タイ語で「カー」はカラス。鳴き声に由来すると言われ,もっとも覚えやすいけれど,覚えてもあまり役に立たない単語の一つです。
もう一つ,「カー」という単語があって,カタカナで表記すると区別できませんが,最初の子音が有気音。韓国語でいえば激音です。
カーとは,南姜ともいわれるタイのショウガ。カーが料理の名に入っているトム・カー・カイ(鶏肉のショウガ煮)はもちろん,世界3大スープの一つ,トム・ヤム・クン(エビスープ)にも欠かせない食材です。
今回の出張で,妻から頼まれた唯一のおみやげがカー。
最近,妻が韓国駐在時代に知り合ったセレブの奥さんからケーキやエスニック料理を習っている。その奥さんは,たまたま日本に滞在中の高名なタイ料理の先生に師事しているとのこと。彼女が言うには,
「カーだけが日本で手に入らないのよねえ。ご主人がタイに行くんなら,ぜひ買ってきて」
ということで頼まれた次第。
こうゆう生鮮食品はたぶん日本への持ち込みが禁止されているのだろうけれど,トランクに忍ばせて預けちゃえばバレません。ま,没収されても一袋約100円だから痛くない。
帰国して,「新鮮なカーが手に入った」旨お料理の先生に連絡すると,その次のお料理教室のメニューは「トムヤムクン」になりました。料理教室で試食した妻によれば,インスタントのトムヤムペーストを使うのではなく,生のハーブから作ったトムヤムクンは絶品だったとのこと。
「まだカーが余っているから,そのほかの材料をどこかで買ってきてくれれば作ってあげるわよ」
(本場のトムヤムクンをタイで食べてきたばかりなんだけど…)
さて,タイ語教室の終わった土曜日の昼,最近見つけた池袋は「タイ亭」でカオマンカイを食べました。メニューの中に,「カー」の説明があった。日本では手に入らないということだけれど,この店では使っているのかしらん。タイ人のおばさんに聞いてみます。
「売ってるよ。この近くで」
「チンチン?」(ホント?)
さっそく地図を書いてもらって行ってみました。「日光」中国の食材店のようで,漢字表記のさまざまな食材が並んでいます。
「あった!」
片隅にタイの食材があり,レモングラスの隣にカーも並んでいます。妻にメールする。
「今,タイの食材店に来てるんだけど,いろいろ売ってるよ。カーもある」
「じゃ,今晩はトムヤムクンにしよう」
妻が携帯メールで送ってきた買い物指示書は…
レモングラス,こぶみかんの葉,パクチーの根,プリッキーヌ,フクロタケ,ライム
プリッキーヌ? プリックはタイ語で唐辛子だから,その一種かな。よくわからないので,レジのところでパクチー(香菜=コリアンダー)を袋詰めにしている中国系らしきおばさんに携帯メールのリストを見せます。
「ああ,トムヤムクン作るのね。でも,うちにはミカンの葉はないよ」
「そうですか。じゃそれはあきらめますから,パクチーとレモングラスとライムください」
「でも,ミカンの葉入れなきゃ,トムヤムクンにならないよ。私タイ人だからね,よく知ってるの」
「タイ人?」
「そう。お母さんがタイ人でお父さんが台湾人」
(…で,日本に住んでるんだ)
「あなた,自分で作るの?」
「いえ,妻が」
「奥さん,タイ人?」
「いや,コンイープン(日本人)です」
「あら,タイ語できるの?」
「ニッノーイ(ちょっとだけ)」
「じゃ,売ってるお店,教えてあげよう。ちょっと歩くけどね,ハナマサっていうお店」
商売敵かもしれないのに,快く教えてくれます。さきほどの「タイ亭」のおばさんも,ここ「日光」のおばさんも「ナムチャイ」(心の水=親切)な人です。
「それからね,パクチーは根が重要。根も入れて煮込んでね」
「コープクンクラップ(ありがとう)」
ハナマサとは,そこから5分ほど歩いたところにある小さなスーパー。「肉のハナマサ」という看板ですが,周辺のエスニックレストランに卸しているのでしょうか,エスニックな食材が充実しています。ここで,こぶみかんの葉とフクロタケ(缶詰)を仕入れます。プリッキーヌは大量で使い切れないので,日本のタカの爪で代用することに。これですべて揃いました。
さて,夜食べたトムヤムクンは,本場タイのトムヤムクンとはまた違った逸品でした。タイで食べるトムヤムクンはココナツミルクが入っていることが多く,そのぶん濃厚ですが,自家製トムヤムクンはさわやかなハーブの香りですっきりとした味わい。トムヤムクンが世界3大スープの一つであることを納得しました。
もう一つ,「カー」という単語があって,カタカナで表記すると区別できませんが,最初の子音が有気音。韓国語でいえば激音です。
カーとは,南姜ともいわれるタイのショウガ。カーが料理の名に入っているトム・カー・カイ(鶏肉のショウガ煮)はもちろん,世界3大スープの一つ,トム・ヤム・クン(エビスープ)にも欠かせない食材です。
今回の出張で,妻から頼まれた唯一のおみやげがカー。
最近,妻が韓国駐在時代に知り合ったセレブの奥さんからケーキやエスニック料理を習っている。その奥さんは,たまたま日本に滞在中の高名なタイ料理の先生に師事しているとのこと。彼女が言うには,
「カーだけが日本で手に入らないのよねえ。ご主人がタイに行くんなら,ぜひ買ってきて」
ということで頼まれた次第。
こうゆう生鮮食品はたぶん日本への持ち込みが禁止されているのだろうけれど,トランクに忍ばせて預けちゃえばバレません。ま,没収されても一袋約100円だから痛くない。
帰国して,「新鮮なカーが手に入った」旨お料理の先生に連絡すると,その次のお料理教室のメニューは「トムヤムクン」になりました。料理教室で試食した妻によれば,インスタントのトムヤムペーストを使うのではなく,生のハーブから作ったトムヤムクンは絶品だったとのこと。
「まだカーが余っているから,そのほかの材料をどこかで買ってきてくれれば作ってあげるわよ」
(本場のトムヤムクンをタイで食べてきたばかりなんだけど…)
さて,タイ語教室の終わった土曜日の昼,最近見つけた池袋は「タイ亭」でカオマンカイを食べました。メニューの中に,「カー」の説明があった。日本では手に入らないということだけれど,この店では使っているのかしらん。タイ人のおばさんに聞いてみます。
「売ってるよ。この近くで」
「チンチン?」(ホント?)
さっそく地図を書いてもらって行ってみました。「日光」中国の食材店のようで,漢字表記のさまざまな食材が並んでいます。
「あった!」
片隅にタイの食材があり,レモングラスの隣にカーも並んでいます。妻にメールする。
「今,タイの食材店に来てるんだけど,いろいろ売ってるよ。カーもある」
「じゃ,今晩はトムヤムクンにしよう」
妻が携帯メールで送ってきた買い物指示書は…
レモングラス,こぶみかんの葉,パクチーの根,プリッキーヌ,フクロタケ,ライム
プリッキーヌ? プリックはタイ語で唐辛子だから,その一種かな。よくわからないので,レジのところでパクチー(香菜=コリアンダー)を袋詰めにしている中国系らしきおばさんに携帯メールのリストを見せます。
「ああ,トムヤムクン作るのね。でも,うちにはミカンの葉はないよ」
「そうですか。じゃそれはあきらめますから,パクチーとレモングラスとライムください」
「でも,ミカンの葉入れなきゃ,トムヤムクンにならないよ。私タイ人だからね,よく知ってるの」
「タイ人?」
「そう。お母さんがタイ人でお父さんが台湾人」
(…で,日本に住んでるんだ)
「あなた,自分で作るの?」
「いえ,妻が」
「奥さん,タイ人?」
「いや,コンイープン(日本人)です」
「あら,タイ語できるの?」
「ニッノーイ(ちょっとだけ)」
「じゃ,売ってるお店,教えてあげよう。ちょっと歩くけどね,ハナマサっていうお店」
商売敵かもしれないのに,快く教えてくれます。さきほどの「タイ亭」のおばさんも,ここ「日光」のおばさんも「ナムチャイ」(心の水=親切)な人です。
「それからね,パクチーは根が重要。根も入れて煮込んでね」
「コープクンクラップ(ありがとう)」
ハナマサとは,そこから5分ほど歩いたところにある小さなスーパー。「肉のハナマサ」という看板ですが,周辺のエスニックレストランに卸しているのでしょうか,エスニックな食材が充実しています。ここで,こぶみかんの葉とフクロタケ(缶詰)を仕入れます。プリッキーヌは大量で使い切れないので,日本のタカの爪で代用することに。これですべて揃いました。
さて,夜食べたトムヤムクンは,本場タイのトムヤムクンとはまた違った逸品でした。タイで食べるトムヤムクンはココナツミルクが入っていることが多く,そのぶん濃厚ですが,自家製トムヤムクンはさわやかなハーブの香りですっきりとした味わい。トムヤムクンが世界3大スープの一つであることを納得しました。
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