一週間ほど前に見つけたタイ料理屋さんに,中国人の友人と行きました。
池袋にあるタイ家庭料理の店,タワンドーン。タワンは太陽,ドーンは日が昇ること。タイ人のアジュンマが一人でやっているこぢんまりとした店です。
「先週の土曜日も来たんだけど,閉まってたね」
「昼はやらないのよ。夜だけ」
連れとメニューをめくりつつ,シンハービールに,蟹のカレー炒め,タイ風オムレツを頼みます。
「空いてるね」
「日本は不景気でしょ。大変よ。借金の大盛り!」(笑)
「でも,味はアロイアロイ(とてもおいしい)だよ。タイ人も来るでしょう」
「タイ人,お金ないね。だからダメ。3~4年前はよかったんだけど…」
来日10年。6年半前にお店を出して,一人で切り盛りしてきたそうです。ここ数年,お客さんが減ってきて,このところ4カ月連続で赤字とのこと。本場の味で,タイ料理好きな人には魅力的だろうけれど,ちょっと場所が悪い。駅から離れた目立たない路地で,看板も小さい。
「今月でお店,おしまいにするの」
「え~!! これから毎週来ようと思ってたんだけど…」
「アリガトね。でも,もう疲れた。限界」
「で,どうするの? お店閉めたら」
「わかんないね。どこか紹介して」
「別のタイ料理屋さんに勤めれば?」
「うーん。タイ人がやってるお店は嫌。タイ人,金払わない。給料日になっても,ちょっと待って,ちょっと待ってで,結局半分しかくれなかったり。その点,日本人はきちんとしてるから好き。」
「ふーん,そんなもんかなあ。たまたまいい日本人にだけ会ったんじゃない。悪い奴も多いよ」
(向かいで中国人が激しく同意)
それにしても残念です。株価暴落,景気低迷の影響がここにも及んでいるのでしょうか。
「タイに帰ったら?」
「あたし,永住権あるからね。このまま日本にいるつもり。」
そのとき,タイ人の若者が入ってきた。
「ああ,これ,私の息子ね。今,日本語勉強してる」
素直そうで,礼儀正しい子です。
「じゃ,ぼくにタイ語教えてよ。今,勉強してるんだ」
「ハハ,いいわよ」
かばんの中から単語帳をとりだす。
「どれどれ,ホーン(香りがいい),メム(臭い),チャット…。これ間違ってるよ,チョーチャーン(皿)じゃなく,チョーチャーン(象)。」
「どれどれ」
息子がのぞきこむ。
「チャット(味が濃い)ね。これで合ってるよ」
「ハハ,あたしは小学校4年しか行っていないからね」
(こりゃだめだ)
「最終日はいつ?」
「来月の1日」
「じゃ,それまでにまた来るね」
「サワッディーカー」
最新の画像[もっと見る]
-
角野隼斗~不確かな軌跡 2日前
-
角野隼斗~不確かな軌跡 2日前
-
1970年大阪万博の思い出 4日前
-
1970年大阪万博の思い出 4日前
-
朝間の読み方 6日前
-
『帝国の慰安婦』裁判、民事も無罪確定 1週間前
-
俳優・女優・男優 1週間前
-
一年ぶりのミニ同窓会 2週間前
-
東野圭吾『魔球』 2週間前
-
いちご狩りからのPISOLA 2週間前
味も価格もアジュンマの愛嬌も良いのに。
場所もあるけど宣伝不足でしょう。
「ぐるなび」なんかに載せればよいけど、それもお金がないといけないでしょう。
場所については,
タワンドーン 池袋
でググッてみてください。地図が見つかるはず。
日はまた昇る②のスンドゥブさんのコメントにも,別の紹介記事がリンクされてます。
残念。
タワンドーン、近いうちに行ってみます。
駅の脇道の2軒,職安通りの1軒に行ったことがあります。
つぶれたのはそのどれかでしょうか。
プアンタイという名前で、改札を出て右側に3分ほど行ったところにありました。
脇道というと、クンメーでしょうか。
あそこはオーソドックスな感じがします。
クンメー(お母さん)のほうは行きました。
同じ通りに2軒あり,なかなか賑わっていますね。