約一カ月半ぶりの韓国出張です。
台風があっけなく首都圏を通りすぎた翌日、お昼のフライトで夕方、ソウルに着きました。事務所に顔を出して小一時間打ち合わせをし、ホテルにチェックイン。
夜は旧知のK氏と光化門広場近くで待ち合わせました。
「どこに行きましょうか。東大門でもいいですし、新村でも…」
「ちょっと武橋洞を歩いてみたいんだけど」
武橋洞というのは、私が1996年から5年ほど勤務していた事務所のある一画。最近の再開発で、どれくらい変わったか見たかったのです。
行ってみると、さすがに代替わりしている店が多かったものの、狭い路地にある私好みの飲食店街は健在でした。
「ポゴはいかがですか」
「いいですね」
韓国でもポゴ(フグ・河豚)はやや高級なメニューとして定着しています。河豚の身がどっさり入っている割に(日本に比べれば)安い。
「なつかしい香りだなあ」
なつかしいのは河豚の香りではありません。河豚鍋に必ず入れるミナリ(せり)の香り。韓国の河豚鍋は、大量のもやしとセリ、そしてニンニクと唐辛子でグツグツと煮込みます。
河豚の身に火が通るまでの間、河豚の皮の酢の物、そして半生のミナリで一杯やります。
「韓国に来ると、食べたいものがたくさんあって困っちゃうんだよね」
飲食店は全面禁煙になって久しく、この店も例外ではありません。河豚を堪能して食休みに店の外に出て一服していると、路地の向かい側はテジカルビの店でした。アジュンマが大量の骨付き豚カルビを屋外の炭火で焼いています。それを見ていたら無性に食べたくなった。
「Kさん、河豚はこれくらいにして、向かいの店に入りませんか」
「河豚の次は豚ですか。豪勢ですね」
庶民的な食材の店だけに、河豚屋と違ってほぼ満員の盛況。なんとか二人分の席を見つけて座りました。
武橋洞といえば、ナクチ(タコの激辛炒め)が有名ですが、河豚、豚、犬など、さまざまな飲食店が軒を連ねます。
「テジカルビなんて、何年ぶりだろう」
すでに焼酎は二軒合わせて3本以上空けました。満腹になり、相当酔いが回っても、時刻はまだ8時すぎ。
「この前に来たとき、○○さんや△△さんに電話してみたんだけど、みな通じなかったり別の人が出たりで、つながらなかったんだよね」
「そうですか。僕がかけてみましょうか」
すると、そのうちの一人につながりました。私が電話をかけたのは羽田空港から。スマホでの国際電話のかけかたがおかしかったのかもしれません。
それで、サムチャ(三次)は、9号線の先のほうにあるカフェにはるばる出かけていくことにしました。
「遠いから、タクシーより地下鉄で行きましょう」
まず二号線に乗り、今度は電車の中から別の韓国人に電話をしてみると、こっちもつながった。
「なんか、明洞で友だちと飲んでるそうですよ」
「そうなの? じゃ、そっちに合流しようか」
9号線のチングには、「またの機会に」ということを伝え、2号線で来た道を引き返す。忙しいことです。
この知人というのは、私が駐在していたときに通っていたバーのママさん。日本語が堪能で、私の帰国後に水商売から足を洗い、日本人相手の観光ガイドの資格をとりました。
いっしょに飲んでいたのはガイド仲間の女性で、この方も日本語がうまい。
すでに完全にできあがっている状態で、4人で明洞のとある日本風居酒屋に入ります。
刺身とコノワタをつまみにビールと焼酎。
「亡くなった母の貸し金庫から臍の緒が出てきたんだけど、韓国でも臍の緒ってとっておくの?」
「もちろんですよ。昔からの風習です。きっと日本の習慣は韓国から入ったんですよ」
「へー、そうなんだ」
それ以外にどんな話をしたか、よく覚えていません。
「もう一軒行きましょう!」
Yさん(元ママ)は、バーをやっていたときは自制心をもって飲んでいましたが、今回はかなり酩酊状態。
最後に行ったサチャ(四次)は、ノレバンです。ある時期、ノレバンでの飲酒は禁じられていたはずですが、今は解禁。煙草もOKなのは、合法なのか不法なのか。
結局、12時過ぎまで飲み歌い踊り狂い、初日から疲れ切りました。
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