コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

小P連研修会 「児童虐待防止と地域の役割」

2012-02-15 23:48:03 | PTA

先週あった小P連の理事会や、最近の息子とのやり取りなど記事にしたいことがいくつかあります。

しかし、先に、今日聞いてきた話を言葉にしておきたいなと。

 

小P連23年度の最後のイベントとして研修会がありました。

花園大学の津崎哲郎先生で「児童虐待防止と地域の役割」

 

統計的な数字や、分類的な虐待の実態のお話に始まり、その原因や背景、その影響から最後は地域で出来ることを聞かせていただきました。

 

内容に関しては、中途半端に私が説明するよりは、機会があれば直接お聞きいただきたいと思います。

 

とても良い話…というか、身につまされる話でした。

 

児童虐待といってもいろいろあり、

身体的虐待、ネグレクト、性的虐待、心理的虐待の4つが「児童虐待防止法」という法的な分類になるんですが、私の関心は心理的虐待にありました(もちろん、他のものも重大な問題ではあります)

 

ほかの三つは、虐待に限らず犯罪として立件される事柄です。

しかし、心理的虐待は目に見える証拠が無く、脅迫や親との関係をなくしたくないという子どもの弱い部分により隠蔽される危険のあるものです。

身近で気付かすに行っているケースもあります。

たとえば「お兄ちゃんは出来るのに、どうしてあなたは出来ないの?」というものも心理的に与えている虐待です。

また、直接子どもへの働きかけが無くても、父親が母親にDVを行っているのを目撃していることも、子どもにとっては心理的にダメージを受ける=心理的虐待を受けているということを聞きました。

 

DVと言われると「そこまでひどいことは自分の家庭ではないから関係ない」と思うかもしれませんが、母親のいないところで父親が母の悪口を言っていれば、子どもにとって大事な母親が「責められている」と子どもには映るかもしれません。(先生はここまでおっしゃってませんでしたが)

そうなると、とたんに身近な問題になります。

 

このように、直接身体に怪我や傷をつける以外にも「加害者」ンあっているケースがありえると言うことです。

 

その原因についてもいろいろお聞きしましたが、特殊な事例だけでは無く、私自身も「気分によってはありえる」状態…経済的な不安定や親の人格の未熟などもあるようです。

もちろん、慢性的にそういう状況にあれば大きな虐待につながる事例になるのでしょうが、「ついカッとして」ということはあるんじゃないでしょうか。

 

私自身は、いかなる理由があろうと「体罰」は傷害行為だと思っていますから手を出すことはしませんが、「もう帰ってこんで良い」とか「お父さんはもうしらん」と言う言葉で突き放していることがあります。

これも立派な心理的虐待ですよね。

 

児童虐待に対する援助としては、行政的にもいろいろ施策されてはいます。

しかし、プライバシーも絡むと難しい部分があります。

ニュースなどで虐待死などのニュースを聞くと、その対応が”足りない”と思ってしまいますが、それは結果論で、十分な対応は難しいことがわかります。

 

一気に広範囲の対覆うに携わるのは難しいのですが、地域としてできることはいろいろあるとお聞きしました。

普段出会う子どもを気にかける。

変わった様子があれば分かりますからね。

しかし、これを監視的な観点で行うと、コミュニケーションとして問題が起こることもお聞きしました。

なので、単純に普段から声かけをして、何かあれば「聞いてあげるよ」という関係を作っておくこと。

そして、根本的なところでは子どもよりもその親と関わりを持つこと。

 

些細な問題が重なって、気がつけんば「どうしようもない」と追い込まれることになりかねません。

些細な時点で、ガス抜きできれば、何かが変わってくるでしょう。

 

PTAとしてイベントなどで普段のコミュニケーションをとることは出来ると思います。

ただ、そういうイベントに「出て行きにくい」方も多く居られること。

訪問するタイプの支援が理想だと言うことですが、なかなかそこまで動くのは難しいなと考えています。

 

根っこの対策として、親御さんとのコミュニケーションが良いのは分かりますが、まずは子どもに声をかけることからなら始められそうな気がします。

幸い、PTA会長という立場をもらってますから、子どもに声をかけることは”変なこと”ではありません。

むしろ、学校の子どもらは私のことを知ってますから、声をかければ反応してくれます。

 

 

今回の話で一番深く残ったのはもうひとつあります。

虐待を受けている子どもたちは、周りとのコミュニケーションが苦手になってきます。

そういう子らに対して「変わった子」「コミュニケーションの取れない子」とレッテルをはり、蔑視してしまう行為…これを無意識に(意識的は当然ダメですが)周囲がすることで「二次虐待」をしていること。

気付かずに虐待の「加害者になっている」という事実があることを知っておく必要があります。

 

 

虐待を受ける子どもは、そういうコミュニケーションが「普通」だと思って育っていくことがあります。

どうなるか…自分の子どもに対しても、そういうコミュニケーションしか取れないですよね。

 

 

虐待はニュースや雑誌で見る「遠い問題」ではなく、私自身やっているかもしれない問題だと、今一度考えてみることから始めることが大事だと思いました。

 

 

今回の書き込みも、研修に触発された私の思いですので、先生の思いとは異なることもあることをご了承ください。