マンション管理士日記

地域を守る:マンションと地域の融合

おかしいけど… ①

2006年11月09日 | マンション管理士

「これが当たり前かと思っていました」

マンション管理に関する相談で、私からの指摘を聞いたときに、役員さんから発せられる言葉です。

いいえ。 当たり前ではありません。 おかしいでしょう? そう指摘するしかない状態が目立ちます。

それって、管理会社にしかメリットはないですよねぇ? マンションの居住者にはデメリットだけですよ。

最近の例を幾つか。

明細の無い見積書。 給水管の老朽化で水漏れがあって補修しました。 残念ながら、ここのマンションで入っている現行保険では対象外でした。 管理会社が工事を実施。 事後に出てきた見積書に記されていたのは 「給水管補修工事一式」。 これで、四十数万円が管理費から支払われたのです。

居住者が知らない暗証番号。 オートロックのマンション。 知らない人が、鍵では無くて暗証番号を押して入ってきます。 でも、居住者は暗証番号など知りません。 鍵で開けるか、あるいはインターホーンで知らせて居室から開錠してもらうしか入れません。 何故、暗証番号があるのだろう? それは管理会社が勝手に設定して業者などに教えているからです。 何のためのオートロック?

収納代行方式。 自分たちの管理費などが管理会社の口座に入ることが理解されていません。 説明すれば、初めて仕組みが分かります。 そして、法律はともかく、自分たちに理解させていないことがおかしいと感じました。

例を挙げれば、とっても沢山の 「おかしい」 があるのが、マンション管理の実態です。 おかしいことが放置される原因は何でしょうか?

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マンションのチラシ

2006年10月09日 | マンション管理士

ある新築マンションの折込チラシ。

この物件周辺の地図に間違いが多いのです。

多少のデフォルメをしていることは理解しましょう。 しかし。 あるべき大きな道路が書かれていない。 公共の建物の名前が全く違っている。 大きな公園の所在場所が全然違う。

これだけデタラメな地図を見てしまうと、肝心の建物や設備に誤りはないのか? と疑わしくなってきます。

チラシは、立地特性、居室の広さ、工法の優位性、そして価格。 多くの夢を語っています。

地図のひどさにマイナスの先入観を持ったせいか、その他の記載事項にも疑問点が見受けられます。

メンテナンスや修繕積立金についてなど、ちょっと気になることがあります。 高額な買い物です。 購入の相談を受けた場合は、客観的な内容を話してあげたいと考えています。

一度、現物を見に行ってみようと思います。

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管理組合と自治会

2006年09月30日 | マンション管理士

マンションを適正に維持していく上で、管理組合と自治会とは車の両輪と言えます。 互いの守備範囲は異なりますが、相互に補完し合う機能です。

自治会は、管理組合に比べて拘束力が少なく、運営に苦慮しているマンションも多いようです。 特に、加入率が低く (私の関与しているマンションの総平均で80%弱です)、区分所有者が全て組合員となるよう法律で定められている管理組合とは大きな差があります。

また、自治会に加入していても、活動に参加する人は少ないのが実態です。 あるアンケートでは、「ほとんど不参加」 が46%を占めていました。 「付き合い程度に参加」 も41%です。

近年は、役員の引き受け手が少ないため、複数年次に渡って歴任せざるを得ず、役員の高齢化につながっています。 その姿が、後継役員になることを躊躇させる、という悪循環に陥っていると言えます。

しかし、自治会によって解決する課題は多いのです。 行政も、自治会からの申請や依頼に対する方が動きやすいようです。

不足の大災害時などを考えると、地域で助け合えるシステムや付き合いは大切です。 近隣とのコミュニケーションを図る上でも、自治会の果たす役割は大きいのです。

また、管理組合とは異なり、自治会の加入者はマンションに実際に居住している人達です。 賃貸や社宅として住んでいる人達が参加するのですから、生活のルールやマナーを守る上でも重要な機能なのです。

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マンションの瑕疵

2006年09月26日 | マンション管理士

マンション管理組合の理事さんから、自分たちのマンションの欠陥が建築上の瑕疵ではないか、と相談されることがあります。

現場を確認して話を聞いていますと、「おや?」 と思うほど低価格で分譲された物件の場合があります。 安いから悪い、とは断言できませんが、材料費や工事費を考えると、不思議に感じることがあります。

マンションの総工費は積算ですから、出来上がったものを安くするということは難しいものです。 それを安く販売するには、工費を低く抑えるしかありません。 工費の削減は、ひょっとすると、手抜きを意味するかも知れないのです。 基礎部分の工事だったり、色々な箇所から鉄筋を一本ずつ抜いたり。

良い(価格に比べて品質が高い)物件が 「安い」 ということは、考えにくいのです。 「安くておいしい物件」 が、実は 「手抜き物件」 かも知れません。

さて。 最近も 「瑕疵」 の相談で現地をチェックしました。 かなり手抜きの可能性が高いと感じました。 分譲会社との折衝について助言しました。

そのときに言ったこと。 「建築物の場合、手抜きがあったら 『一事が万事』 と考えられますよ」。 どこかに手抜きがあれば、全体に手抜きをしているかもしれない、ということです。 一つ手抜きがあれば、別に十や二十の欠陥があると思ったほうがいいと考えます。

建物の仕上げがいいかげんなら、構造でもいいかげんな所があるのだと疑うべきです。 逆に、細部まで気を遣いしっかり造っている建物なら内部も安心できるでしょう。

手抜き工事をするのは、手間をかけるのが嫌なのか、あるいは利益を捻出したいのか、どちらかでしょう。 どちらにしても、手抜きが一部分だけと考える方が不自然です。 むしろ、徹底的に手抜きをしていると疑った方が良いでしょう。

私が、マンションの瑕疵に対して中途半端に妥協してはいけないと訴えるのは、この理由からです。

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管理会社とのつき合い方

2006年09月22日 | マンション管理士

分譲マンションの理事さんと話していて、熱心な方が多いのに感心いたします。 それでも、理事さんの任期は1~2年ですから、理解が深まった頃に交代、というパターンが目立つようです。

管理組合の理事さんの任期が短期なだけに、管理会社の役割は一層、重要です。 ただし、管理組合が出来るだけ費用を掛けずに良い管理を求めます。 これに対して、管理会社は企業ですから、利益が必要です。 もっと言えば、利益を追求します。

特に、管理会社が、そのマンションを分譲した分譲会社やゼネコンの子会社か関連会社の場合が多いので、分譲後の欠陥などが見つかっても、親会社の不利益になるような行動は取らないのです。

従って、こういう子会社・関連会社の管理会社とは、一定の距離を置いたつき合いが必要だと感じます。

大切なことは、管理組合が管理の主導権を握る事です。 組合や区分所有者の問題意識・管理意識が大切です。

管理会社が、本当に必要な管理業務やサービスを行っているのか。 そして、価格は適正なのか。 これだけでも確認するべきです。

何をしているのかも判らずに、相手の言い値で支払う必要は無いのです。

あなたのマンションのことを真剣に考えられるのは、あなたたち自身です。 良きパートナーであるべき管理会社なのかどうか。 管理会社の業務を点検し見直すことは、マンションを適正に管理する上で、最重要です。

困ったことや疑問な点があれば、信頼できるマンション管理士に相談されてください。 

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