その1
先日、近くのバーで飲んでいたときのこと。
店に若い外国人が入ってきました。
「あら、G! 飲みに来てくれたの?」
ここのママさんはエアビー(Airbnb)もやっていて、Gというのは、そこに宿泊している外国人なのだそうです。
「いえ、あの…、荷物が届きましたか?」
Gは、日本語が片言です。
「荷物? 届いてないわよ。大きいの?」
「いえ、小さいです」
「じゃポストに入ってるかな?」
ママさんは郵便受けを見に行きましたが、手ぶらで帰ってきました。
「中身は何?」
「お金です」
「お金!?」
「はい、11万円ぐらい」
「ああ‼」
思い当たるフシがあるようです。
「あれ、Gさん宛だったのね! 宛名は私だったけど、差出人も知らない人だし、心当たりがないから、おととい、警察に届けたのよ」
「警察?」
「そう。最近、お金を送りつけてきて、忘れたころに高額の利子を請求するっていう詐欺があるから…」
(そんな詐欺があるんだ)
ママさんが詐欺だと思った一件は、落着しました。
その2
ここ2~3年の間に、私、娘、娘の夫(D、フィリピン人)などが立て続けにノートパソコンを買い替え、以前使っていたパソコンは、処分しないまま残っていました。
「新聞に、パソコンを無料で回収しますっていう広告が出てる。頼もうかな」
見ると、申し込めば宅配業者が無料で持って行ってくれるらしい。
「データも無料で消去してくれるんだって」
「じゃ、ぼくのもお願いしたい」
「全部で4台だね」
娘がスマホで申し込みました。
「あれっ⁉ 申し込みボタン押したら、「データ消去は1台3,000円(税込3,300円)で申し受けます」って出てきた」
「無料で消去してくれるんじゃなかったの?」
「そう書いてあったと思ったけど…」
新聞広告(冒頭写真)をよく見ると、「データ消去も安心!」という見出しの下に、
無料
データ消去
ソフト付き!
という吹き出しがあり、
!パソコンの初期化だけでは個人情報などのデータは消えていません。
という注意書き。さらに、
消去証明書の発行も可能です。
政府機関も採用する方法等で完全にデータ消去を行い、証明書を発行します。
1台 3,000円(税込3,300円)
※ 法律ではユーザーの責任において消去することが定められています。
とあります。
(うーむ)
「無料って、ソフトが無料ということ?」
「でも、もうパソコン動かないから、使えないでしょう」
「この書き方だと、1台 3,000円(税込3,300円)は消去証明書の発行料と読めるよね」
「なんか詐欺っぽいなあ? キャンセルしよう」
娘がやはりスマホで、数分前の申し込みをキャンセルしようとします。
「わっ! 「一度申し込んだらキャンセルできません」だって」
「そんなことが…。まちがいない。詐欺だ!」
そのとき、やりとりを聞いていた娘の夫が口をはさみます。
「ハードディスクを取り出せばいいんですよ」
「やったことないけど」
「ぼくがやります」
Dは、ミニドライバーを持ってきて、4台のPCを次々に解体、器用にハードディスクを取り出します。
「これでOK!」
翌日、宅配業者が来て、ハードディスク無しの4台のPCを、無料で持って行ってくれました。
その業者については、消費者センターとか、広告を掲載していた朝日新聞に通報しようかとも思いましたが、広告の文言が微妙で、虚偽広告とも断定しにくいし、めんどくさいのでやめました。
4枚(?)のハードディスクは、Dがハンマーで滅多打ちにして破壊しました。ついでのときに、近くのクリーンセンターで処分する予定です。
〈参考〉朝鮮日報日本語版(20231103)
大韓民国は詐欺王国? どこまで真実か【寄稿】
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