マンション管理士日記

地域を守る:マンションと地域の融合

理事会

2007年03月04日 | マンション管理士

管理組合の運営に関する相談で、理事会に呼ばれました。 今回の議題は、現在の管理会社に対する疑問や不信への対応策を議論して、総会に諮りたいということです。

議題の趣旨から、当該管理会社は呼んでいません。 理事長さんが、「それでは、定刻ですから」 と切り出します。

あれ? 何か変です。 このマンションの理事さんは7人なのに、3人しか集まっていません。 

「遅れて来ると思うのですが… 3人では、まずいでしょうか?」

「はい。 管理規約に、『理事会は理事の半数以上が出席しなければ開くことが出来ず、その議事は出席理事の過半数で決する』 とありますからね。」

「良く理解していないもので… もう一度、声を掛けてきます。 実は、理事2人で開いた理事会もありました。」

「理事会の議事録は作成していますか?」

「いいえ、ありません。 誰が作るのですか?」

「管理規約では、議長(=理事長)です。 管理委託している場合は、管理会社が作成して、議長が確認するケースも多いようですね。 いずれにしても、議長と議事録署名が記名・押印することになっています。」

「管理会社が教えてくれないから、全然わからないで実施してきました。」

「今まで、理事会の議題書はあったのですか?」

「ありません。 管理会社が勝手にしゃべって、承認するというパターンでした。 これは変だと考えて、相談することにしたのです。」

「そうですか。 それでは、今までの管理内容から確認していきましょう。」

決算書類や報告書などを確認しながら、マンション管理の実態を分析していきます。

「管理費の額が低すぎるのではないかと… 値上げが必要でしょうか?」

「無駄な支出項目が多いですね。 単価も見直せそうです。 管理費の値上げを論じる前に、経費削減を徹底していきましょう」

「もっと早く考えるべきでしたかねぇ?」

「いやいや、決して遅すぎないですよ。 しっかり考えていきましょう。」

途中から、帰宅した理事さん二人も加わりました。 自分たちのマンションの将来について熱く語り合う、有意義な時間が過ぎていきます。

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管理費の見直し

2007年01月28日 | マンション管理士

マンション管理組合の会計は、企業経営と似通っていると感じています。

将来計画を立てて、定期に見直しを行うことが肝要です。 収入と支出の実績を分析して、支出を削減する方策を実行していかなければなりません。 先々、資金が不足するようでしたら、収入増の方法(管理費などの改定)も考え実施しなくてはいけません。

相談を受けているマンションでは、一緒に費用削減に取り組んでいます。 先ず、無駄な支出から見直していきます。 本当に役に立っているのか、今の価格で適正なのか、科目別にチェックしていきます。

例えば、マンションの損害保険です。 あまりにも掛金が高いので、本当に必要なものなのか、保障内容をチェックしてみました。 また、他社の損保会社からも見積をとってみました。 その結果、同様の保障内容で掛金が2割以上削減できた例もあります。 あるいは、免責金額が高かったのを1万円に引き下げ、しかも掛金が少なくなったケースもありました。

損害保険は、一度契約すると、なかなか見直す機会はないのが実情のようです。 しかし、損保のマンション保険も年々見直されています。 より良い商品に切り替えてしかも掛金(費用)を削減できることは、知っておいて頂きたいものです。

保険以外でも、清掃や植栽管理、各種メンテナンスや警備など見直すべき対象は多く存在しています。 例えば清掃内容の見直しや業者さんの変更により、居住者の方からたいへん喜ばれたケースは幾つもあります。 しかも、清掃費は安くなったのです。

「今までがこうだったから」 と安易に妥協してはいけないのですね。 よりよいものを求め、より安い商品やサービスを捜す努力で、マンションは良くなっていきます。 私と一緒に考えて実行しませんか?

より安心で快適な生活に改善するとともに、費用を削減して、将来に備えていきましょう。

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地域とマンションの融合

2007年01月04日 | マンション管理士

マンション管理士として、多くのマンションと関わって感じること。 それは、マンションが地域の社会資産だということです。

分譲マンションは、その存在自体が一つのコミュニティです。 居住する大勢の家族が、いかに安心で安全快適な生活をすることが出来るか。 それを決めるのは 「住民の意思と実行力」 だと言えます。

マンションは共用部を一緒に使っていくので、その管理や費用は自分たちで担わないといけません。 要請すれば行政が補修やメンテを行う地域の共用部とは性格が異なります。 全ては、自分たちのマンション管理の内容に掛かっているのです。

加えて、地域の社会や生活でも重要な役割を担わされています。 それは、魅力ある地域になるか否かに、地域にあるマンションの質が大きく関係するからです。

マンションが荒れてしまえば、当該地域の雰囲気は悪くなり、地域性が低下します。 マンションには、戸建て住宅よりずっと大きな地域影響力があります。

更に、マンションの特徴である防犯・安全性。 それは同時に、閉鎖性を意味します。 今からの社会では独居高齢者の問題は切り離せません。 閉鎖性は、少子化の課題も浮上させます。 兄弟や同世代の友人が少ない中で、引きこもりの問題は深刻さを増しています。

これからのマンションは、閉鎖性ゆえの課題に潰されるのではなく、むしろ積極的に対応していくべきだと思います。 独居高齢者問題の悩みを地域の高齢者対策に活かす工夫。 子どもの引きこもり対策を地域に広げる工夫。

それは、新たなコミュニティを発達させる原動力です。

マンションで発生する課題への対応能力は、より良い地域作りに活かされます。 その意味で、マンションは地域の社会資産だと考えるのです。

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マンション管理士日記

2006年12月06日 | マンション管理士

この題名でブログを開始して、足掛け11ヶ月経過。

最近、毎日書いています。 昨日で、このブログは連続100回を超しました。 一日も欠かさずに百日間続けています。

泊まりがけの出張などで、出発前の早朝に書いて翌日戻って深夜に書く、ということも経験しました。

途中、竹崎さんの 「一日一信」 という千日行を読みました。 せめて百日間は、と考えてきました。

「マンション管理」 のこと、「子育て」 や 「PTA」 のこと、そして 「働くこと」 など。 私にとっては大切であっても、一貫性には欠けるテーマで続けてきました。 それでも、色々な方に読んでいただき、本当に嬉しいです。 コメントやメールに励まされて続いていると感じます。

これからも、御愛読いただければ、幸いです。

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おかしいけど… ②

2006年11月10日 | マンション管理士

マンションの管理では 「おかしいこと」 が起きるのは何故でしょうか?

原因は色々あります。

管理組合の役員さんは任命制です。 任命制は悪いことではありませんが、任期に問題があります。

1年交替の場合。 多くの管理組合では任期1年です。 役員さんが管理内容を理解する頃には任期が終了します。 そのため、管理会社の言いなりになるというケースが発生するのです。 メリットもあります。 より多くの人が役員を経験するから問題意識を持つことが出来ます。 但し、役員が終われば無関心、という人も多いのですが。 任期を2年にして、半数づつ替わっていくという方式で運営する管理組合もあります。 毎年、半数だけが新役員に替わるのです。 1年交替のデメリットをカバーして、継続性を維持する良い方法だと思います。

反対に、同じ人が長く役員を続ける場合。 自主管理に多いようです。 色々な経験を積むので、問題対応能力が上がります。 頼もしい存在です。 デメリットは、独断的になりがちな事です。 特に、管理費という金銭が関わりますから、会計や工事などの業務にはチェック機能が必要です。 管理会社とも馴れ合いになることがあります。 ベテランを頼って信頼しても、業務監査機能は重要です。

根本の所では、「自分の資産であり管理費・修繕積立金だ」 という意識が最も大切だと思います。 この意識が欠けていると、マンション管理で 『おかしいこと』 が発生する原因になります。

意識があるならば、総会に出席して管理内容を確認したり、あるいは自分たちのマンションの将来像を考えたりしていくべきです。

居住中のマンションを 『終の棲家』 と考えている人は、約半数近くに達したと調査報告されています。 安全に快適に住み続けるには、管理の質を高めていくことが大切です。

今後、築30年超のマンションが増えてきます。 マンションに永く住むことを皆で考えていきましょう。

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