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先週、5人目の孫が生まれました。
娘の中で最後に結婚した四女の初産です。
お父さんはスウェーデン人。
日本式に言えばハーフ(ダブル、ミックスとも)、韓国式に言えば「多文化家庭子女」ということになります。
混血児の言い換え語
女の子で、名前は日本でもスウェーデンでも通用するものを考えているようです。
今、家庭内での夫婦の会話は英語だそうです。英語は、両親ともに母語ではなく、外国語。孫娘の母語がどうなるかはわかりませんが、四女が娘に「英語での語りかけ」を徹底すれば、娘の母語は英語になるかもしれません。
ぼご【母語】生まれ育った場所で、自然に覚えたことば。(三省堂国語辞典)
四女は、自分の娘を、日本語、英語、スウェーデン語のトライリンガリスト(3言語使用者)にしたいようです。
言語学者の故・千野栄一氏は、二人の子どもをバイリンガリストにしていくプロセスを、「小さなバイリンガリストたち」というエッセイにまとめています(『プラハの古本屋』1987年大修館書店所収、初出は『言語』1976年10月号)。
氏は、留学先のチェコで、チェコ人と結婚、二児をもうけます。妻は日本語が全くできず、夫婦はチェコ語で会話していたそうです。長女が1歳10か月、長男が4か月半のときに、東京に移住。家庭内言語はチェコ語でしたが、家にはおばあちゃんがいて、遊び仲間も日本人、テレビも日本語ということで、子どもたちは日本語のほうが優勢になり、チェコ語は話されれば理解するが、日本語で返事をするようになったということです。
その後、数か月間、チェコに里帰りしたり、また日本の幼稚園、小学校へ行ったりを繰り返し、エッセイが書かれたときは親子ともチェコ在住。ほぼ完全なバイリンガリストとして育ちました。
両親が、子どもに聞かれたくない話はロシア語でしていたため、姉はチェコの学校でロシア語を履修。しかたなく両親は、秘密の会話をドイツ語でするようになったが、今度は弟がドイツ語を履修するようになり、どちらの子どもも、トライリンガリストになりつつあるということでした。
四女の娘の場合、別居しているとはいえ祖父母が頻繁に日本語で語りかけ、ママ友も日本人が多いだろうから、母語は日本語になるんじゃないかと思います。
ただ、四女が今働いているのは英語の保育園で、英語圏の家庭の子女や日本人でも英語教育をさせたい家庭の子女を預かっている。そうとう高額らしいのですが、職員の子女は無料で、四女は娘をそこに通わせるらしいので、テレビをシャットアウトさえすれば、英語環境で育てることができるかもしれません。
さらに、いずれはスウェーデンに移住し、スウェーデンの学校に通わせることも考えているらしい。スウェーデンは税金が高いけれども、教育費は大学まで無料なんだそうです。
そうなると、日本語、英語、スウェーデン語のトライリンガルも夢ではないかも。
でも、「小さなバイリンガリストたち」を読むと、バイリンガルにして、かつ学力に悪影響を与えないように育てるためには、両親だけでなく、さまざまな人(幼稚園、学校の先生)の協力が必要だということですから、どうなるかわかりません。
楽しみではありながら、「三兎を追って一兎をも得ず」ということにならなければいいが、とも思います。
娘の中で最後に結婚した四女の初産です。
お父さんはスウェーデン人。
日本式に言えばハーフ(ダブル、ミックスとも)、韓国式に言えば「多文化家庭子女」ということになります。
混血児の言い換え語
女の子で、名前は日本でもスウェーデンでも通用するものを考えているようです。
今、家庭内での夫婦の会話は英語だそうです。英語は、両親ともに母語ではなく、外国語。孫娘の母語がどうなるかはわかりませんが、四女が娘に「英語での語りかけ」を徹底すれば、娘の母語は英語になるかもしれません。
ぼご【母語】生まれ育った場所で、自然に覚えたことば。(三省堂国語辞典)
四女は、自分の娘を、日本語、英語、スウェーデン語のトライリンガリスト(3言語使用者)にしたいようです。
言語学者の故・千野栄一氏は、二人の子どもをバイリンガリストにしていくプロセスを、「小さなバイリンガリストたち」というエッセイにまとめています(『プラハの古本屋』1987年大修館書店所収、初出は『言語』1976年10月号)。
氏は、留学先のチェコで、チェコ人と結婚、二児をもうけます。妻は日本語が全くできず、夫婦はチェコ語で会話していたそうです。長女が1歳10か月、長男が4か月半のときに、東京に移住。家庭内言語はチェコ語でしたが、家にはおばあちゃんがいて、遊び仲間も日本人、テレビも日本語ということで、子どもたちは日本語のほうが優勢になり、チェコ語は話されれば理解するが、日本語で返事をするようになったということです。
その後、数か月間、チェコに里帰りしたり、また日本の幼稚園、小学校へ行ったりを繰り返し、エッセイが書かれたときは親子ともチェコ在住。ほぼ完全なバイリンガリストとして育ちました。
両親が、子どもに聞かれたくない話はロシア語でしていたため、姉はチェコの学校でロシア語を履修。しかたなく両親は、秘密の会話をドイツ語でするようになったが、今度は弟がドイツ語を履修するようになり、どちらの子どもも、トライリンガリストになりつつあるということでした。
四女の娘の場合、別居しているとはいえ祖父母が頻繁に日本語で語りかけ、ママ友も日本人が多いだろうから、母語は日本語になるんじゃないかと思います。
ただ、四女が今働いているのは英語の保育園で、英語圏の家庭の子女や日本人でも英語教育をさせたい家庭の子女を預かっている。そうとう高額らしいのですが、職員の子女は無料で、四女は娘をそこに通わせるらしいので、テレビをシャットアウトさえすれば、英語環境で育てることができるかもしれません。
さらに、いずれはスウェーデンに移住し、スウェーデンの学校に通わせることも考えているらしい。スウェーデンは税金が高いけれども、教育費は大学まで無料なんだそうです。
そうなると、日本語、英語、スウェーデン語のトライリンガルも夢ではないかも。
でも、「小さなバイリンガリストたち」を読むと、バイリンガルにして、かつ学力に悪影響を与えないように育てるためには、両親だけでなく、さまざまな人(幼稚園、学校の先生)の協力が必要だということですから、どうなるかわかりません。
楽しみではありながら、「三兎を追って一兎をも得ず」ということにならなければいいが、とも思います。
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