犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

温泉のはしご

2016-11-21 00:01:10 | 大阪暮らし

 週末、会社を1日休んで2泊3日で温泉に行ってきました。

 主目的は温泉ではなく、長女の結婚相手のご家族との顔合わせ。

 長女は学生時代の友達で、岩手県雫石出身の男性と婚約しました。本来、男性の親族が女性側の家を訪問するのが慣わしだそうですが、ご両親は以前わが家に来たことがあるし、こんなことでもなければ岩手県に行く機会はないので、「こっちから出向きます」と申し出たのでした。
行ったのは、長女以外に、私たち夫婦と次女、四女。大阪勤務の三女は都合がつかず行けなかったのが残念でした。

 交通費がかかるので、東京から岩手まで車で行くことにし、途中で茨城県日立市に住む次女を拾います。なにせ、岩手は遠い。金曜日の午後に出発し、夕方、日立で2女の夫婦と食事をしたあと、その日は福島県のいわき湯本温泉に泊まりました。

 家族5人で行きましたが、男湯に入るのは私だけ。他に宿泊客もないらしく、広い露天風呂を占有できました。

 翌日は早朝に出発し、最近開通した常磐自動車道を北上。しかし、高速道路とはいえ、片側一車線なので、先頭に遅い車がいると後続車はブロックされてしまい、ところどころにある「登坂車線」も短いのでなかなか追い抜けない。イライラが募ります。

 意外に時間がかかって、雫石市のお宅に着いたのは11時過ぎでした。

 数年前に建て替えた瀟洒な家の裏には畑が広がっていて、同居しているお祖父さん、お祖母さんが、自家消費分の米と野菜を作っているとのこと。その向こうには、標高2000メートル越えの岩手山の雄大な姿が望めます。

 家でしばらく歓談したのち、予約してあったホテルのレストランへ。そこへ、看護士の夜勤明けのお姉さんも合流しました。婚約者は、お姉さんと同じ病院で医療技師をしている。姉弟が同じオペに入ることもあるそうな。循環器(肺と心臓)が担当なので、時刻に関係なく救急外来の受け入れもあるらしい。

 お父様は、これまた偶然にもホッケーの選手で、若い時から現在まで、国体を始めシニアの大会などに出場しているとのことで、現在、大学でホッケー部に入っている四女と話が弾んでいます。

 残念なのは、お酒があまり飲めないこと。やむを得ず、自分一人だけ酔いが回っていくことになりました。

 宴会が終わると、次女は電車で日立に帰る。翌日は旦那さんのラグビーの試合(こっちの旦那は実業団のラグビー選手)を見に行くとのことで、もう一つの温泉にはいきませんでした。

 われわれは、婚約者も一緒に雫石の近くの鶯宿(おうしゅく)温泉へ。夜はまた宴会でした。

娘:「こっちの生活は、車が一人1台ないと困るから、買わなくちゃ」

私:「雪国だから、四駆がいいんじゃない?」

婚約者:「でも、四駆が必要なことって、滅多にありませんよ。雪にはまったときだけですから」

私:「それは雪道での運転に慣れてるからでしょう?」

 婚約者はもともとメカ好きで工学部に入り、大手工作機械メーカーに勤めていたものの、医療機器がやりたくて医療技士の資格をとり、今は岩手の病院勤務。娘とは10年ぐらい、つきあったり別れたりしていたらしい。就職先の病院を選ぶときに結婚話がもちあがっていれば、東京の病院に就職したかもしれないのですが、生憎、そのときは別れていた時期にあたるんだとか。

 海外の秘境ツアーによく行っていた娘は、最初は岩手のような日本の田舎には興味がなかったけれど、東京六本木勤務で都会の生活が大嫌いになり、何回か岩手に来て、周囲の自然環境が大いに気に入った。幸い、今の会社が岩手での在宅勤務を認めてくれるそうなので、来年の秋からは岩手に引っ越します。

 最終日は、自宅近くの小岩井農場へ。霧の立ち込める中、ヘッドライトをつけて運転していましたが、農場に着くときに一気に晴れ、紅葉の鮮やかな岩手山を眺めることができました。

 最後にご自宅にご挨拶。すると、お祖父さんお祖母さんがその日に収穫した大量の野菜が、リヤカーに積まれていました。

「車に入るだけ、持っていきなさい」 (方言がよくわからなかったけれど、たぶんこんな意味だったのでしょう)

「ありがとうございます!」

 野菜に加え、玄米30キロもいただきました。

 午前10時頃に出て、東北自動車道の下りをひた走る。日曜日だったので、首都圏に近づくにつれて渋滞し、埼玉に着いたのは夕方7時。私はそこから電車で一時間半かけて東京駅へ、さらに終電2本前の新幹線のぞみ号に乗って、新大阪の単身赴任先に着いたのは夜の12時近くでした。


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