犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

御御御付

2021-03-27 23:05:46 | 言葉
 ある日本語学習サイトのタイムラインに、

御御御付って、おもしろい言葉ですね」

という投稿がありました。ロシア人の学習者の投稿です。

それに対して、私は

御御足もね!」

とコメントを返しました。

 私が小学生の時、近所に住む子どもたち同士で「集団登校」をしていました。全員が揃うまで、待ち合わせ場所でおしゃべりをして過ごすのですが、ある日、「いつも朝ごはんは何を食べるか」という話になりました。

「うちはパンと牛乳」

「うちはごはんとお味噌汁」


「うちもごはんとおつけ」


「えっ? おつけ?」


 私が聞き返しました。

「お味噌汁のことだけど、おつけって、言わない?」

「うちでは言わないなあ。おみよつけとは言うけど」


 当たり前の食べ物の呼び方が、家庭によって違うということを知って、驚きました。

 新明解国語辞典によれば、

おつけ【御付け】〔ご飯につけて出すものの意〕みそしる。

 また、おみよつけは、正しくは「おみおつけ」で、

おみおつけ〔「お付け」に丁寧の接頭語「お・み」の付いたもの、また、「おみ」は味噌の女性語ともいう〕「みそしる」の丁寧語。

 接頭語の「お・み」というのは、尊敬・丁寧を表すもので、漢字で書けば「御御」。したがって、おみおつけを漢字で書くと「御御御付」になるわけです。

 で、御御足は「おみあし」で、「足」の尊敬語。

 私は、おつけ、おみあしは、自分では使いません。

 おみおつけは、子供のころ「おみよつけ」という発音で使っていましたが、結婚後は使っておらず、私の娘たちも、「聞いたことはあるけど使わない」と言っています。

「御御御付」をおもしろがっていたロシア人と言うのは、このブログに何回か登場したラトビア在住のロシア人で、日本語の上級者。

 こんなマニアックは言葉(漢字表記)を知っているなんて、大したものです。
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