犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

これって詐欺?

2023-11-07 22:45:16 | 日々の暮らし(2021.2~)

その1

 先日、近くのバーで飲んでいたときのこと。

 店に若い外国人が入ってきました。

「あら、G! 飲みに来てくれたの?」


 ここのママさんはエアビー(Airbnb)もやっていて、Gというのは、そこに宿泊している外国人なのだそうです。

「いえ、あの…、荷物が届きましたか?」

 Gは、日本語が片言です。

「荷物? 届いてないわよ。大きいの?」

「いえ、小さいです」

「じゃポストに入ってるかな?」


 ママさんは郵便受けを見に行きましたが、手ぶらで帰ってきました。

「中身は何?」

「お金です」

「お金!?」

「はい、11万円ぐらい」

「ああ‼」


 思い当たるフシがあるようです。

「あれ、Gさん宛だったのね! 宛名は私だったけど、差出人も知らない人だし、心当たりがないから、おととい、警察に届けたのよ」

「警察?」

「そう。最近、お金を送りつけてきて、忘れたころに高額の利子を請求するっていう
詐欺があるから…」

(そんな詐欺があるんだ)


 ママさんが詐欺だと思った一件は、落着しました。


その2

 ここ2~3年の間に、私、娘、娘の夫(D、フィリピン人)などが立て続けにノートパソコンを買い替え、以前使っていたパソコンは、処分しないまま残っていました。

「新聞に、パソコンを無料で回収しますっていう広告が出てる。頼もうかな」

 見ると、申し込めば宅配業者が無料で持って行ってくれるらしい。

「データも無料で消去してくれるんだって」

「じゃ、ぼくのもお願いしたい」

「全部で4台だね」


 娘がスマホで申し込みました。

「あれっ⁉ 申し込みボタン押したら、「データ消去は1台3,000円(税込3,300円)で申し受けます」って出てきた」

「無料で消去してくれるんじゃなかったの?」

「そう書いてあったと思ったけど…」


 新聞広告(冒頭写真)をよく見ると、「データ消去も安心!」という見出しの下に、

無料
データ消去
ソフト付き!

という吹き出しがあり、

!パソコンの初期化だけでは個人情報などのデータは消えていません。

という注意書き。さらに、

消去証明書の発行も可能です。
政府機関も採用する方法等で完全にデータ消去を行い、証明書を発行します。
1台 3,000円(税込3,300円)
※ 法律ではユーザーの責任において消去することが定められています。

とあります。

(うーむ)

「無料って、ソフトが無料ということ?」

「でも、もうパソコン動かないから、使えないでしょう」

「この書き方だと、1台 3,000円(税込3,300円)は消去証明書の発行料と読めるよね」


「なんか詐欺っぽいなあ? キャンセルしよう」

 娘がやはりスマホで、数分前の申し込みをキャンセルしようとします。

「わっ! 
「一度申し込んだらキャンセルできません」だって」

「そんなことが…。まちがいない。
詐欺だ!

 そのとき、やりとりを聞いていた娘の夫が口をはさみます。

「ハードディスクを取り出せばいいんですよ」

「やったことないけど」

「ぼくがやります」

 Dは、ミニドライバーを持ってきて、4台のPCを次々に解体、器用にハードディスクを取り出します。

「これでOK!」

 翌日、宅配業者が来て、ハードディスク無しの4台のPCを、無料で持って行ってくれました。

 その業者については、消費者センターとか、広告を掲載していた朝日新聞に通報しようかとも思いましたが、広告の文言が微妙で、虚偽広告とも断定しにくいし、めんどくさいのでやめました。

 4枚(?)のハードディスクは、Dがハンマーで滅多打ちにして破壊しました。ついでのときに、近くのクリーンセンターで処分する予定です。

〈参考〉朝鮮日報日本語版(20231103)
大韓民国は詐欺王国? どこまで真実か【寄稿】

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