夕方5時半ごろ、ほうれん草を摘みに畑に出たら、
夕焼けが東の空の雲にも映ってサーモンピンク。
その中に、すうっと、虹がかかっています。
見ているとだんだんくっきりしてきます。
雲に押されるようにして消えるまでのあいだ、
ほうれん草を両手に持ったまま、
ぽかんと上を向いて見ていました。
こんな時刻の、それも夕焼けの中の虹なんて、
初めて見たから、何かいいことあるかなあ、
…と思っていたら、
その30分後にドタバタと帰ってきたKが
「いまのバスに携帯落とした!」
って言うではありませんか。
すぐにふたりで車に飛び乗り、時速45キロのバスを
60キロで追跡、15分くらい先のバス停で追いついて、
もう誰も乗っていないバスの座席にポンと落ちていた
携帯を無事に回収しました。
「やれやれ、よかったね」とバスを見送って、帰り道、
Kがポケットを押さえて「あれ? 定期もないかも…」。
「えええ? もう知らないよー!」と叫びながら
真暗な山道をびゅんびゅんとばして帰ってくる。
帰ってみたら、定期券はちゃんと家にありました。
…「何かいいこと」って、これ?