昨年度、伊藤園の「おーい!お茶」の新俳句大賞の佳作特別賞に入選した句が掲載されたペットボトルが届きました~。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/82/1595bfc8b8f2bc3082e2650b484e7ef0.jpg?random=1604f5aa3492c8709c68a13e9cd74fe0)
しっか~し、2リットルなのね…。
賞品(商品)が届いたら、お渡ししますなんて、何人かにお約束してたけど、安易すぎたな…。どうすべよ…?(汗)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/2d/53531d32a5fdba70db8c9086c1330d31.jpg)
贈りたい方がいらしたら、同封の用紙にてお申し込みください…だって。伊藤園さん、商売上手だなぁ…。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/82/1595bfc8b8f2bc3082e2650b484e7ef0.jpg?random=1604f5aa3492c8709c68a13e9cd74fe0)
しっか~し、2リットルなのね…。
賞品(商品)が届いたら、お渡ししますなんて、何人かにお約束してたけど、安易すぎたな…。どうすべよ…?(汗)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/2d/53531d32a5fdba70db8c9086c1330d31.jpg)
贈りたい方がいらしたら、同封の用紙にてお申し込みください…だって。伊藤園さん、商売上手だなぁ…。
今朝、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。今回のテーマは「持病」です。
歌そのものの初詠は古いものが多いです。ただ、大幅に手を入れてあります。
こうして改めて見ると、比喩が昔の方が達者だったんだなぁ…と分かります。
最後の一首は、「再燃を組み伏せ続ける」と「闘病」の言葉が意味が重なっているような感じですね。これの三句は「生活に」くらいが良かったのかなぁ…。まぁ、後の祭り。どう添削されて返ってくるでしょうか…?
精神科行き交う人は誰しもが病んで見えくる 業者なりとも
雑巾のように重き身横たえて眠剤を呑む頃合を待つ
薬にて抑えきれない神経伝達物質(ドーパミン)に頭の内に起こるあやとり
うつつなる噂話も幻聴か自意識過剰と母のいなせり
背のロゴのPRODUCEDなる語を忌みてリバーシブルを裏返し着る
音楽を聴くと始まる静坐不能症(アカシジア) 能のようにも指揮者のようにも
蛇口より擦り出で湯舟打つ水が着信に似て吾を焦らす
処方とは違う眠剤渡されて中を改める習慣がつく
再燃を組み伏せ続ける闘病に欠くべからざる節制が欲し
(2012年10月10日締め切り分、『樹海』2012年12月号掲載予定)
歌そのものの初詠は古いものが多いです。ただ、大幅に手を入れてあります。
こうして改めて見ると、比喩が昔の方が達者だったんだなぁ…と分かります。
最後の一首は、「再燃を組み伏せ続ける」と「闘病」の言葉が意味が重なっているような感じですね。これの三句は「生活に」くらいが良かったのかなぁ…。まぁ、後の祭り。どう添削されて返ってくるでしょうか…?
精神科行き交う人は誰しもが病んで見えくる 業者なりとも
雑巾のように重き身横たえて眠剤を呑む頃合を待つ
薬にて抑えきれない神経伝達物質(ドーパミン)に頭の内に起こるあやとり
うつつなる噂話も幻聴か自意識過剰と母のいなせり
背のロゴのPRODUCEDなる語を忌みてリバーシブルを裏返し着る
音楽を聴くと始まる静坐不能症(アカシジア) 能のようにも指揮者のようにも
蛇口より擦り出で湯舟打つ水が着信に似て吾を焦らす
処方とは違う眠剤渡されて中を改める習慣がつく
再燃を組み伏せ続ける闘病に欠くべからざる節制が欲し
(2012年10月10日締め切り分、『樹海』2012年12月号掲載予定)
今朝早く、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
今回のテーマは「兄」。主に、帰省時のことを詠ったものです。兄とはあまり仲がいい方とは言えないので、歌もそんなに作っていないような気がしていましたが、振り返ってみると案外ありました。
前以て連絡無しに帰省した兄に慌てて布団敷く母
帰るなり兄は閉店直前のスーパーへ行く素麺買いに
F1にこだわり続ける兄買いし新車はまたもホンダ製なり
帰省した兄の居座る屋根裏より八十年代ゲームの音す
屋根裏より漏れくる灯り煌々と浅き眠りの吾に降り注ぐ
長芋と胡瓜のサラダをより分けてそれぞれ醤油とマヨネーズ掛く
電器屋の割引券を貰えども兄に向かえば礼の言出ず
発つ兄の残しゆきたる発泡酒開けて昼より母と潰れる
兄の持つ携帯番号つくづくと眺めてみても語呂の浮かばず
泣きし母受けたる電話に奮い立ち玉葱刻む秋の夕暮
(2012年9月10日締め切り分、『樹海』2012年11月号掲載予定)
今回のテーマは「兄」。主に、帰省時のことを詠ったものです。兄とはあまり仲がいい方とは言えないので、歌もそんなに作っていないような気がしていましたが、振り返ってみると案外ありました。
前以て連絡無しに帰省した兄に慌てて布団敷く母
帰るなり兄は閉店直前のスーパーへ行く素麺買いに
F1にこだわり続ける兄買いし新車はまたもホンダ製なり
帰省した兄の居座る屋根裏より八十年代ゲームの音す
屋根裏より漏れくる灯り煌々と浅き眠りの吾に降り注ぐ
長芋と胡瓜のサラダをより分けてそれぞれ醤油とマヨネーズ掛く
電器屋の割引券を貰えども兄に向かえば礼の言出ず
発つ兄の残しゆきたる発泡酒開けて昼より母と潰れる
兄の持つ携帯番号つくづくと眺めてみても語呂の浮かばず
泣きし母受けたる電話に奮い立ち玉葱刻む秋の夕暮
(2012年9月10日締め切り分、『樹海』2012年11月号掲載予定)
先ほど、来月十日締め切り分の歌稿を投函して来ました。
今回のテーマは、「通勤路」です。私としてはいつもより自信のある歌が揃いました。
でも、清書しながら「あっ…」と思った点もありました。四首目「ベンチに連れ立って」は、実際には座っているんです。だから「並(な)み座り」とするべきかなぁ、と。けれど、これだと友達同士かどうかがぼやけてしまうし…と思い、先生がどう朱を入れて下さるかを待とうと、敢えてこのまま出しました。さて、どうなりますか…。
足早に出勤の人過ぎゆける道にすがしい空気を吸いぬ
反対の車線に停まる通園のバスの子供に手を振る車掌
喫煙所なきに若きらふてぶてとふかす入鋏(にゅうきょう)省略の駅
学生が駅のベンチに連れ立ってそれぞれ無言で携帯に対く
信号を待つ身西陽に焼かれつつ手許を過ぎる微風に和む
汗ばんだ吾が乗り込むと学生が鞄より出すデオドラント剤
陽炎の立つホームへと滑り込む中央線に吸われゆく群れ
来し方を問える初老の脂顔に電車を一つ早めて通う
市民バス使い一年 バス停が農の駅へと乗り入れられる
(2012年8月10日締め切り分、『樹海』2012年10月号掲載予定)
今回のテーマは、「通勤路」です。私としてはいつもより自信のある歌が揃いました。
でも、清書しながら「あっ…」と思った点もありました。四首目「ベンチに連れ立って」は、実際には座っているんです。だから「並(な)み座り」とするべきかなぁ、と。けれど、これだと友達同士かどうかがぼやけてしまうし…と思い、先生がどう朱を入れて下さるかを待とうと、敢えてこのまま出しました。さて、どうなりますか…。
足早に出勤の人過ぎゆける道にすがしい空気を吸いぬ
反対の車線に停まる通園のバスの子供に手を振る車掌
喫煙所なきに若きらふてぶてとふかす入鋏(にゅうきょう)省略の駅
学生が駅のベンチに連れ立ってそれぞれ無言で携帯に対く
信号を待つ身西陽に焼かれつつ手許を過ぎる微風に和む
汗ばんだ吾が乗り込むと学生が鞄より出すデオドラント剤
陽炎の立つホームへと滑り込む中央線に吸われゆく群れ
来し方を問える初老の脂顔に電車を一つ早めて通う
市民バス使い一年 バス停が農の駅へと乗り入れられる
(2012年8月10日締め切り分、『樹海』2012年10月号掲載予定)
今朝、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
テーマは、改めて「父逝く」です。父自身の言動について詠んだものと、父と私の関係においてできた歌と、半々で構成されています。
食べては吐く父の買い置ける惣菜が入院前夜の食卓に載る
入院の父は保証に吾を立て癖字に記し印を捺したり
手続きを吾が方むいて伝えくるナースと母の顔を見比ぶ
誓約書出した明くる日届きたる福祉手帳の二級の知らせ
カテーテル付けつつ地図を広げおり遠く能登へと想いを馳せて
食道の癌に阻まれ食べられぬ馳走を父はテレビに観続く
携帯の家族割で得たクーポンが父を見送る喪服に消える
大学を出つつ稼げぬ吾をかこつ父に聞こえぬふりをしており
細りゆく父は葬儀の段取りをワープロに打ち家族に配る
さよならを始まりとして生き継げり弔う牧師の言を支えに
(2012年7月10日締め切り分、『樹海』2012年9月号掲載予定)
テーマは、改めて「父逝く」です。父自身の言動について詠んだものと、父と私の関係においてできた歌と、半々で構成されています。
食べては吐く父の買い置ける惣菜が入院前夜の食卓に載る
入院の父は保証に吾を立て癖字に記し印を捺したり
手続きを吾が方むいて伝えくるナースと母の顔を見比ぶ
誓約書出した明くる日届きたる福祉手帳の二級の知らせ
カテーテル付けつつ地図を広げおり遠く能登へと想いを馳せて
食道の癌に阻まれ食べられぬ馳走を父はテレビに観続く
携帯の家族割で得たクーポンが父を見送る喪服に消える
大学を出つつ稼げぬ吾をかこつ父に聞こえぬふりをしており
細りゆく父は葬儀の段取りをワープロに打ち家族に配る
さよならを始まりとして生き継げり弔う牧師の言を支えに
(2012年7月10日締め切り分、『樹海』2012年9月号掲載予定)
先ほど、来月十日締め切り分の歌稿を投函して来ました。今回のテーマは「匂い」です。
今回も、句跨がりや字足らずがあって、先生には厳しく添削されそうですが…、さて。
携帯の灯に歌詞たどるライナーより石鹸の香が闇に漂う
来客に整えた芳香剤が弥生の雨の夜更けを包む
歯磨きのシトラスアイスの残り香を眠剤の後の緑茶にて消す
人参の香のみ立ちたるきんぴらの牛蒡の苦み食後に尖る
横になりツイッターに興じいて肩の湿布の匂いにむせる
友が書を読めるかたわら吹かしたる夫君浮かびぬ借りた歌集に
桜桃の種取りながら臭った髪を今夜は弟(おと)のシャンプーで洗う
洗っても拭いきれない汗臭さを寝苦しき夜の言い訳にする
(2012年6月10日締め切り分、『樹海』2012年8月号掲載予定)
今回も、句跨がりや字足らずがあって、先生には厳しく添削されそうですが…、さて。
携帯の灯に歌詞たどるライナーより石鹸の香が闇に漂う
来客に整えた芳香剤が弥生の雨の夜更けを包む
歯磨きのシトラスアイスの残り香を眠剤の後の緑茶にて消す
人参の香のみ立ちたるきんぴらの牛蒡の苦み食後に尖る
横になりツイッターに興じいて肩の湿布の匂いにむせる
友が書を読めるかたわら吹かしたる夫君浮かびぬ借りた歌集に
桜桃の種取りながら臭った髪を今夜は弟(おと)のシャンプーで洗う
洗っても拭いきれない汗臭さを寝苦しき夜の言い訳にする
(2012年6月10日締め切り分、『樹海』2012年8月号掲載予定)
先ほど、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
今回のテーマは、単純明快に「春」でまとめてみました。結構前に詠んだ歌ばかりです(汗)。
私は自然の風物の名称に疎いこともあって、どちらかと言えば人事詠が多いです。でも、結社の方々には殆ど花鳥風月しか詠まない方もいらっしゃいます。歳を重ねてくると、身の回りには苦しいことが増えるからなのかもしれませんが…、言わば自然詠のベテランです。そういう中に私の稚拙な季節詠が紛れ込むと、甚だ見劣りがするのも事実です…。まぁ、私には息抜きです。次への助走として見守ってください(苦笑)。
教会より土産に持ち来るイースターエッグに意味を尋ねる弟
毛羽立ちの目立つマスクを洗い干し花粉除けにと幾度も使う
穏やかな陽気に繰り出す王仁塚(わにづか)に竹の葉ずれが涼しき道あり
山間の緑に混じる桜花霞みてこんもりほろ酔い加減
桜見て花粉に腫れた目が開かず目覚ましCDただ聴き流す
逆様に吊るした傘に摘み入れる桃の花弁が微風に零れる
桃の花摘むと見上げる枝先に飛行機雲が長く筋曳く
豆腐屋の前に出されたおからの缶に赤紫の花びら一ひら
ほころびし菜花を和えたおひたしは苦味のつんと初夏を誘う
(2012年5月10日締め切り分、『樹海』2012年7月号掲載予定)
今回のテーマは、単純明快に「春」でまとめてみました。結構前に詠んだ歌ばかりです(汗)。
私は自然の風物の名称に疎いこともあって、どちらかと言えば人事詠が多いです。でも、結社の方々には殆ど花鳥風月しか詠まない方もいらっしゃいます。歳を重ねてくると、身の回りには苦しいことが増えるからなのかもしれませんが…、言わば自然詠のベテランです。そういう中に私の稚拙な季節詠が紛れ込むと、甚だ見劣りがするのも事実です…。まぁ、私には息抜きです。次への助走として見守ってください(苦笑)。
教会より土産に持ち来るイースターエッグに意味を尋ねる弟
毛羽立ちの目立つマスクを洗い干し花粉除けにと幾度も使う
穏やかな陽気に繰り出す王仁塚(わにづか)に竹の葉ずれが涼しき道あり
山間の緑に混じる桜花霞みてこんもりほろ酔い加減
桜見て花粉に腫れた目が開かず目覚ましCDただ聴き流す
逆様に吊るした傘に摘み入れる桃の花弁が微風に零れる
桃の花摘むと見上げる枝先に飛行機雲が長く筋曳く
豆腐屋の前に出されたおからの缶に赤紫の花びら一ひら
ほころびし菜花を和えたおひたしは苦味のつんと初夏を誘う
(2012年5月10日締め切り分、『樹海』2012年7月号掲載予定)
先ほど、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
今回は「編み物」をテーマにまとめてみました。
八首目は、新聞の文芸欄に先生の手による修正がされて掲載されましたが、某SNSで「二重の意味にとれる」と言われ、尤もだと思ったため、さらに自分で手を加えた形で提出しました。
二首目、「弾んだ息を見ており」は、息が見えるのか…と自分でも難点が分かるのですが、聞こえるほどの荒々しい息ではありません。その様子、といった程度の意味なのですが、先生はどう直して下さるんでしょうか…?(他力本願。^_^;;;;)
手すさびにレース編みはと促せる医師の言葉をただ受け流す
小刻みな震えを押してシュシュを編む朋の弾んだ息を見ており
水筒のカバー編む吾に付き合いて師の早々と昼餉切り上ぐ
水筒のカバーの出来をひけらかし編み物ブーム作業所に成す
混み合える事務所に雛の仕上がりを見せくる師のほほ涙がつたう
編み物を夜更けまでして寝ねたれば頓服効かず二時に目覚める
モチーフをつなげる術が分からずに糸の始末に時間をかける
鉤針の五号と三号を取り違えひと日の労苦の甲斐なくほどく
モールでの展示販売たてに取り編み物に凝り過ごす歳晩
(2012年4月10日締め切り分、『樹海』2012年6月号掲載予定)
今回は「編み物」をテーマにまとめてみました。
八首目は、新聞の文芸欄に先生の手による修正がされて掲載されましたが、某SNSで「二重の意味にとれる」と言われ、尤もだと思ったため、さらに自分で手を加えた形で提出しました。
二首目、「弾んだ息を見ており」は、息が見えるのか…と自分でも難点が分かるのですが、聞こえるほどの荒々しい息ではありません。その様子、といった程度の意味なのですが、先生はどう直して下さるんでしょうか…?(他力本願。^_^;;;;)
手すさびにレース編みはと促せる医師の言葉をただ受け流す
小刻みな震えを押してシュシュを編む朋の弾んだ息を見ており
水筒のカバー編む吾に付き合いて師の早々と昼餉切り上ぐ
水筒のカバーの出来をひけらかし編み物ブーム作業所に成す
混み合える事務所に雛の仕上がりを見せくる師のほほ涙がつたう
編み物を夜更けまでして寝ねたれば頓服効かず二時に目覚める
モチーフをつなげる術が分からずに糸の始末に時間をかける
鉤針の五号と三号を取り違えひと日の労苦の甲斐なくほどく
モールでの展示販売たてに取り編み物に凝り過ごす歳晩
(2012年4月10日締め切り分、『樹海』2012年6月号掲載予定)
昼前に、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
今回は、震災からまもなく一年ということで、震災の余波といった風なテーマでまとめてみました。
一首目とかかなり句跨がり&句割れで読みにくいし 色々問題も多いのですが、テレビを観た感想に留めないようにだけは気を配りました。
ダンプカー三台連なり吾を追い越し行けり地震(ない)あとの明け方
賀状だけ交わす寡婦(やもめ)を茨城より引き取ると言う末期の父は
意気高く牧師と松江に赴いた夫人の地震(ない)に非力にじます
被災地の受け取らぬ荷を積んだまま弟(おと)は長野でスキーに耽(ふけ)る
すべからく風評と切り捨てる母 ツイッターに吾が得た情報は
飯舘が避難区域になる前に牛連れ来んと図る理事長
地震(ない)を機に母を伴い越してきた農を営む青年H
夜更けまで手打ちせる蕎麦すすりつつ暮れに浮かびしH氏の顔
(2012年3月10日締め切り分、『樹海』2012年5月号掲載予定)
今回は、震災からまもなく一年ということで、震災の余波といった風なテーマでまとめてみました。
一首目とかかなり句跨がり&句割れで読みにくいし 色々問題も多いのですが、テレビを観た感想に留めないようにだけは気を配りました。
ダンプカー三台連なり吾を追い越し行けり地震(ない)あとの明け方
賀状だけ交わす寡婦(やもめ)を茨城より引き取ると言う末期の父は
意気高く牧師と松江に赴いた夫人の地震(ない)に非力にじます
被災地の受け取らぬ荷を積んだまま弟(おと)は長野でスキーに耽(ふけ)る
すべからく風評と切り捨てる母 ツイッターに吾が得た情報は
飯舘が避難区域になる前に牛連れ来んと図る理事長
地震(ない)を機に母を伴い越してきた農を営む青年H
夜更けまで手打ちせる蕎麦すすりつつ暮れに浮かびしH氏の顔
(2012年3月10日締め切り分、『樹海』2012年5月号掲載予定)
かなり早過ぎますが、今月はちょっと私用で立て込むため、来月十日締め切り分の歌稿を 今日 投函しました。
今回のテーマは、シンプルに「冬」。「年末年始」でまとめたことは二度ほどありましたが、今回はもう少し期間設定を緩めました。このくらいゆるいテーマの方が作風にも起伏が富んで、読んでいてくどく感じないかもしれませんね。
今回のくせ者は、「ドップラー効果」の歌。先生にはばっさりと落とされそうな歌ですが、果たして…?
駅前の色づく銀杏に掛けられた点灯前のライトきらめく
フィギュア観る母の居る間に戸を隔て暗き厨に皿洗いおり
在りし日の翁の臥所(ふしど)を訪れたキャロルを語る刀自(とじ)の遠き目
渋りつつ出掛けた母がJAでビオラ買い来ていそいそ植える
十代に恋うる三十路よ ドップラー効果のように褪めゆきて冬
ぶっつりと用件だけの電話切れふっきるために蜜柑を食らう
「いただくよ」骨箱の父に声をかけ隣に積んだ蜜柑を手にす
荼毘(だび)の朝休むと告げた職場より賀状の届く一月三日
「ごみごみと降る」とう賢治の雪ぞらを待合の窓に確かめている
(2012年2月10日締め切り分、『樹海』2012年4月号掲載予定)
今回のテーマは、シンプルに「冬」。「年末年始」でまとめたことは二度ほどありましたが、今回はもう少し期間設定を緩めました。このくらいゆるいテーマの方が作風にも起伏が富んで、読んでいてくどく感じないかもしれませんね。
今回のくせ者は、「ドップラー効果」の歌。先生にはばっさりと落とされそうな歌ですが、果たして…?
駅前の色づく銀杏に掛けられた点灯前のライトきらめく
フィギュア観る母の居る間に戸を隔て暗き厨に皿洗いおり
在りし日の翁の臥所(ふしど)を訪れたキャロルを語る刀自(とじ)の遠き目
渋りつつ出掛けた母がJAでビオラ買い来ていそいそ植える
十代に恋うる三十路よ ドップラー効果のように褪めゆきて冬
ぶっつりと用件だけの電話切れふっきるために蜜柑を食らう
「いただくよ」骨箱の父に声をかけ隣に積んだ蜜柑を手にす
荼毘(だび)の朝休むと告げた職場より賀状の届く一月三日
「ごみごみと降る」とう賢治の雪ぞらを待合の窓に確かめている
(2012年2月10日締め切り分、『樹海』2012年4月号掲載予定)
午前中に来月十日締め切り分の歌稿をまとめました。昼過ぎに外出する際に投函してきます。
今回のテーマは、クリスマスコンサート。企画から運営まで携わったため 感慨もひとしおですが、それに取りあえず一区切り。
年配の方の多い結社では、きっと歌誌面で浮き立つことでしょう…。
ミクシィの友の山梨遠征を企てカフェを巡り歩きぬ
竣工の間近き二月「教会で演ってみないか」おずおずと訊く
教室に通う友にとギターソロ何はさておきリクエストする
コンサートのビラにバザーのそれも添え持たす牧師の笑みに引きつる
楽器屋に入り店番と談笑しCD棚を隈なく眺む
ビラを置く店に購う何くれを無駄と咎めて母の呟く
下北沢(しもきた)を根城にしたる吾が友に来し方想い信徒の語る
余裕もて迎えにあがる韮崎の駅のベンチにたじろがず待つ
「そりすべり」試すリハにてシンガーと立ち合う吾が影ふたつ揺れいる
茶話会に気安く声をかけきたる客に相好崩せる二人
会果ててクリスマスなど何物とうそぶく演者に虚しさ募る
(2012年1月10日締め切り分、『樹海』2012年3月号掲載予定)
今回のテーマは、クリスマスコンサート。企画から運営まで携わったため 感慨もひとしおですが、それに取りあえず一区切り。
年配の方の多い結社では、きっと歌誌面で浮き立つことでしょう…。
ミクシィの友の山梨遠征を企てカフェを巡り歩きぬ
竣工の間近き二月「教会で演ってみないか」おずおずと訊く
教室に通う友にとギターソロ何はさておきリクエストする
コンサートのビラにバザーのそれも添え持たす牧師の笑みに引きつる
楽器屋に入り店番と談笑しCD棚を隈なく眺む
ビラを置く店に購う何くれを無駄と咎めて母の呟く
下北沢(しもきた)を根城にしたる吾が友に来し方想い信徒の語る
余裕もて迎えにあがる韮崎の駅のベンチにたじろがず待つ
「そりすべり」試すリハにてシンガーと立ち合う吾が影ふたつ揺れいる
茶話会に気安く声をかけきたる客に相好崩せる二人
会果ててクリスマスなど何物とうそぶく演者に虚しさ募る
(2012年1月10日締め切り分、『樹海』2012年3月号掲載予定)
ブログへの掲載が遅くなりましたが、日曜日に来月十日締め切り分の歌稿を投函して来ました。
今回は、10月に惜しまれつつ閉店した【お~くぼ食堂】さんをテーマにまとめてみました。お店の閉店の間際に父が他界し、最後にお伺いできなかったことが心残りです。iPhoneで【くぼ食】さんのブログを見るのが「ほぼ日」の日課になってましたので、最近は何だか心にぽっかり穴が開いた感じです…。
駅前に「キャロル」というカフェありしこと古書に挟まれた栞にて知る
気の向いて仕事帰りに訪う店の灯りまばゆく闇で手招く
清里に越したるカフェを引き継いだ店を彩る無国籍料理
着ぶくれてロボコンに似た吾を見て厨房のシェフ汗を拭いぬ
ももちゃんの腕にかかれば何だって美味しく変わる まな板の鯉
ネーミングをやや悔いており「とどです」と名乗る予約の電話に吃りて
服薬に酒を控える吾が快気祝いはゴーヤにマンゴーラッシー
特急の満席告げるニュース聞き遠出の意志がぐんにゃり萎える
終演の時間しつこく問う母に上京するとはついぞ切り出せず
上京をやめ迎え火のくゆる道をゆるゆると行く「お~くぼ食堂」
父の余命ひと月と聞き「くぼ食」の終(つい)なるライヴの予約取り消す
(2011年12月10日締め切り分、『樹海』2012年2月号掲載予定)
今回は、10月に惜しまれつつ閉店した【お~くぼ食堂】さんをテーマにまとめてみました。お店の閉店の間際に父が他界し、最後にお伺いできなかったことが心残りです。iPhoneで【くぼ食】さんのブログを見るのが「ほぼ日」の日課になってましたので、最近は何だか心にぽっかり穴が開いた感じです…。
駅前に「キャロル」というカフェありしこと古書に挟まれた栞にて知る
気の向いて仕事帰りに訪う店の灯りまばゆく闇で手招く
清里に越したるカフェを引き継いだ店を彩る無国籍料理
着ぶくれてロボコンに似た吾を見て厨房のシェフ汗を拭いぬ
ももちゃんの腕にかかれば何だって美味しく変わる まな板の鯉
ネーミングをやや悔いており「とどです」と名乗る予約の電話に吃りて
服薬に酒を控える吾が快気祝いはゴーヤにマンゴーラッシー
特急の満席告げるニュース聞き遠出の意志がぐんにゃり萎える
終演の時間しつこく問う母に上京するとはついぞ切り出せず
上京をやめ迎え火のくゆる道をゆるゆると行く「お~くぼ食堂」
父の余命ひと月と聞き「くぼ食」の終(つい)なるライヴの予約取り消す
(2011年12月10日締め切り分、『樹海』2012年2月号掲載予定)
昨日、来月十日締め切り分の歌稿を投函して来ました。やはり父が亡くなった関係の歌を集めて出しました。
今回は自分でも推敲が甘いなぁ…という感が拭えないのが実際です。
二首目「くぐもり」の後にいきなり「店~」と続くのがスムースでないし、七首目「友の悔やみ」は、一瞬 友達が亡くなったようにも取れなくもないし。それに「返信」を誰が書いているのかちょっと読み取りづらいですよね。五首目「実感である」も、もうちょっと何かいい表現は無いのかなぁ…と自分でも思ったし。
そんな風に自分で落ち度が分かるにも関わらず提出してしまったのは、あまり真正面からがっぷり向き合えるテーマじゃなかったということもあるんでしょうね…。本当は締め切りまで日にちもあるんですけど、忙しいことを言い訳に「えいやー」で出してしまいました。
冥福の語を避け悔やみ述べくれる友のツイートに沁みいり過ごす
うすら開く瞼に覗く瞳孔のくぐもり店に並ぶ魚(うお)のごと
仏式の望み叶わず骨箱に十字張られし父の心地は
骨となりたる父を伴い帰り来し夕餉に酌めるビールの苦し
骨箱に父の面影重なるは幻でなく実感である
SLを観に行かんとした父はいま高崎の空巡りているか
「シモン、シモン」と繰り返したる主イエスを友の悔やみの返信に見き
お彼岸の頃に逝きたる父親が先達と和す文芸欄に
(2011年11月10日締め切り分、『樹海』2012年1月号掲載予定)
今回は自分でも推敲が甘いなぁ…という感が拭えないのが実際です。
二首目「くぐもり」の後にいきなり「店~」と続くのがスムースでないし、七首目「友の悔やみ」は、一瞬 友達が亡くなったようにも取れなくもないし。それに「返信」を誰が書いているのかちょっと読み取りづらいですよね。五首目「実感である」も、もうちょっと何かいい表現は無いのかなぁ…と自分でも思ったし。
そんな風に自分で落ち度が分かるにも関わらず提出してしまったのは、あまり真正面からがっぷり向き合えるテーマじゃなかったということもあるんでしょうね…。本当は締め切りまで日にちもあるんですけど、忙しいことを言い訳に「えいやー」で出してしまいました。
冥福の語を避け悔やみ述べくれる友のツイートに沁みいり過ごす
うすら開く瞼に覗く瞳孔のくぐもり店に並ぶ魚(うお)のごと
仏式の望み叶わず骨箱に十字張られし父の心地は
骨となりたる父を伴い帰り来し夕餉に酌めるビールの苦し
骨箱に父の面影重なるは幻でなく実感である
SLを観に行かんとした父はいま高崎の空巡りているか
「シモン、シモン」と繰り返したる主イエスを友の悔やみの返信に見き
お彼岸の頃に逝きたる父親が先達と和す文芸欄に
(2011年11月10日締め切り分、『樹海』2012年1月号掲載予定)
少し早めですが、先ほど来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
今回は、「信仰」をテーマに歌稿をまとめました。他の題目を掲げている時にも、信仰がらみの歌は織り交ぜて出すのですが、先生は素っ気なく結社誌には載せてくれないことが殆どです。(不信仰を詠ったものは載せてくれるような気がします。)なので、こうして改めてテーマ設定をしないと、結社の同人の方には私の信仰生活が見えてこないんですよね。
三首目とか、ちょっと表現がキツいかなぁ…と思ったりもしましたが、こう書かないと私がそれに違和感を感じることが伝わらないだろうし…。先生は温厚な性格だからか、他の人への恨み言のような歌は結社誌からは外すことが多いです。それはある意味配慮なんでしょうけど…私としては三首目に登場してくる「信徒」(結社の先輩)に、この歌の意図するところを汲み取ってほしい気持ちがあります。
Tシャツの乾きの遅く干し方を幾たび変える慈雨の土曜日
ぶかぶかで持て余したるTシャツを教会に出し寄せ場に送る
偶像の祭りを吾に問う人に妻の信徒を見遣りて黙す
教会のカレーの準備に早出すと涼しき風に蝉の鳴くなり
幾枚も皿を洗いて痺れ来る吾が左手を見守る主あり
長年の疑心を払い洗礼を受けた婦人の貌(かお)の穏しき
組会を辞する腹にて行く日曜礼拝に声もかからず寂し
大学に進んだ子の髪明るむを牧師夫人が「ぱつきん」と呼ぶ
揺れやすき心 ラジオの占いのピークに車トンネルに入る
アラフォーの牧師の妻にと推す人にかぶりを振って春を分かつ日
(2011年10月10日締め切り分、『樹海』2011年12月号掲載予定)
今回は、「信仰」をテーマに歌稿をまとめました。他の題目を掲げている時にも、信仰がらみの歌は織り交ぜて出すのですが、先生は素っ気なく結社誌には載せてくれないことが殆どです。(不信仰を詠ったものは載せてくれるような気がします。)なので、こうして改めてテーマ設定をしないと、結社の同人の方には私の信仰生活が見えてこないんですよね。
三首目とか、ちょっと表現がキツいかなぁ…と思ったりもしましたが、こう書かないと私がそれに違和感を感じることが伝わらないだろうし…。先生は温厚な性格だからか、他の人への恨み言のような歌は結社誌からは外すことが多いです。それはある意味配慮なんでしょうけど…私としては三首目に登場してくる「信徒」(結社の先輩)に、この歌の意図するところを汲み取ってほしい気持ちがあります。
Tシャツの乾きの遅く干し方を幾たび変える慈雨の土曜日
ぶかぶかで持て余したるTシャツを教会に出し寄せ場に送る
偶像の祭りを吾に問う人に妻の信徒を見遣りて黙す
教会のカレーの準備に早出すと涼しき風に蝉の鳴くなり
幾枚も皿を洗いて痺れ来る吾が左手を見守る主あり
長年の疑心を払い洗礼を受けた婦人の貌(かお)の穏しき
組会を辞する腹にて行く日曜礼拝に声もかからず寂し
大学に進んだ子の髪明るむを牧師夫人が「ぱつきん」と呼ぶ
揺れやすき心 ラジオの占いのピークに車トンネルに入る
アラフォーの牧師の妻にと推す人にかぶりを振って春を分かつ日
(2011年10月10日締め切り分、『樹海』2011年12月号掲載予定)