学生時代。 北海道を旅してたときの珈琲に関わる思い出話を三つ。
<その1> 標津にて
知り合いになった “ジュン君” が住んでいた(というか留守番してた)標津の一軒家で、昼飯を食べたときのこと。 メニューは、御飯に味噌汁、サバの缶詰。 このとき、彼が 御飯を食べながら ホットコーヒーを飲んでいるのに、心底 オドロキました。
そんな人間は、北九州にも京都にも 私の周りには居なかったからです。
「やっぱ、東京のもんは違うバイ」
東京在住の彼からは、何代も続く 生粋の江戸っ子だと聞いていたので、そんな感想を持ったのでした。 今となっては、コーヒー飲みながら御飯食べる人など、幾らでもいるけどね。
翌日、“ジュン君” と二人で ヒッチハイクにて野付半島へ行き、様々なドラマと遭遇するのですが、それは また別の機会に。
<その2> 弟子屈にて
チロリン村。 不在がちな村長を代行していたのは “トモ君” です。 すっごく歌もギターも上手でマスクも甘く、ついでに性格も良い神戸大の学生でした (何か、書いてて腹が立ってきたけど)。
弟子屈の駅に着いて。 先ずはともあれ昼飯を、と自炊開始。 少し会話をかわしたかと思ったら、炊きあがったばかりの私の飯盒飯を抱え走り出す “トモ君” 。 慌てて付いて行く私。 それが チロリン村に滞在する切っ掛けでした。
って、何の話だっけ? そう。 コーヒー。
チロリン村の朝。 格別に気持ち良く目覚め、レイコさんに代わってコーヒーを淹れる私。 心のこもった出来やね。 “トモ君”の好み通り、スプーンに軽く一杯の砂糖。 私はミルクだけ。 両手にマグカップ。 二人で座り込んでモーニング・コーヒー。
で。 いきなり噴き出す “トモ君” 。 そうです。 見え見えの失敗。 塩と砂糖を間違えました。
謝った後、九州の友人に宛て、しっかりと顛末をハガキに書き込む私でした。
<その3> 弟子屈駅
当時、駅前に一軒だけ喫茶店がありました。 『人形の家』 。 すごいね。 時代を感じる店名やね。
ここでジャズを聴きながら飲むコーヒーが、唯一の贅沢。 貧乏旅行だから、煙草代も惜しい。 確か、当時はハイライトが80円。 3日に一回の銭湯代が50円くらい。 で、『人形の家』 のコーヒーは 250円。
いや。 250円って、北海道での 一日の生活費じゃん。 それでも、“トモ君” や “板さん” 、“赤道君” などと行っていました。
自分では、すごい贅沢を味わっていました。 一杯のコーヒーに。
チロリン村の夜は、“トモ君” のギターで、「ミルクティーを もう一杯」 という歌で締めくくるのですが、昼間に飲んでいるのは 贅沢なコーヒーでした。
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