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写真:国民の力の新代表に当選した金起炫氏
韓国の最大野党、共に民主党の代表は、李在明(イ・ジェミョン)。先に検察から逮捕状が請求され、国会議員の「不逮捕特権」で逮捕を免れたことを書きました。
逮捕を免れた李在明代表
3月9日には、李代表の京畿道知事時代の秘書室長だったチョン・ヒョンス氏が極端な選択(韓国語で自殺の婉曲表現)。
これで、李代表の疑惑に関連して死亡した人は5人目になるんだそうです(1人は「病死」と発表)。
遺書には、これ以上の犠牲者を出さないために、李代表が政治をあきらめるよう促す内容や、「一生懸命に働いただけなのに、検察の捜査対象になってくやしい」という内容があったとのこと。
これについて、李代表は、「検察のでっちあげ捜査・圧迫捜査のせいだ」などと検察を批判しました。李代表に対しては、与党だけでなく野党の一部からも、代表を辞任すべきとの主張が出ています。
一方、与党、国民の力は、3月8日の全党大会で、金起炫(キム・ギヒョン)氏を新しい党代表に選出しました。
国民の力の代表は、李俊錫(イ・ジュンソク)という30代の若手でしたが、昨年の大統領選後、性接待疑惑と、その証拠を隠滅した疑いで、党から懲戒処分・解任され、約6か月間、空席になっていました。
性接待疑惑というのは、李氏が、2013年に2回、IT企業の社長から「性接待」を受けたという疑惑。韓国の接待には女性がつきもので、会食の後のイチャ(二次会)に「ルームサロン」などに行き、そのあとにホテルで売春をするもの。
これが「ユーチューブチャンネル」で暴露されると、側近などを通じて性接待疑惑に絡む証拠の隠滅を図ったという疑いも受けていました。
ただし、警察庁は「あっせん収賄罪」の公訴時効(7年)が過ぎていることから、立件はされませんでした。
今回、新しい党代表になったのは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に近いとされる、 金起炫氏。
金氏は、元裁判官で、2004年から国会議員を3期務めた後、2014年、蔚山(ウルサン)市長に当選。しかし、2018年の統一地方選の3か月前、警察は金氏の兄弟の疑惑に関連して市長秘書室などを家宅捜索。
選挙では、時の大統領、文在寅の30年来の知己である宋哲鎬(ソン・チョルホ)が当選。警察は選挙の後、同年10月に金起炫氏とその兄弟に対する捜査を終了しました。この捜査は、宋哲鎬を当選させるための、文政権の指示によるものではないかと言われています。
落選後、金氏は、青瓦台(大統領府)による蔚山市長選介入疑惑の真相を明らかにするために闘います。検察は、金氏の事件を不起訴処分にする際、警察捜査の問題点を指摘していました。
その後、2020年の総選挙で、金氏は4期目の当選を果たし、国民の力で国会運営を取り仕切る院内代表にも選出されました。
このような経歴を持つ金起炫氏ですから、党にとっての目下、最大の目標である、来年の総選挙での勝利(過半数確保)はもちろんのこと、野党李在明に対する追及、そして宿敵ともいえる文在寅に対する追及にも、全力をあげることでしょう。
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