タイでは、会議中のいろいろな「おやつ」が提供され、それが一つの楽しみでした。毎回、初めてお目にかかるものがあるのですが、今回は果物でした。
「これ、リンゴですか」
「違います」
「じゃ、チョンプー?」
「いえ、日本語で何て言うのかな。タイ語ではプッサーです」
このタイ人、日本語の達人ですが、その人が知らないということはかなり特殊な食べ物のようです。
青リンゴのような果物をかじってみると、ほのかな甘みのある、さわやかな味です。真ん中に大きな種が一つ入っているところは、リンゴとは違います。
「あ、ナツメ(棗)です」
辞書で調べてくれました。
「ナツメ…」
ナツメといえば、韓国語ではデチュ。
よくサムゲタンなどに干したものが入っていますが、色は茶色だし、大きさはずっと小さい。この青リンゴもどきが、干したからといって、あんな姿になるとは思えません。きっと種類が違うのでしょう。
ネットで探すとタイのプッサーはこちら。韓国のデチュはこちら。
20年以上前、韓国の中学校1年の教科書に載っていた作品で、「ソナギ(夕立)」という小説を読んだことがありました。
田舎の少年少女の甘い初恋の物語です。韓国の田園で、いっしょに遊ぶ二人。途中でナツメの木から果実をもいで食べる場面があったような気がします。それを読んだときも、あのサムゲタンの中に入ってるやつ、生でも食べるのか、と思いました。
途中ではげしい夕立に遭い、二人は稲刈り後の田んぼに積まれていた藁の中にもぐり込んで、雨宿りをするのですが、雨に当たって体が冷える。少年は少女をおぶって家路につく。数日後、もともと病弱だった少女は、肺炎で死んでしまう…。
こんな話だったと思います。
会議中、ナツメをかじりながら、ふとこんなことを思い出しました。
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