写真:奨忠洞の元祖ハルメチプ
私がソウルにいたとき、最後の2年間、住んでいたのが奨忠洞(チャンチュンドン)でした。地下鉄駅でいえば、東大入口。東大というのは東京大学ではなく東国大学です。
この町は、昔から豚足で有名。豚足専門店が軒を連ねていました。
ときどき日本人や韓国人の友人を家に呼び、テイクアウトで買った豚足で、ホームパーティーをしたりしました。
豚足は韓国語で족발(チョッパル)。족(チョク)は足という漢字の韓国音読み。
발(パル)は、韓国固有語でやはり足のこと。
つまりチョッパルは「足足」ですね。
似た言葉に쪽발( チョッパル )というのがあります。
カタカナで書くと区別できませんが、こちらは最初の子音が濃音。
意味も似ていて、標準国語大辞典によれば、「二つに分かれた獣の足」です。
ここに人間を表す接尾辞이(イ)をつけて、쪽발이(チョッパリ)とすると、日本人に対する蔑称になります。
下駄を履いたり、足袋を履いたりした日本人の足の獣の足に見立てて、「豚足野郎」と呼んだのですね。
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、国連総会出席のためニューヨークを訪問中に、ある国際会議のあと、外相らと会場から出ていく際の音声が韓国の放送局で報道され、大騒ぎになっています。
韓国の新聞によると、尹大統領は、
국회에서 이 xx들이 승인 안해주면 바이든은 쪽팔려서 어떡하나
(国会でこのXX たちが承認してくれなければ、バイデンはチョッパリで、どうしようもない)
と言ったんだそうです。
ん? チョッパリ?
バイデンがチョッパリ?
でも、これは私の勘違いでした。
「バイデンはチョッパリで…」なら、
바이든은 쪽발이어서…
(バイドゥヌン・チョッパリオソ…)
となりますが、報道されていたのは、
바이든은 쪽팔려서…
(バイドゥヌン・チョッパルリョソ…)
となっています。
二番目の文字が발パルじゃなくて팔パル(激音)。カタカナではやはり書き分けられないのですが。
쪽팔려서(チョッパルリョソ )は、쪽팔리다(チョッパルリダ) の活用形で、쪽팔리다は「恥ずかしくて体面が保てない」という意味の俗語。
「赤っ恥をかく」という感じでしょうか。
中央日報の日本語版は、
「国会でこのXXらが承認しなければ、バイデンはメンツ丸つぶれだな」
(국회에서 이 xx들이 승인 안해주면 바이든은 쪽팔려서 어떡하나)
となっていました。
でも、韓国で問題になったのは、この部分ではなく、伏字になっている
이 xx들
の部分。伏字のところには새끼(セッキ)が入ります。
セッキというのは「赤ちゃん」、とくに動物の仔を言います。
どうということのない言葉ですが、ここに이 (イ、この)がつくと、罵倒語に早変わりする。
NGワード(放送禁止用語)で、文字媒体では伏字になります。
「このクソガキども」という感じでしょうか。
そこに개(ケ、犬の意)がつこうものなら、罵倒度合いは一気にパワーアップします。
「こいつら」「この野郎ども」などと訳しても、개새끼の罵倒パワーは伝わらないでしょうが、とにかく口にするのもはばかられる言葉なんだそうです。
この問題映像を流したのが、左寄りで文在寅政権支持、現野党の共に民主党支持のMBCでした。
大統領室は、これが騒ぎになると、「国会というのは米議会のことではなく韓国の国会のことだ」とか、「바이든은(バイデンは)」ではなく、「날리면(吹っ飛べば)」だ、などと苦しい弁明に大わらわ。
でも、바이든은(バイドゥヌン)と 날리면(ナルリミョン)は発音がぜんぜん違うんですけど…。
私もYoutubeにあがった映像を見ましたが、音声状態が悪くて、まったく聞き取れませんでした。
イセッキ(こいつら)に関して言えば、韓国の男たちは私的な会話ではよく使う言葉で、私も韓国で何度も耳にしたことがあります。
尹錫悦大統領も、よもやマイクがオンだとは知らず、いつもの調子でしゃべっちゃったんでしょうね。
〈参考〉
韓国語の辱説(罵り言葉)
私がソウルにいたとき、最後の2年間、住んでいたのが奨忠洞(チャンチュンドン)でした。地下鉄駅でいえば、東大入口。東大というのは東京大学ではなく東国大学です。
この町は、昔から豚足で有名。豚足専門店が軒を連ねていました。
ときどき日本人や韓国人の友人を家に呼び、テイクアウトで買った豚足で、ホームパーティーをしたりしました。
豚足は韓国語で족발(チョッパル)。족(チョク)は足という漢字の韓国音読み。
발(パル)は、韓国固有語でやはり足のこと。
つまりチョッパルは「足足」ですね。
似た言葉に쪽발( チョッパル )というのがあります。
カタカナで書くと区別できませんが、こちらは最初の子音が濃音。
意味も似ていて、標準国語大辞典によれば、「二つに分かれた獣の足」です。
ここに人間を表す接尾辞이(イ)をつけて、쪽발이(チョッパリ)とすると、日本人に対する蔑称になります。
下駄を履いたり、足袋を履いたりした日本人の足の獣の足に見立てて、「豚足野郎」と呼んだのですね。
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、国連総会出席のためニューヨークを訪問中に、ある国際会議のあと、外相らと会場から出ていく際の音声が韓国の放送局で報道され、大騒ぎになっています。
韓国の新聞によると、尹大統領は、
국회에서 이 xx들이 승인 안해주면 바이든은 쪽팔려서 어떡하나
(国会でこのXX たちが承認してくれなければ、バイデンはチョッパリで、どうしようもない)
と言ったんだそうです。
ん? チョッパリ?
バイデンがチョッパリ?
でも、これは私の勘違いでした。
「バイデンはチョッパリで…」なら、
바이든은 쪽발이어서…
(バイドゥヌン・チョッパリオソ…)
となりますが、報道されていたのは、
바이든은 쪽팔려서…
(バイドゥヌン・チョッパルリョソ…)
となっています。
二番目の文字が발パルじゃなくて팔パル(激音)。カタカナではやはり書き分けられないのですが。
쪽팔려서(チョッパルリョソ )は、쪽팔리다(チョッパルリダ) の活用形で、쪽팔리다は「恥ずかしくて体面が保てない」という意味の俗語。
「赤っ恥をかく」という感じでしょうか。
中央日報の日本語版は、
「国会でこのXXらが承認しなければ、バイデンはメンツ丸つぶれだな」
(국회에서 이 xx들이 승인 안해주면 바이든은 쪽팔려서 어떡하나)
となっていました。
でも、韓国で問題になったのは、この部分ではなく、伏字になっている
이 xx들
の部分。伏字のところには새끼(セッキ)が入ります。
セッキというのは「赤ちゃん」、とくに動物の仔を言います。
どうということのない言葉ですが、ここに이 (イ、この)がつくと、罵倒語に早変わりする。
NGワード(放送禁止用語)で、文字媒体では伏字になります。
「このクソガキども」という感じでしょうか。
そこに개(ケ、犬の意)がつこうものなら、罵倒度合いは一気にパワーアップします。
「こいつら」「この野郎ども」などと訳しても、개새끼の罵倒パワーは伝わらないでしょうが、とにかく口にするのもはばかられる言葉なんだそうです。
この問題映像を流したのが、左寄りで文在寅政権支持、現野党の共に民主党支持のMBCでした。
大統領室は、これが騒ぎになると、「国会というのは米議会のことではなく韓国の国会のことだ」とか、「바이든은(バイデンは)」ではなく、「날리면(吹っ飛べば)」だ、などと苦しい弁明に大わらわ。
でも、바이든은(バイドゥヌン)と 날리면(ナルリミョン)は発音がぜんぜん違うんですけど…。
私もYoutubeにあがった映像を見ましたが、音声状態が悪くて、まったく聞き取れませんでした。
イセッキ(こいつら)に関して言えば、韓国の男たちは私的な会話ではよく使う言葉で、私も韓国で何度も耳にしたことがあります。
尹錫悦大統領も、よもやマイクがオンだとは知らず、いつもの調子でしゃべっちゃったんでしょうね。
〈参考〉
韓国語の辱説(罵り言葉)
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