…「葉零々」にはまだ早いけれど。
鹿が鳴いています。
遠くの山の、どこかで。
ぴょーお、ぴょーお、寂しい声です。
鹿は警戒心が強いのか、猪のように
家の近くまで降りてはきません。
実際に見たのも、この20年間でほんの数回、
それも「たぶん鹿だろう」という程度に、ちらっと。
でも、声はこのごろよく聞きます。
ここから西へ山を3つ4つ越えたところでは、
今年、夏蜜柑の畑が鹿にかじられ全滅しました。
長年こつこつと丹精してきたおじいさんは、
すっかり元気をなくしてしまったそうです。
このへんだけではありません。
アカネちゃんちの農園のブログを見ていたら、
まえに桃畑を荒らした鹿が、こんどは
植え付けたばかりの白菜を600株も食べて、
「またあんたか!」って…。
白菜の苗はきれいなきれいな黄緑色。
それが一晩で消滅してたらどんなにショックか。
そこまでの手間を考えただけで「あああ…」って思います。
相手は話の通じない動物だし。大雨や台風なら
まだ割り切ってあきらめもつくような気がするけれど。
仕事柄、いろんな動物の出てくるお話を書いています。
動物は動物の世界にいる、と思うから書けるので、
人間の世界に混じってこういうトラブルがふえてくると、
だんだん書きづらくなってきます。
長年続いた保育雑誌の連載を、2年前にやめました。
いのしし父さんも、くまのおじさんも、
今や日本中で「害獣」になりつつあり、
もう何を書いたらいいかわからない。
困ったね。
とりあえず…うーん、どうしたらいいんだろうか。