マンション管理士日記

地域を守る:マンションと地域の融合

小説の舞台

2007年06月02日 | 喜働

初期の作品は、「福田定一」 の名前で発表していたようです。 これは、司馬遼太郎さんの本名です。

その初期作品も入った短篇全集を読んでいると、地元の地名が多く出てくる作品がありました。 『朱盗』 という短篇です。

太宰府ノ少弐 藤原広嗣 が乱を企て、中央の派兵と戦闘する場面です。 板櫃川の河畔に終結している敵軍を挟撃する作戦を立てますが、その進撃ルートは三道となっています。

『豊後道』 『田川道』 それに 『鞍手道』 と書かれています。 広嗣の本隊は鞍手道。 玄界灘の海岸ぞいを東進したとありますから、黒崎付近から攻め込んだのでしょう(黒崎は ずっと後世に付けられましたから、当時には無い地名ですが)。

大敗した広嗣は逃亡の挙げ句、唐津で斬首されました。

『朱盗』 の、最後の文章です。 「その広嗣の霊をまつる古社として、唐津に鏡神社があり、いまの八幡市には、荒生田神社がある。」

この作品は 1960年の初出だそうです。 それは、5市が合併して北九州市が誕生するよりも前のことです。 物語の舞台となった地名は、当時の 『八幡市』 だったのです。

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