車に入れっぱなしのMDを
行きも帰りもエンドレスで聴いています。
最近、といっても、5月頃からずっとこればっかりだな。
夏のあいだじゅう、窓もあけっぱなしで、
じゃらじゃらと鳴らしながら走っていました。
若いアーティストです。
アルバムには壮大なタイトルがついているけれど、
普通の町の小さな公園みたいな音楽。
だけどその公園を作ったのは、普通の生活の中の
些細なことに敏感で傷つきやすい人かもしれない。
たたみかけるような早口で歌う声、その向こうに
かくれんぼしている寂しがりやの子どもが見える。
音楽を聴きながら仕事ができないので、
(耳が、音符も「言語」と認識して、混乱するのです)
家で聴かないからCDはすぐMDにダビングして、
歌詞カードも読まないし、曲名もおぼえられません。
運転するときと、電車に乗るときだけ、
お気に入りの歌を連れて行きます。
道に迷わないために。地図とコンパスのように。
リラックスさせてくれる。
勇気をくれる。
時間に、空間に、自在に色をつけて、
小さく折りたたまれていた世界のひだを
さらりとひろげてみせてくれる。
そんな歌を聞いていると
赤信号さえ苺ドロップのようにきれい。