先日,WBCアジアラウンドの一位を決める日韓戦が行われた日,ソウルから一時帰国している友人,それにその知り合いの女性(韓国で一度会ったことがあります)と会食しました。場所は池袋にあるモンゴル料理の店。
幸い,店に小さいながらテレビがあって,羊料理をつつきながら観戦することができました。
野球が理由なのかどうかわかりませんが,店内は私たち3人の貸し切り状態です。モンゴル人のおばさんも,ヒマなのでときどき私たちの席に来ておしゃべりをしていきます。
野球のほうは,岩隈が一点をとられて交代。二番手のダルビッシュがマウンドにあがっていました。
「このピッチャー,日本人じゃないね」
とおばさん。日本に10年以上いるとのことで,日本語は流暢です。
「ええ,どこかの国のハーフですね」
韓国駐在時代,日本のプロ野球中継はあまり見られなかったので,日本に帰ったらほとんど知らない選手ばかり。それで野球に興味をなくして,選手の情報もあやふや。これは韓国に超長期滞在している友人も似たようなものでしょう。もう一人の女性もあまり野球に詳しくないらしい。
「モンゴルだったっけ?」
「それにしてはスタイルいいね」
テレビのすぐ隣に貼ってある朝青龍の写真と見比べます。
「私の友だちにね,子どもが野球専門の高校に行った人がいるのよ」
おばさんがしゃべり始める。おばさんはモンゴル人とはいっても,中国領内の内モンゴル出身。広大なユーラシア大陸を遊牧しながら暮らすモンゴル民族は,19世紀後半から周辺大国による線引きの結果,ソ連領,モンゴル,中国領に分割されました。知られざる分断民族です。
「私が内モンゴルに一時帰国したときに行った鍼の店にね,旦那が日本に留学している人がいたの。鍼の腕がよくてね。それで私が,日本はいいわよ,いらっしゃいよっていったら,来たの。私の家に泊まったこともあるわ。当時8歳の息子さんがいてね…」
おばさんの話では,彼女はモンゴルの名門出身で美人。ご主人のほうは貧しい家柄だったので,彼女の両親は反対したけれどもそれを押し切って結婚。そのうちにご主人は日本へ留学。彼女は息子を育てるために内モンゴルに働きに来ていたらしい。
ところが,彼女が息子を連れて日本に来てみると,旦那は浮気者で別の女を作っていた。それで一時はおばさんの家によく来て,いろいろ悩みを打ち明けていたらしい。
「子どもは日本の学校に通わせていてね,結局,精神的にずいぶんまいっちゃって離婚したんだけど,息子は野球がとてもうまくて野球で有名な高校に入れたって言ってたわ」
「その息子さん,今何歳ですか」
「15年ぐらい前に8歳だったから,23ぐらいかな」
「ダルビッシュもそのぐらいじゃない?」
「そういえば,お母さんの面影があるわ」
「そうだ,その息子さん,ダルビッシュですよ」
「お父さんの名前は,ターホンバイだったから,頭文字をとったのかもしれないわ」
モンゴルには苗字がありません(リンク)。息子の名前は,父親の名前から一字をとるのが普通らしい。
「それに違いない!」
モンゴル特産の牛乳酒で酔いがまわっていたこともあり,野球の試合そっちのけで話が大いに盛り上がります。
「もうずいぶん長いこと音信不通だけど,今度連絡とってみなくちゃ」
ということで,ダルビッシュはモンゴル人で決まり。おばさんは,後から来たモンゴル人のお客さんの席でも,そのことを吹聴している模様(モンゴル語だったのでよくわかりませんが)。
あれやこれや話すうち,あっという間に時間が経ち,7時すぎから飲み始めたのにいつのまにか終電が気になる時間になりました。
意気投合したおばさんは,おみやげにモンゴルのしゃれた杯をわれわれに一つずつくれました。試合は負けてしまったけれど,とても楽しいひとときでした。
夜中に家に帰って,妻に,
「今日,ダルビッシュのお母さんを知ってるモンゴル人に会ったよ」
と報告すると,
「何言ってるの? ダルビッシュはイラン人のハーフよ」
(……)
妻は高校野球ファンで,ダルビッシュのことを甲子園のときから知っているから間違いない。
(あの盛り上がりはいったいなんだったんだ…)
幸い,店に小さいながらテレビがあって,羊料理をつつきながら観戦することができました。
野球が理由なのかどうかわかりませんが,店内は私たち3人の貸し切り状態です。モンゴル人のおばさんも,ヒマなのでときどき私たちの席に来ておしゃべりをしていきます。
野球のほうは,岩隈が一点をとられて交代。二番手のダルビッシュがマウンドにあがっていました。
「このピッチャー,日本人じゃないね」
とおばさん。日本に10年以上いるとのことで,日本語は流暢です。
「ええ,どこかの国のハーフですね」
韓国駐在時代,日本のプロ野球中継はあまり見られなかったので,日本に帰ったらほとんど知らない選手ばかり。それで野球に興味をなくして,選手の情報もあやふや。これは韓国に超長期滞在している友人も似たようなものでしょう。もう一人の女性もあまり野球に詳しくないらしい。
「モンゴルだったっけ?」
「それにしてはスタイルいいね」
テレビのすぐ隣に貼ってある朝青龍の写真と見比べます。
「私の友だちにね,子どもが野球専門の高校に行った人がいるのよ」
おばさんがしゃべり始める。おばさんはモンゴル人とはいっても,中国領内の内モンゴル出身。広大なユーラシア大陸を遊牧しながら暮らすモンゴル民族は,19世紀後半から周辺大国による線引きの結果,ソ連領,モンゴル,中国領に分割されました。知られざる分断民族です。
「私が内モンゴルに一時帰国したときに行った鍼の店にね,旦那が日本に留学している人がいたの。鍼の腕がよくてね。それで私が,日本はいいわよ,いらっしゃいよっていったら,来たの。私の家に泊まったこともあるわ。当時8歳の息子さんがいてね…」
おばさんの話では,彼女はモンゴルの名門出身で美人。ご主人のほうは貧しい家柄だったので,彼女の両親は反対したけれどもそれを押し切って結婚。そのうちにご主人は日本へ留学。彼女は息子を育てるために内モンゴルに働きに来ていたらしい。
ところが,彼女が息子を連れて日本に来てみると,旦那は浮気者で別の女を作っていた。それで一時はおばさんの家によく来て,いろいろ悩みを打ち明けていたらしい。
「子どもは日本の学校に通わせていてね,結局,精神的にずいぶんまいっちゃって離婚したんだけど,息子は野球がとてもうまくて野球で有名な高校に入れたって言ってたわ」
「その息子さん,今何歳ですか」
「15年ぐらい前に8歳だったから,23ぐらいかな」
「ダルビッシュもそのぐらいじゃない?」
「そういえば,お母さんの面影があるわ」
「そうだ,その息子さん,ダルビッシュですよ」
「お父さんの名前は,ターホンバイだったから,頭文字をとったのかもしれないわ」
モンゴルには苗字がありません(リンク)。息子の名前は,父親の名前から一字をとるのが普通らしい。
「それに違いない!」
モンゴル特産の牛乳酒で酔いがまわっていたこともあり,野球の試合そっちのけで話が大いに盛り上がります。
「もうずいぶん長いこと音信不通だけど,今度連絡とってみなくちゃ」
ということで,ダルビッシュはモンゴル人で決まり。おばさんは,後から来たモンゴル人のお客さんの席でも,そのことを吹聴している模様(モンゴル語だったのでよくわかりませんが)。
あれやこれや話すうち,あっという間に時間が経ち,7時すぎから飲み始めたのにいつのまにか終電が気になる時間になりました。
意気投合したおばさんは,おみやげにモンゴルのしゃれた杯をわれわれに一つずつくれました。試合は負けてしまったけれど,とても楽しいひとときでした。
夜中に家に帰って,妻に,
「今日,ダルビッシュのお母さんを知ってるモンゴル人に会ったよ」
と報告すると,
「何言ってるの? ダルビッシュはイラン人のハーフよ」
(……)
妻は高校野球ファンで,ダルビッシュのことを甲子園のときから知っているから間違いない。
(あの盛り上がりはいったいなんだったんだ…)
私も一昨日池袋から便の良いところに越しましたので、落ち着いたらまた美味しいところを探しましょう。
いつか羊一頭解体パーティーをやりましょう。
スンドゥプさん
引っ越しましたか。
隣のパキスタン料理も気になっています。
今度行きましょう。
ジャガイモが美味しかった記憶があります。
ご無沙汰しております。高木です。
ご存知とは思いますが、WBC異常な盛り上がりを見せております。
http://www.chosunonline.com/news/20090311000037
------------------------------------------
「義士・奉“重根”がイチロー“博文”を倒した」 ネットで日本戦「イチロー封じ」を称賛
「安重根(アン・ジュングン)義士ならぬ“奉重根(ポン・ジュングン)義士”が、伊藤博文ならぬ“イチロー博文”を倒した!」
------------------------------------------
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=070000&bii...
------------------------------------------
韓日「3次大戦」、今度も奉重根カードだ
●「平民」金寅植VS「貴族」原辰徳
代表チーム監督を数回受け持ったことのある金監督と「新米」の原監督のスタイルの違いが覗える。
●「義士」奉重根VS「日本特級」ダルビッシュ
韓国のネットユーザーたちは、日本の植民地支配時代に日本に立ち向かった安重根(アン・ジュングン)義士と名前が一緒の彼に「奉重根義士」というニックネームをつけた。「顕微鏡野球」に代表される日本が奉重根に備え、どのような切り札を出すかが関心の的だ。
●「ポスト李承」金泰均VS「日本のシンボル」イチロー
------------------------------------------
と対立軸で煽りまくっています。
始まる前からいやがおうにも盛り上がる日韓野球対決!
勝っても負けても大騒ぎになりそうな予感です。
また、街中の様子などリポートさせていただきます。
そうです。
私たちはセロリサラダを注文しましたが,ダルビッシュで盛り上がったあと,おばさんがジャガイモサラダをサービスしてくれました。
ニンニク風味のおいしいサラダでした。
いやいや大変なことになってきましたね!
市庁前広場に取材に行って,イチローのヒットで一人万歳をして,袋叩きにあったりしないようにしてください。
「今日は、負けてあげてもいいです。」といっています。
テレビも昼休み終了と同時に消されて、みな早々と仕事につきました。
うーん今日はいまいち盛り上がらないないなぁ。
ここで博文イチローが奉重根にピッチャー返しでもやってくれれば、妙な方向に盛り上がるだろうに。
>市庁前広場に取材に行って,
>イチローのヒットで一人万歳をして,
>袋叩きにあったりしないようにしてください。
ちょうど工事中で、昨日前を通りかかりましたがさびしい限りでした。
シチョンは最前面の幅30cmを残して背部の建物はすべて取り壊されていて、まるでドリフのセットのようになっていて痛々しい限りです。
ホクシ ↑にいるo-tsukuaさんは南大門の近くで仕事をしていた人の可能性がありますが、違いますか?
日本は祝日なので,珍しくゆっくり観戦できました。
結果は日本の完勝。
>負けてあげてもいいです。
たぶん明日の新聞は,「負けてあげた」ことになるんでしょう。
韓国選手の頭にデッドボールのときは,嫌な雰囲気でしたが,韓国選手は怪我はなし。むしろ村田の肉離れが痛い。
また決勝であたると盛り上がりますね!
本社あてにいくら至急のメールを送っても、開封通知すら来なくて、、、あ!っと思い出しました。
いやー、決勝であたったら、、、それは盛り上がるでしょうねぇ。楽しみですね。