マンション管理士日記

地域を守る:マンションと地域の融合

一徹

2017年09月26日 | 喜働
 司馬遼太郎さんの『街道をゆく』を読み直して。
 興味深い箇所がありました。
 それは東北の小さな市に着いたときの感想。
    しかしこの駅前にも、飲食店はなさそうだった。
    ……スーパー風の雑貨店があった。その店内ならそういう設備があるように
   おもわれ、入ってみると、はたして親子丼いくらと書いたハリ紙がさがっていた。
    ここで、トンカツとラーメンを食った。トンカツは私の旅の心得のひとつで、これ
   ばかりは土地の都鄙を問わず、味に上下がない。その上にラーメンをたのんだのは
   やや過食の気味があるが、いま大衆むきの店で浮沈を賭して研究しているのが
   ラーメンである。〇〇のラーメンの味はどうであろうかと思って食べてると、なるほど
   水準以上で、そう賞味している自分がわれながらあさましく、阿呆くさかった。
 この作品は昭和47年の連載ですから、45年前です。
 執筆と資料分析の合間には、旅から旅を重ねていた司馬さんの
トンカツ観が面白いと感じました。
 ラーメン研究は今なお全国で盛んですね。
 
 司馬さんは次に九州に入ってからも、こう書いています。
    ……空港ビルが以前の記憶のそれではなく、面目が一新していた。以前は
   田舎のスーパーマーケットのようだったし、物を食う場所も片すみにいくつかの
   テーブル、イスがあって「軽食・喫茶」といったふうのホコリっぽい感じだったが
   こんどの食堂はおもむろにメニューをとりあげてフルコースを注文しないと
   申しわけないほどの堂々たる内容に変わってしまっている。もっとも私は、
   相変わらずトンカツを注文した。
 一徹ですねぇ