犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国便り~王国

2009-11-22 23:15:00 | 韓国便り(帰任以後)
 二日目は,刺し身やでの全体会食に続いて二次会は北倉洞のバーに向かう。

 厳寒(マイナス5度)の中を10分近く歩かないといけないので,念のため,店のアガシに電話してみると,なんと店を閉めたという。不況と新型インフルエンザに直撃されて,どこも飲み屋の経営は厳しいようです。

 で,アガシは今,ホンデイプクの別の飲み屋にいるというので,2台のタクシーに分乗してそちらへ向かいます。そこは,「秀」というカフェ。彼女にとって,何軒目の店でしょうか。(→

 われわれ一行の中にはアガシと前の店で面識のある人が多く,ひとしきり旧交を温めます。

「出資金は返してもらえたの?」

「まだなのよ。ムンジェマナヨ(問題が多くて)」

「ぜんぜん客いないね」

「ここ,若者の街だけど,それにしてはお酒の値段が高いから」

 さきほど,若い二人組が店に入ったけれど,メニューを見てそのまま帰りました。
マッカラン12年,750ミリは22万ウォン。みなで顔を見合せ,韓国産のウイスキーにしました。

KINGDOM
(王国)

「これ,見慣れない酒だなあ」

「最近出たのよ。ハイトから」

 飲んでみると,許せる味でした。すくなくとも,スコッチブルーよりはマシ。

「いつからこっち?」

「前のお店がつぶれて3カ月ぐらい家で休んで,2週間前から働き始めてるの」

「ペイはいいの?」

 一瞬,ママのほうに目を走らせます。ママは,別のボックスで韓国ドラマを見ている。

「それがね,固定給なしの歩合制だから,客がいないとお金も出ないのよ。長くは働かないと思う」

「妹さんは? 確か,日本人相手の通訳してたでしょう?(リンク)」

「うまく行ってるわよ。この前は300万になったって」

「ヘー」

「犬たちは元気?」

 家でブリーダーまがいのことやってるんですね。

「今,一匹500万のマルチーズ預かってるわ。うまく子どもを生ませたら,一匹もらう約束で」

「お父さんに食べられないようにね」

「まさか」

 こうして二日目の夜が終わりました。

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