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昨年の11月に、三女が入籍したとき、フィリピン人の夫は、すぐに日本に来て働く気満々でした。
「でも、ビザがないと、日本に来られないよ」
「ビザとるの、大変なの?」
「いま、コロナだから、すべての入国ビザが発給停止になってる。それに、申請書類をいろいろ整えないといけないし」
娘の調べたところでは、配偶者ビザは、結婚しているだけでは十分ではなく、入国後夫婦が安定した生活を送れるだけの経済的裏付けが必要なんだとか。
夫は来日後に職を探すことになりますが、日本語もできないし、就職の当てもない。
娘は年末に出産を控え、その後も育児で一定期間働けない。前の職場は、フィリピン留学前に退職していますから、やはりゼロから職探しです。
「赤ちゃんが半年ぐらいになって、保育園に入れて、私が働き始めないと、結婚ビザの申請ができないから、最低でも半年ぐらいはかかるよ」
夫は来日するつもりで、以前働いていた公務員の職を辞めており、今は日本人相手のオンライン英会話だけが収入源です。
「だから、その間だけでも、就職したほうがいいよ」
そんな娘のアドバイスで、見つけた職が「自動車教習所の指導員」。
「彼、運転が好きだし、うまいからね」
「指導員って、資格が必要なんじゃないの?」
「さあ。フィリピンの事情はわからないよ」
しばらくして、夫から、教習所に採用されたという連絡が来たそうです。
「でもさあ、その教習所、まだできていないんだって。ダニエル(夫の名)は、『まず、教習所を作る土地を探してきてくれ』って言われたらしい」
「えっ!? まだ学校もオープンしてないのに、指導員を雇ったの?」
「フィリピンあるあるだよ」
そういういい加減な就職先なので、私はてっきりほかの職を探すことにしたんだと思っていました。
その後、出産やら、育児やら、ビザの手続きやらで忙しくしている娘に聞けなかったのですが、先日、ダニエルの職について久しぶりに聞いてみました。
「教習所だよ」
「え? 学校はできたの?」
「まだだけど、もうすぐ開校じゃない? このまえ教習に使う自動車を、マニラに買い付けに行ったって言ってたから」
「車の買い付け…」
まったくの白紙状態から、土地探し、学校建設、車の仕入れ…。何から何まで、「指導員」にさせているようです。
まったくの白紙状態から、土地探し、学校建設、車の仕入れ…。何から何まで、「指導員」にさせているようです。
「フィリピンあるあるだよ」
でもまあ、いちおう給料はもらっているらしいのですが…。
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