犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ソウルに水爆!

2011-07-30 23:29:10 | 韓国雑学

 このところの大雨で日本でも新潟県をはじめとした各地で深刻な被害が出ています。それに先立って、韓国のソウルでも豪雨による大被害が発生しました。中央日報の見出しは「100年振りの水爆弾」(→リンク)。

 韓国では大雨のことを「暴雨」(ポグ)ということが多いですが、「ムルポクダン(水爆弾)」という表現が使われることは珍しい。たしかに「爆弾」が落ちたような惨事になっています。

 市内では道路が冠水、川のようになりました(朝鮮日報の写真記事)。

 ソウルの真ん中を貫く漢江もこのありさまです(→リンク)。写真の左上のマンションが林立しているあたりは、日本人も多く住むイーチョンドン(二村洞)。私も9年間住んだことがあります。河川敷は「漢江市民公園」という名前の公園になっていて、公営プール、テニスコート、サイクリング道路などが整備されていましたが、写真で見るようにすべて水没しています。

 もともとソウルは毎年7月、8月に集中豪雨に見舞われることが多く、幹線道路の冠水は年中行事のようなものでした。しかし、漢江があふれるほどの豪雨は5年に一度ぐらい。私の11年間の駐在中に2回ほどありました。

 今回は報道によれば100年振りの降水量(26日~28日の降水量534ミリ!)ということですから私のときとは比べ物になりません。

 全国で大雨による死者・行方不明者が60人越え。新世界百貨店の会長夫人も土砂崩れにあって命を落としたとのこと。ご冥福をお祈りします。

 土砂崩れがあった牛眠山には地雷が埋まっていて、今回の土砂崩れで地雷が流失したという恐い噂も流れましたが、政府は否定している。牛眠山には防空砲台があり、北朝鮮の武装ゲリラ事件が起きたときに、砲台の周囲に200発の地雷が埋設されたのは確かなようです。しかしその後180発が撤去。一発が爆発し、19発が残っている。2006年以降、発見されておらず政府は「自然に失われたと推定している」んだそうです。地雷って自然に失われるもんなんでしょうか。土の中で腐っちゃうとか?

 28日、ちょうど韓国の事務所とTV会議を行ったので状況を聞いてみると、社員は出勤、帰宅で大変な苦労をしているようでした。

 私が韓国に行ったのは2週間ほど前でしたがそのときも私が行っている間じゅう雨。普通韓国の梅雨は、集中豪雨はあっても毎日雨が続くことはまれ。今年は異常気象なのかもしれません。

 ソウルの排水設備は東京に比べると脆弱。ちょっとした大雨ですぐ道路が冠水します。今回の水害にあたって報道各社は政府・自治体の対策の遅れを批判する記事を載せています。それによれば、ソウルの下水は10年に一度の大雨に耐える設計になっていてそれを30年に一度の大雨に対応できるよう下水の改良工事に着手していたようですが、今回はそれが間に合いませんでした。もし完成していても「100年に一度」の大雨にはなすすべもなかったでしょう。

 日本の地震・津波対策も同様ですが、100年に一度の災害に備えるために巨額な投資をすることが果たしていいことなのかどうか、議論の分かれるところです。


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