犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国便り~ディープコリア研究会

2009-05-04 00:06:33 | 韓国便り(帰任以後)
犬鍋「Sさん,お待たせしました」

S氏「犬鍋さん,お久しぶりです。この前は,お店のご紹介,ありがとうございました。日本から来た恩師にも喜んでもらえました」

 メールで,接待用に使えるお店はないかと聞かれ,高級韓定食の店,龍水山を教えたのでした。もう一人のK氏は,私同様渋滞に巻き込まれ,遅れるという電話が入ります。

犬「じゃ,始めちゃおうか。K氏は最後のテンジャンチゲを楽しみにしているって言ってたから」

 この店の最大の魅力はシクサ(メインを食べたあとのご飯類/麺類)の肉入りテンジャンチゲ(3000ウォン,ただし2人前から)です。

S「そうですね」

 チャドルパギ3人前にチョウムチョロム(焼酎)を注文。7時半を過ぎると空席はほぼ埋まり,行列ができ始めます。

S「犬鍋さんが帰任されたあと,Y君も帰ってしまい,ディープコリア研究会もなかなか開けなくなって残念です」

犬「えっ?」(それなんだっけ?)

S「なんか最近,ディープコリア研究会をただの飲み会だと勘違いしている人がいるようで,怪しからん話です」

(ああ,そういえばぼくが会長だった!!)

 会の発足は,このとき(→リンク)だったか,こっち(→リンク)だったか。記憶も朧ですが,確かめることは憚られる雰囲気です。

K「すいませんでした,道が混んでて。バスが動かなくて…」

 某延世大学留学生のK氏が到着したときは一本目のチャミスルがほとんど空になっていました。残りのチャドルパギはほどなくして無くなり,本命のテンジャンチゲの前に,肉をもう一品。この店の三つしかないメニューのうちのもう一つ,サテコギです(もう一種類はヤン=ミノ)。

K「サテって,普通,出汁をとるのに使いますよね」

 でも,ごま油ベースのヤンニョムで味付けしたサテはなかなかいける。

 最後はお決まりのテンジャンチゲ二人前と,コンギパプ3つ。直火に置かれた,ゆがんだ手鍋の中に,古漬けキムチをぶち込んで,キムチチゲにしていただきます。

 前日,漢南洞につきあってくれた韓国人職員がこのテンジャンチゲを初めて食べたとき,涙を流した逸品です。

 10時閉店らしく,店の人のプレッシャーが露骨になってきた頃合いを見て,席を立ちました。

S「犬鍋さん,今日はとことんまで飲むんですよね」

犬「ああ,そんなこと,メールに書いたっけ」

 出張初日の夜に行った,北倉洞のバーに向かいます。

 ソウルの長い夜は,まだ始まったばかりです。

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4 コメント

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Unknown (ぷよぷよ)
2009-05-04 13:11:42
NAVERが面白いこと始めていますね。韓国の新聞何紙かをスキャンしてデータベース化して無料で閲覧できるようにしています。
http://dna.naver.com/search/searchByDate.nhn

これを活用するとディープコリア研究会の活動も活発になるのではないでしょうか。えっ?お酒が入らないと元気が出ないですか。やっぱりただの飲み会だったの?
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新聞データベース (犬鍋)
2009-05-05 01:43:25
情報,ありがとうございます。

毎経,東亜,京郷の1面記事のデータベースのようですね。

新聞から漢字がどんどん少なくなっていく様子が視覚的にわかって,大変興味深く拝見しました。

ディープコリア研究に生かしていきたいと存じます。
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Unknown (トランジスタラジオ)
2009-05-05 03:21:08
明日は韓国もこどもの日です。
ディープコリア研究会とは何を研究するところなんでしょう?リンクを拝見しますと在来市場の形成についてでしょうか。Sさんはまじめに活動されている方なんですね。あそこのテンジャンチゲを韓国の友人に紹介しましたが、好評でした。
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ディープコリア研究会 (犬鍋)
2009-05-06 23:46:15
『ディープ・コリア』という本をご存じでしょうか。

88(パルパル)以前から90年代初めにかけての古き良きディープな韓国が,写真と,特殊漫画家根本敬の挿絵とともに活写されています。

ディープさが年々薄れ,フツーの国になっていく韓国を残念に思う有志が集まって,かつてのディープ・コリアを偲び,今もわずかに残るディープ・コリアの痕跡を発掘することを目的として発足したと記憶しています。(ただ,研究会はいつも酒が入っているので記憶が定かではありません)

「在来市場の形成」も興味深いテーマですので,今後の研究候補にさせていただきます。
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