犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

瓦斯燈

2007-10-04 06:50:27 | 韓国雑学

  先にご紹介したワサドゥン(ガス灯),イギリス名画の雰囲気とはまったく合わない。
 調べてみたところ,どうもこの店名,洋画の題名からとったものではなく,韓国の詩にちなんだもののようです。

 金光均(キム・グァンギュン)という詩人が,1939年に発表したもの。韓国の教科書に載るくらい,有名なものらしい。韓国のサイトに原文があったので,翻訳してみました。


ガ ス 灯
            金光均 1939

冷やかな燈火が一つ 空虚な空にゆらめく。
私ひとりさまよえという悲しい合図か。

長い夏の日が忙しく羽根をたたみ
建ち並ぶ高層ビルが 青白い墓石のように夕暮れに染まり
きらめく夜景 生い茂る雑草のごとくからまったまま
思念の唖になって 口をつぐむ。

皮膚の表面に染みる闇
見知らぬ街のざわめき
わけもなく涙があふれる

空虚な群衆の行列にまぎれ
私は どこからこんなに重い悲哀を背負って来たから
長く伸びた影が これほどに暗いのか

私にどこへ どうやって行けという悲しい合図か
冷やかな燈火が一つ 空虚な空にゆらめく。


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