コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

「スクール」(学校)にまつわる話題と雑感

2011-01-20 23:46:54 | 親子コミュニケーション

ここ数日、学校に関係する話題なんかが目に飛び込んでくる。
”思わず”意識することになるこういうタイミングって、偶然のようであって、実は無意識のレベルでそういう話題にアンテナを張ってるのかなって気がする。

日曜日の夜、食事時に録画してあったテレビ番組を見ていて、それが終わったときに「スクール」というドラマがやっていた。
特に見たいと思ってたわけじゃないんだけど、ドラマ「ジェネラルルージュの凱旋」でなかなかいい役者だと思ってた、西島秀俊が出てたんで何気なく見てた。
すると、そこで繰り広げられる教育・親子の関係がいろいろ気になりだして…

とりあえずは「ドラマ」だから、そこでのいろんなトピックの描き方が”極端”なんだろうなってことは頭にいれている。
しかし、困った感じは味わってしまう。

いわゆる”熱血型”の主人公が、現代の学校問題に立ち向かっていくってことなんだろうけど…

まずは「男女間格差」の問題で、男児・女児ともに「さん」付けで呼ぶことを皮肉っている。
確かに親近感を持って、名前の呼び捨てがいいこともあるかもしれない。
しかし、そういう接し方が出来る子と出来ない子が出来てしまうなら、差別のないように苗字+「さん」がいいんじゃないかと思ってる。

次に「頑張る」ってことに対して「今の子に頑張らせると”体罰”になるんです」なんていう表現をしている(ほんとにそういう指導があるの?)
私も「頑張れ」と言う言葉の扱いにはいろいろ想いを持っているのだが、「頑張らせるのが駄目」とは思ってない。
「今の精一杯」をしている子に対して、「今・ここ・わたし」を認めずに、「それじゃ駄目」というニュアンスを含めての「もっと頑張れ」ということに対して「そうじゃないだろう」って思っている。
でも、このドラマの「頑張らせない」ことを「おかしい」という描き方を、私の「”頑張れ”否定」につながってしまうといやだなって事で。

あと「一人の子に向き合えないで、どうして100人の子に向き合えますか」という考え方。
うーん、これはうなづける。
うなづけるんだけど、そのセリフの元で「ひとり」に関わることが、残りの99人を置き去りにしてる状況だと話は違ってくる。
まぁ、ドラマなんで1話に付一人を取りあえげて行くしかないんだろうし、こういう描き方になるんだろうけどね。

もう一個気になったのは、これは今後どういう描き方をするのか分からないんだけど、なんとなく「PTA役員」が、学校に一言持ってる「選ばれた人」的な雰囲気をぷんぷんさせてるところ(笑)
まぁ、ドラマとして面白くするには「熱血校長vsクレーム父兄」って感じにされるんだろうけどねぇ。

でも、「男女間差別」の問題でも、「頑張るをめぐる」問題でも、現場ではとてもデリケートに取り組んでるであろうことを、盛り上げのために揶揄されるとちょっと困るなぁ。

一方、今回のドラマで取り上げてる「親子関係」もちょっと痛々しい。
「九九が出来ない」事を隠してうそをついていた子が、熱血校長と触れ合うことで勇気を出し、うそをついていたことを表明して、出来るようになった事を訴えるんだけど…
まず、忙しいから向き合おうとしない。
嘘をついていたことを責め、できるようになったことを認めない。
一生懸命働いて子育てしてるのは分かるけど「誰のために一生懸命働いてると思ってるの」と言ってしまう。
しまいには「あんたは私の子じゃない」と責め立てる。

極端ではあるけど、きわめてありそうな話。
なんか、親子コミュケーション問題を浮き彫りにするモデルだ。
嘘を駄目だと言うのは大事だが、同時にある「褒めて欲しいこと」を受け止めてあげることはもっと大事。
それが子どものためではあっても「子どものために働く」と決めたのは自分なんだから、それは「自分のため」で、その責を子どもに押し付けるのは駄目。

まぁ、ドラマなんで、最後に母親の元に駆けつける子と、受け止める母の姿を描くための確執なんだろうけど…ね。


今後、どういう描き方をされるかとても気になってしまったし、表現のもととなる風潮がまったくなければドラマは成立しないだろうから、現代の教育を見る1つの側面として注目してみようかと思ってる。


もう1つは、ネットのニュースで見て、その後たまたま見てた番組で取り上げられていた「教諭が保護者を訴えた」と言う話題。
これに関して問題の大元は「報道のされ方」にあると思うんだけど、双方の事情や経緯を知らず、マスコミに取り上げられる表面の部分だけで「学校が悪い」「親が悪い」と情報通になったつもりの人のなんと多いこと…
この話題をいろいろ触れたかったけど、長くなりそうなんで今回はパス。
ただ、この手の話題は学校を悪者にする傾向があるなと。
そして、親と教師が対立し、周りが煽る中で、子どもが置き去りにされていく。

学校に一言の前に、親としてやるべきことをしているかどうか自戒することが抜けてないだろうか。
親がしつけせずに、学校に多くを求めるのはおかしいんじゃないだろうかね。
と言うことを考えると、先のドラマのケースも含めて、親と子が向き合う時間がない…そうせざるをえない、社会の状況など、持ってる根は深いなと。


そんなことを思いながら、昨日小学校の参観日に行ってきた。
問題が無いことはないだろうが、笑顔の子どもらがいた。
これが当たり前じゃないってことも感じながら。

親子も、先生と保護者も、みんなじっくり向き合ってわかりあえたらいいね。


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