「お母さん、毎日、できることが増えていく。そばで見ていて嬉しい」
入院以来、1日も欠かすことなく病院に通い、妻を毎日看てくれている三女からのラインです。
この日はついに携帯解禁。
何百件も溜まっていたLINEのメッセージをチェックし、返信をしていたとのことです。
翌日、私が面会した時も、携帯を片時も離さない。
「みんな、お見舞いに来てくれるって」
「よかったね」
「何か欲しいものあるって聞かれたから、メロンって答えた。千疋屋限定で! ハハハ」
「高いだろ!」
さっそくネットで調べると、メロン2つで2万6000円でした。
食べ物の制限もあまりなくて、病院内のコンビニで売っているハーゲンダッツのアイスクリームなんかも食べています。
ただ、少し気になることも。
看護師さんが来て、本人に対して大切なことを話しているときも、携帯をずっとスクロールしているのです。
「お母さん、携帯置きなよ」
貴ノ岩状態の妻を見かねて娘に注意されます。
友達が見舞いに来た時も、
「かわいいハイジ(うちの飼い犬の名)の写真があるから見せてあげるね」
といって、携帯をいじりだし、長いなと思って画面を見ると、通販サイトを見ていたんだとか。
「お母さん、ハイジの写真は?」
「えっ? あ、そうだった」
これらのことをリハビリのスタッフに話すと、「注意障害」という高次脳機能障害の一つではないかということでした。
高次脳機能障害というのは、身体的な障害ではなく、記憶、思考、判断といった人間特有の高次の脳の働きに障害が起きること。
症状は、集中力が長く続かず、また同時に複数のこと周囲を向けることができない、気を取られやすく、何かに集中すると、そこから目を離すことができなくなる、など…。
また、左側に注意が行かないようで、車いすからベッドに上がるときに左側の靴だけ脱ぎ忘れる、歩行器を使って歩く練習をしているときも、左側のものによくぶつかる。
「半側(はんそく)空間無視ですね」
右脳をやられているので、左側のものが見えていても、注意が行かない、無視してしまうという症状なんだそうです。
「リハビリで少しずつ直していきましょうね」
リハビリの先生にそういわれても、まだピンと来ていない表情。病識(自分の病状についての認識)が不十分なのが少し心配です。
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