またジャイアント(韓国ドラマ)の話です。
私の見ていないうちに、主人公のイ・ガンモは刑務所に入っていました。冤罪で殺人罪に問われているようです。
罪をなすりつけたほうは、それがバレないように、刑務所に刺客を送り込みますがそれも失敗。KCIA(情報部)を通じて、主人公をサムチョンキョユクテ(三清教育隊)に送り込みます。
三清教育隊というのは、1980年、全斗煥大統領が作った部隊。街で犯罪を繰り返すカンペ(チンピラ)たちを一斉に検挙して収容、「訓練」と称した虐待を行ったとされる施設です。
ウィイペディアによれば、4万人弱が入隊させられ、死者54人、後遺症による死者397人、精神障害を負った者2678人とのこと。収容者の中には民主化運動家も含まれていたといわれ、盧武鉉政権時代、名誉回復のための法律が制定されました。
私の知り合いの韓国人から15年ぐらい前に聞いた話によれば、
「韓国に日本のような広域暴力団がないのは、三清教育隊のおかげだ」
と肯定的に評価していました。
もっともこの韓国人は慶尚道の出身。全羅道の人たちが嫌いで、光州事件の犠牲者数は、誇張だと言ったりしていましたから、三清教育隊で民主化運動家が犠牲になったことについても、半信半疑だったかもしれません。
ドラマの中では、点呼されたときには大声で「メョルコン」と挨拶していました。メョルコンは漢字で書けば「滅共」。共産主義を滅ぼすという意味でしょう。南北対立が激しかった時代を彷彿とさせます。
結局イ・ガンモは、死んだ同僚とすりかわって無事除隊、別の名前で生きていくことになります。
一方、イ・ガンモを殺そうとした、KCIA出身のチョ・ピリョンは国会議員選挙に立候補。選挙演説中に飛び入りした市民から、父親は「親日派」(韓国では売国奴と同義)だったという告発を受け、窮地に陥りました。
ただ、実際に全斗煥政権時代、政府要人の中には日帝時代の残党も多く、親が日帝時代の官吏という人はもっと多かったはず。それが理由になって、選挙で不利になるということがあったんだろうか。
親日派の名簿が盛んに作られたのは、ずっとあと、今世紀に入ってからのはずです。1980年頃は反日よりも反共の時代。親がパルゲンイ(アカ野郎)だったというほうが痛手だったのではないでしょうか。
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