前回の出張でカラオケに取材に行ったことを、以前のブログに書きました。
そのときの女性は、今回、別のカラオケに移っていました。日本人との間に生まれた2歳の子どもを育てながら、夜の仕事をしている女性です。
「なんでお店かえたの?」
「あそこはお客さん少ないからね、生活できないよ」
「ふーん。ここはお客さん多いの?」
「うん。たくさん来る」
確かにこの日もお客さん(日本人ばかり)が次々に来ます。
「じゃ、儲かるね」
「そんなことないよ。ここはお持ち帰りがないからね」
「あっ、禁止なんだ」
「そうじゃなくて、お酒だけ飲んで帰る人が多いだけ。でも、ここは、いやなお客さんだと女の子が断れるから、それがいい」
「前の店は断れないの?」
「断れない。そのかわり、給料がちょっとだけよかった」
女性の給料は、前は9000バーツ、今は8500バーツだそうです。あとはお客さんからもらうチップ。
「お持ち帰りがあると、いくらもらえるの」
「わからない。ここに移ってから一度もないから。ところで犬鍋さん、ボトル入れないの」
「だって高いでしょう」
「でも、次に来たときにまた飲めるよ」
「次、いつ来るかわからないし」
結局、ボトルを入れずに単品で水割りを頼みました。
「私も一杯もらっていい?」
お客さんがウイスキーか焼酎のボトルを入れると、女の子には130バーツが加算されるそうです。しかし、単品の注文の場合は、女の子が1ドリンクもらうごとに30バーツが入るだけ。店によってシステムが違うようですが、酒の注文も女の子の収入源の一つになっているようです。
休みは、月に三日だけ。それ以上休むと、1日当たり900バーツの罰金。10日休むと一か月の基本給が0になるんだそうです。
これって、業者にかなり搾取されてるように感じますが…
従軍慰安婦問題で、糾弾派の吉見教授は、性奴隷の条件の一つとして「接客拒否の自由があるかどうか」を挙げていました。
それに従えば、接客拒否ができなかった前の店は性奴隷で、今度の店は自由営業の売春婦になるんでしょうか。
「サクラっていつごろ咲くの?」
「4月の初め」
「一度、見てみたいなあ」
「日本に旅行すれば? 今、ノービザで行けるんでしょう」
「お金無いよ。通帳にある程度残高がないとダメ」
「そうなんだ」
そういえば、この店の名前は「さくら」だったのでした。
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