犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

スペイン便り~地下鉄

2011-01-30 23:11:22 | その他諸国便り
 マドリード市内の移動は地下鉄またはバスです。タクシーは空港への往復にしか使いませんでした。

 バスと地下鉄はどちらも距離に関係なく1ユーロ(120円)。安くて便利です。

 地下鉄の切符は券売機で購入。ただ,切符は事実上「入場券」と同じで,入るときに自動改札に投入し,出てきた切符は出るときに回収されない。記念に持ち帰るのもよし,たいていは捨てることになります。どうせならブラジルのように入場と同時に回収してしまえばいいのにと思います。

 バスのほうは1ユーロを運転手に払います。ソウルで交通カードが導入される前の,トークンまたは現金で払っていた時代を思い出させます。

 地下鉄はバスに比べると景色が眺められないけれども,そのかわり車内の人間観察をすることができます。

 サンパウロほどには人種の多様性はありませんが,日本や韓国に比べれば多様です。白人,黒人,東洋系…。髪の色はさまざまですが,典型的なスペイン人は黒髪。東洋系は少ないようです。

 車内にはときどき物乞いが来ます。私が乗ったとき,キャリーバッグをひきずったみすぼらしい中年女性が大声で話し始めた。同僚のペルー人に大体の内容を訳してもらうと,5カ月間仕事にありつけない,お金か食べ物を恵んでくれ…,というようなことを訴えていたようです。

 もう一つ多いのが車内演奏家。名前のわからない南米の楽器で「コンドルが飛んで行く」を演奏する者,小型スピーカーにエレキギターをつないだギタリスト,アコーディオン…。乗るたびに違った音楽が楽しめます。

 マドリードの地下鉄は車幅がたいへん狭いので,このような人々がチップを回収しに車内を行き来するのも大変です(チップをあげる人はほとんどいませんが)。

 中心部のマイヨール広場は観光スポット。なぜか私のところに花売りやカメラマン(記念写真をとって金をとる)が寄ってきます。顔だち(日本人),身なり(レアルマドリードの帽子をかぶっている)から,いかにもカモに見えるのでしょう。あまりにうるさいので,途中で帽子を脱ぎました。

 地下鉄は市内を網の目のように走っているので便利ですが,駅と駅の間隔は短く,また市内の主なスポットは比較的狭い地域に固まっているので,時間に余裕さえあれば,たいていは徒歩で用が足りる。ちょっとした裏通りも,建物はしゃれていて味わいがあります。治安もよいので,不安なく歩き回れました。

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