社会はうまくまわるんだなとしみじみ。
 借りてきた本を息を止めるように読んでいるけど、読み終えた頃届くんだよね、古本が。価格は2円。送料手数料は250円。売る方も大変だね。

真の国語力

2011-08-01 22:51:23 | 感動
 カナダからの留学生は風のようにやってきて、風のように去って行った。こんな表現陳腐だけど、でもこれがピッタリ。ホテルのロビーで初対面したあの晩からもう10日以上も経ったなんて、なんだか別の時間が流れる世界を、まさに風に乗ってスーッと過ごしたような感覚。
 クローイちゃんにどんな教科が得意なの?と大人がよくやる質問をすると、"reading and writing"って答えたから、いわゆる国語が得意ってことかー、ふーんって思ったけど、その意味をその後深く理解することになるのでした。
 我が家のホームステイ最終日の夕食で、「いただきます」をする前に立派なお礼のスピーチを、あのかわいい声でしたのです。12歳の少女が大人達を前にして「このような食事を私の為に1週間用意してくれてありがとう」ってもちろん英語で流れるように語ったのでした。
 そして今日の彼女のお別れの挨拶が立派であったこと。50名ほどの我々の前に立ち、堂々と、そして明るく、アイコンタクトも忘れずに、立派なスピーチでした。確かに国語得意だわ。こういう力は日本人ヨワーイ。これは習慣の違いなのか、個人の資質の問題なのか。我々大人だってああいう風にはできないかも。


JINあれこれ

2011-06-27 13:30:45 | 感動
 ミーハーだけど、JINに夢中になり、最終回を迎えた昨晩。「最後どうなるか教えましょうか?」なんてコミックの内容をしゃべろうとするバネ中学生に、言うでない!とどんな授業の時より力を込めてまでして迎えた最終回。ドラマは残り30分で核心に急降下していく。そして最後に南方先生が手紙を読むシーンで、ふわりと着地。多少ん?を残しながらも画面は無情にもエンディング。わかったようなわからないような。娘は「わからないの?」って言うけど、わかるんだけど、なんかしっくりこない。しかし時間が経つと、ジワジワといろんなモノが見えてきて、そうだよなー、そうか、そうだったんだといろいろなモノがはっきりしてきて、今はすっきり。
 絵は線をあえて見せない。見える物をはっきり見せないで、そこにあるものを見る人の想像に任せる。だから写実的な作品は一見してモノがわかるだけに、すぐ飽きてしまうと言われるのですがね。
 1晩たってドラマの内容を反芻して見えてきた。しかしこの場合問題なのは、ドラマを録画したわけじゃないから、1度限りの視聴の記憶をたどるのみ。大事なシーンにトイレ行っていたかもしれないし、電話がかかってきて欠落している部分があるかもしれない。何よりもっとも懸念するのは、前編からの内容を全て記憶できているわけではないだろうってこと。最近は忘却のタイミングが速くなってきている。買った服忘れて、同じようなの買ってしまうくらいだから、自分は作者が仕掛けた部分の数割にしか気づいていないような気がする。また記憶を呼び起こすのに少々時間がかかるから、娘みたいにエンディング時に「あー、そうだったのかー」とはならないのですよ。
 
 

音楽と景色

2011-04-24 23:30:17 | 感動
 歯医者の待合室で、ん、っと心に響く曲が流れた。なんだっけこの曲。ジュワーッと感動が押し寄せる。なんだっけ、なんだっけと思い出そうとしていると、寅さんのミツオの顔が浮かんだ。受付の人に何の曲か聞こうと思っているうちに曲が変わってしまい、もうメロディも感動も思い出せないまま治療を終え帰る途中。ジワジワ思い出してきた。ミツオの顔と夕日が浮かぶ。こうくればALWAYSだ。確認するとそれは小雪が指を夕日にかざすシーンの曲。
 TUTAYAでALWAYSサントラ版を借り、車に入れる。
 ダウンロードした曲をランダムで流していると、長野からの帰り道この曲が流れる。浅間山麓を走っている時。桜が山肌を飾り、若緑と焦げ茶のパステルトーンな風景。残念ながらこの曲とはミスマッチ。
 北関東自動車道が東北道とつながったから、最近は藤岡から高崎方面に回り東北道で帰るようにしている。もし途中渋滞したらどこでも高速降りて気楽に走れるからこのコースはいいね。北関東道から東北道に入ると空の色が変。右手は明るい空色なのに、左手はブルーグレー。走るほどに、その重たい空の下に入っていく感じ。あの空の下は土砂降りなのだろうか。前方に大きな虹が見えた。後方に夕焼けの空を背負い、大きな虹に向かって進む。いつまでも虹の真下に行くことはできないけれど、確実に虹に近づいている。雨なのに、西の空が晴れているから虹が消えないんだと思う。東北道は羽生から混み始めたので加須で降りる。一般道で進行方向が変わったので、虹から遠ざかってしまった。途中強い雨が降ったり、雨上がりの路面を走ったりしながら宝珠花の橋に向かう。とその時、ずっと東に向かって走っていたけど、橋に向かう上り道はヘアピンカーブでグルリと方向転換するので、橋の入口まで西に向かう。その瞬間、眼前に夕焼け空がサーッと開けた。この景色。ALWAYSのあの曲の風景。ここであの曲が流れてくれれば。しかし現実は春風亭昇太の落語でした。

合掌

2010-12-28 11:51:49 | 感動
 愛媛から戻ると、先に栃木の大会から帰宅していたチャー御一行の手により夕食が準備されていた。随分成長しましたね、ということでそそくさと夕食をいただく。お互いに高校生の大会の話と小学生の大会の話をリンクしながら、割り込みながら、結局はバドミントンの話に終始し夕食を終え、バタバタと中国遠征準備の開始。どうせ大量のガット張りが待っているんでしょって覚悟していたけど、1本で済んでセーフ。
 そして翌日成田へ。土産やらなにやら準備できていないからと早めに空港入りし、久しぶりにゆったり時間を過ごした。第一ターミナル5階には日当りよい窓際にマーッサージチェアが並び、「これってストレス溜まるんだよね」って、要するに痒いところに手が届いたためしがない歯痒さを知っているくせに、つい200円入れ、「やっぱりだめだったな」とチャーと同じ感想を述べながら空港内ブラブラしていると、「ん?」と響くショップ発見。ちょっと覗いてみようと一歩入ると、そこは私的には宝の山。一村一品マーケットというお店で、AA諸国の工芸品等が並んでいます。人に寄ってはがらくたに見えるかもしれないけど、この素材や手作り感がたまらない。欲しい物ばっかり。なかでも目を引いた何点かを即購入。そのうちの一つがカンボジアの香炉。成田で御一行を見送り、ダッシュで野田に戻りお香を焚いてみた。
 煙が指の間から立ち上がる。これぞ我が家の2010年ヒット商品に滑り込み入りするか、それともついにこれから届く薄型テレビになるか。
 昨晩一人でゆったり鑑賞した「仁」でご臨終の花魁が胸の前で合掌したのはまさにこの形でしたね。

 

予感

2010-12-09 08:27:01 | 感動
 久しぶりにオフ。電車に乗るのも久しぶり。電車は非日常空間だから、人間観察にいそしんでしまいます。また、ヘー今あーゆーファッション流行っているんだなど、「今」を見る機会となるのです。これもたまにだからいいけど、毎日となると電車通勤やだよね。
 さて電車に乗って行き着いた先は、大宮。駅からデッキを進むと途中工事中で幅が狭くなり、2列歩行となる。黙々と前の人も後ろの人も、我々一行は左へそして右へと同じ方向に突き進む。一様に皆中高年。もしかしたらこの人達みんな同じところに行くんじゃないの?と思うほどで、まさにその通りでした。ゾロゾロと同じ穴に吸い込まれるように進み、席に着いたそこは「さだまさし」コンサート「予感」。ゆったり、しっとり、そしてトークを楽しめる落ち着いた数時間でした。全国ツアーの千秋楽だという大宮公演なので、なんとなく開放感が伝わってくるのです。さださんの通常のコンサートを知らないけど、まるで夏期講習最終日の最後の数時間の私みたく、あと少しだからがんばろう!的な、なめらかなエネルギッシュ感。
 歌詞のストーリーに皆いろいろな思いを絡めて聞きます。すごいなと思うのは井伏鱒二の文(詩)に曲をつけたということ。ということはこれは作詞「井伏鱒二」って表示されるっていうこと?なんか、すっごいことですね。この曲、確か佃煮の小魚、だったと思うけど、詩がいい。短い言葉に生と死が詰まっている。聞きながら哲学してしまうのでした。
 いろいろ刺激を受けて、何かを始める予感。

 
 

見えるか見えないか

2010-11-10 07:01:14 | 感動
 朝から講習会で缶詰状態。ながーい一日を終え、さて戻ってバネ始めますか。ということで6号線から16号に入る。呼塚の渋滞を抜け坂を上ると突き当たり地平線に連山らしき雲が見えた。山みたいに見える。夕日を浴びた空の下に沈殿しているインクブルーの雲の固まり。長野では、遥か遠くまでブルーのグラデーションを見せる山々は当たり前の景色だから、たとえ錯覚でも連山に囲まれているという感覚はすっごく落ち着く。
 しばらくすると雲が飛ばされ、あやふやだった山らしきシルエットがくっきりと山になった。前のトラックや建物の隙間からチラチラ見えるのは、確かに山。向かう先にグルリとあるらしきが見える。普段は見えないからわからないだけで、ここも遠いなりに山に囲まれているんだとあらためて実感。山を追いかけながら日没と競争。
 野田に入り前を遮る車も建物も少なくなり地平線まで見通せる所まで来た頃,日は落ち山は闇に沈んでしまった。突き当たりは闇しかない。見えないけど実はそこにある。あるものが見えるか見えないかの違いは大きい。そこにあるはずの闇を見つめながら16号を左折すると、いきなり正面にクリアな光を放つ三日月が飛び出してきた。
 山は消え、月が現れる。

露天で本読めたら最高なのに

2010-11-04 17:34:02 | 感動
 小学生の関東大会。ホテル最上階には温泉露天風呂があった。一人静かにつかりたいところなんだけど、他のチームの子ども達がいて温泉で大はしゃぎ。その子達が露天風呂で「あー、ホタルだー!」今時こんな場所で蛍のわけないじゃんと思うのに、近くにいた大人も「ホタルみたいですよ。」なんて言うからホタル論は確定っぽくなって、「あー、いいもの見た。ドラマ見るよりずーっといいもの見れた!」なんて子どもは最高の体験を強調しながら上がっていった。部屋でドラマ見るからと先にあがった高学年の子達を指して、ちょっぴり優越感持ったみたい。ドヤドヤ子どもが上がって静かになった露天風呂で位置をずらしのんびり足を伸ばすと、ホタルの正体がわかった。それはホテルの看板を照らすライトに浮かび上がった羽虫。
 あの子達はこのままあれがホタルだと思い込むわけです。これでいいのかとも思うけど、「最高」な体験をそっとしておくのもいいと思う。バーチャル体験が日常にありふれているから、最高というほど最高を味わっていないようにも思われたしね。帰り際に「ホタルにしては少し大きいかな。」って一人の子が呟いていたから。
 その夜甲府で掘り出し物をゲットした。町の小さな書店で偶然手に取った本。これがおもしろい。ふーっとため息をつきながら読み進める。本の世界に引込まれているうち、翌日迎えることになっている大会から少々離れることができた。現実でない本の世界の中で心が動いているという現実。バーチャルであれ、感動は本物。

がんばる子達

2010-09-09 13:57:03 | 感動
 今年も月影幼稚園の鼓笛の季節がやってきましたね。
 今年はYEALLみたい。
 昨日の台風で少し気温下がったから、思いっきり外で練習しているのか、久しぶりに演奏が聞こえてきた。
 
 もうあれから11年。
 娘達が炎天下で練習している演奏が聞こえてくると、よーし、今日も一日がんばろうと鼓舞されたものです。
 
 いつでも夢中で全力投球だったね。
 
 

沖縄の思い出

2010-08-13 06:57:07 | 感動
 おみやげっていうのはスーブニールっているように、自分の思い出の品。
 あれいいな、なんてちょっと心にひっかかりながら買わなかったりすると、それを買うために再訪するなんでことが度々あると、さすがに学習します。
 まず国際通りをさっと一通り歩く。良さそうな店を絞り込んだところでこの日は時間切れ。そして翌日はその店に直行。
 さて手に入れたものは,沖縄陶器「やちむん」ですよ。居酒屋ではどこでも素朴な味わいある取り皿出してくれるんだけど、これが欲しかった。その店には作者物が並んでいてどれも欲しいんだけど,その中で幾分薄めの無骨なものを家族分ゲット。
 この取り皿を使うために料理を作る。皿に合うように居酒屋風にする。そして皿を手に取るたびに、あの沖縄の夜を思い出す。そしてさらには、あの沖縄の土を思い出すのです。土砂降りの雨が降り,大会会場となった中学校の中庭に車を入れると、そこは赤茶色のぬかるみなのでした。靴についた泥を落とそうと思うけど,なかなか流れない。手でこすると,ねっとりとした粘土状の土でした。この土を思い出すと,なだらかな丘陵地帯に慰霊碑が点在してる光景を思い出し、少し切なくなります。そして沖縄の人の笑顔を思い出すのです。片笑いでない,満面の笑み。思わず同じ顔で笑ってしまうと,更にもっと笑ってくれる人達。なにしに行ったんだか。試合の話はどーしたー、って言われそう。
 毎夜沖縄を思い出しながら使う皿。絶対に割らないようにと家族に念押し。今思うと,3枚とも違う柄にすれば良かったかな。