今朝早く、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
今回のテーマは「兄」。主に、帰省時のことを詠ったものです。兄とはあまり仲がいい方とは言えないので、歌もそんなに作っていないような気がしていましたが、振り返ってみると案外ありました。
前以て連絡無しに帰省した兄に慌てて布団敷く母
帰るなり兄は閉店直前のスーパーへ行く素麺買いに
F1にこだわり続ける兄買いし新車はまたもホンダ製なり
帰省した兄の居座る屋根裏より八十年代ゲームの音す
屋根裏より漏れくる灯り煌々と浅き眠りの吾に降り注ぐ
長芋と胡瓜のサラダをより分けてそれぞれ醤油とマヨネーズ掛く
電器屋の割引券を貰えども兄に向かえば礼の言出ず
発つ兄の残しゆきたる発泡酒開けて昼より母と潰れる
兄の持つ携帯番号つくづくと眺めてみても語呂の浮かばず
泣きし母受けたる電話に奮い立ち玉葱刻む秋の夕暮
(2012年9月10日締め切り分、『樹海』2012年11月号掲載予定)
今回のテーマは「兄」。主に、帰省時のことを詠ったものです。兄とはあまり仲がいい方とは言えないので、歌もそんなに作っていないような気がしていましたが、振り返ってみると案外ありました。
前以て連絡無しに帰省した兄に慌てて布団敷く母
帰るなり兄は閉店直前のスーパーへ行く素麺買いに
F1にこだわり続ける兄買いし新車はまたもホンダ製なり
帰省した兄の居座る屋根裏より八十年代ゲームの音す
屋根裏より漏れくる灯り煌々と浅き眠りの吾に降り注ぐ
長芋と胡瓜のサラダをより分けてそれぞれ醤油とマヨネーズ掛く
電器屋の割引券を貰えども兄に向かえば礼の言出ず
発つ兄の残しゆきたる発泡酒開けて昼より母と潰れる
兄の持つ携帯番号つくづくと眺めてみても語呂の浮かばず
泣きし母受けたる電話に奮い立ち玉葱刻む秋の夕暮
(2012年9月10日締め切り分、『樹海』2012年11月号掲載予定)