犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

あずきと日本人

2024-12-25 22:24:08 | 朝ドラ

写真:橘金太(甲本雅裕)と安子(上白石萌音)

 今、再放送されている朝ドラ、「カムカムエヴリバディ」の主人公、安子の実家は「たちばな」という和菓子屋さん。「おはぎ」が評判です。父親(金太)の死後、安子はおはぎの味を受け継ぎます。



 一つ前の朝ドラ、「虎に翼」にも、「竹もと」という甘味処が出てきます。桂場等一郎(松山ケンイチ)のお気に入りがあんこの串団子。梅子が店を引き継ぐにあたり、あんこの味を吟味していました。

 あんこは、昔から日本人の心の琴線にふれる味だったようです。

 あんこの材料は、いうまでもなくあずき(小豆)。

 日本におけるあずきの歴史は、お米より古いらしい。

 科学雑誌『ニュートン』10月号に、興味深い記事がありました。

 あずきは、日本で栽培が始まったというのです。

 国立遺伝学研究所の斎藤成也名誉教授によると、最新のゲノム研究によって、あずきの起源が日本であることが明らかになったそう。

斎藤:植物で興味深いのは、日本人になじみ深い「アズキ」の起源が明らかになったことです。従来、アズキは中国大陸が起源で、それが日本に持ちこまれたと考えられていました。ところが、アズキの核ゲノムと葉緑体ゲノムの解析から、実は縄文時代の日本が起源であり、日本で栽培されたアズキがユーラシア大陸に広まったことがわかりました。

 米が日本に来たのは弥生時代。

 縄文時代は、狩猟・漁労以外に、おもにどんぐりを食べていた(採集)と思っていましたが、アズキの栽培もおこなっていたようです。

 ほとんどの栽培植物が大陸からやってきたなかで、アズキ栽培が日本発祥というのは驚きでした。

 あんこを愛する嗜好は、それほど古くから、日本人のDNAに組み込まれていたようです。

 同じ10月号には、日本人の起源についての最新学説もあって、大変興味深かったです。

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