中国系ロマンス・投資詐欺の手口②

（前へ）

「千夏さん」は毎日のようにメッセージを送ってきました。

　なんで年齢の離れた私のような者と話したいのか、わかりません。



（カレーを作っている動画！　なぜ？　カレーチキンライスって珍しい表現だなあ。ようするにチキンカレーのことね）

　趣味を聞かれたので「語学の勉強」と答えました。

　それに対して「千夏さん」の趣味は、料理、サーフィン、スキー、旅行、ゴルフ、読書…



（趣味、多すぎないか？）

　読書が趣味だというので、最近読んだ本を聞いてみました。

　すると、村上春樹でもなく、東野圭吾でもなく、投資に関する本でした。



（投資…）

　ちょうど大谷が出場するワールドシリーズ第一戦の日だったので、テレビ観戦が楽しみだと書きました。

「千夏さん」は日本銀行と東京証券取引所を視察するんだそうです。



（取材かな？）

　そして「何か投資をしてますか」なんて聞いてきます。

　その日の夜、日本銀行にある模造紙幣が積み上げられている写真が送られてきました。（冒頭写真）

（なんなんだ？）

「千夏さん」に対する不審の念が最初にわいてきたのはこの時でした。

（つづく）