バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

聞く力はいらない

2012-11-23 22:30:44 | バネ
 生徒が悩みをうちあける時。
 混雑している時は、彼らは言わない。もし言ったとしても、慌ただしさの中で私がキャッチできないのだ、と思う。
 たいていはポツリと言う。そしてまたポツリ。彼らは小出しする。ふん、ふんと聞いているうち、これはきちんと聞かないといけないなと思う時は授業中断して聞く。
 そして話しを聞きながら考える。何か言わなければ。先生なんだから、何か気のきいたこと言わなければ。

 女同士の悩み事相談は結論出さなくていい。喋ることが目的だから、解決策の指南などいらない。一緒になって、ふんふんと聞いてもらえればいい。話すことでスッキリする。なのにこれを男に相談すると、たいてい男というものは結論を出そうとす。その場合はこうしろと断定してくる。ただ話しを聞いてくれるだけでいいのに、と女は疲れてしまう。などと男と女の会話にはすれ違いがあるのだと何かの本で読んだ。

 授業を終え、チャーに相談する。こういう場合、私は何を言えば良かったのかな、と。すると「大変だな。と言ってただ聞いてあげればいいんだよ。」
 先生なんだから何か言って導かねばと力むなんて、まるで男と女の会話パターンではないですか。そう言えば最近、いつも同じ対応していたかもしれない。子どもたちの相談に対しいつも結論まで導き、手短に話しを終えていた。ただ聞くだけでいい、一緒に悩むだけでいいとは思えなくなっていた。経験を積んでいくうち、こういう場合はこう言えば良いと解決がパターン化されていて、ただそれにあてはめていた様に思う。これじゃ相談する方は、話しがいがなかっただろうな、と思う。

 バネ初期は生徒はほとんど女子だった。毎日ワイワイガヤガヤと女の園だった。授業が終わるとそこから悩み相談タイムが始まった。彼女たちはいつでも悩みをたくさん抱えていた。部活のこと、クラスのこと、友達のこと、そして授業のこと。相談は尽きず、「こんな時どうしたらいいの?」と持ちかけてきた。そのくせどんなアドバイスてにも納得しないし、悩み相談は終わりにならなかった。結局ダラダラとおしゃべりしていくのだった。夕食を待っている家族のことを気にかけながら、迎えのお母さんが「先生忙しいんだから、そろそろ帰りましょう」と助け舟を出してくれるまでおしゃべりは延々と続いた。もしあの時、夕食の心配がなければ一緒になって何時間もおしゃべりしていたことでしょう。

 ここで「聞く力」なんてフレーズが出てきそうだけど、そういう発想そのものがだめなんだよね。聞くことにテクニックや経験はいらない。



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