二日目、仕事を終えてから、同行の日本人出張者、それに現地韓国人と一緒に夕食を食べました。
出張者が辛いものは苦手というので、刺身にすることに。刺身は、和食に位置付けられますが、メインの刺身を注文すると、頼まなくても、別のおかず(ミッパンチャンといいます)が大量に並ぶ。そこには、韓国的な味わいの料理が多いので、韓国に行くとときどき刺身屋さんに行きます。刺身は、ヒラメ、メバル、スズキなどの白身の魚が韓国人の好みです。
「評判のいい刺身の店を予約しました」
ヒラメの刺身を思い浮かべながら店に行くと、そこは案に相違してマグロの専門店でした。
「マグロか」
「犬鍋さん、マグロはお嫌いですか?」
「いや、好きだよ」
「ここはおいしくて評判です。それに無限リフィルですし」
「無限リフィル…。それは楽しみだ」
無限リフィルとは、無限におかわりが供されるシステムで、日本語では「食べ放題」です。
(マグロの食べ放題なんてあるんだ)
まずビールと焼酎を注文。
刺身のほうは、3万ウォンから高いのでは7万ウォンまであります。
「意外に安いね。3人だから7万ウォンにしようか」
「これ、一人の値段ですよ」
「えっ? そうなの。じゃあ3万ウォンで」
値段の違いは、マグロの種類と部位によるものだそうです。7万ウォンのやつは黒マグロの大トロが出てくるのでしょう。
ただ、3万ウォンも悪くはない。赤身にかじき、中トロっぽいのもある。5種類ぐらいの刺身の盛り合わせです。
テーブルの隅には韓国海苔が山積みにされている。
小皿はわさび醤油用とごま油に塩のものが用意されてます。
白っぽいかじきまぐろは半冷凍状態。韓国では、このシャーベット状のまぐろに海苔を巻いて、ごま油と塩で食べます。これがなかなかいける。
刺身の大皿の周りには、例によってミッパンチャンが並びます。
目立つのは大きなマグロのカマ焼き。カルパッチョ風のもマグロのようです。揚げ物も…。
「もしかして全部マグロ?」
「そうみたいですね。マグロの専門店ですから」
(…)
それでもおいしいので、食が進みます。
ときどき、呼んでもいないのに、店の人が個室のドアを開けて顔をだします。
そして、刺身を半分より少し減ったとき…。
大皿をもった店員が入ってきて、残っている刺身の上にドーンと最初と同じ量のマグロを盛ります。
「おおっ!」
無限リフィルというのは、こちらが申し出れば追加されるのだと思っていました。そうではなくて、「自動的に」リフィルされるシステムのようです。店員は定期的に客の皿の減り具合を見にきていたのです。
「ミッパンチャンも食べ放題ですよ!」
日本に帰任して以来、「おかずは残さず食べるもの」という、日本の麗しき習慣を取り戻していたのですが、韓国は「残し放題」の国であるということが思い出されました。
「これが半分以下に減ると、また盛られちゃうから、少し手加減して食べよう」
もっとも手加減しなくてももう入らないくらいお腹一杯になりつつあったのですが。
最後に日本の出張者と意見が一致したのは、
「マグロは食べ放題には合わない食べ物だ」
ということでした。
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お誘いありがとうございます。
またご連絡します。
ほとんどのお客さんが半分以上残さざるを得ない仕組みですが、調理場での無限再利用疑惑を感じますね 笑
上京する時はお声を掛けてください。また珍しいものを食べに行きましょう。同伴者が増えそうです♬