2階に駆け上がってきた珊瑚の様子が変です。
カニさんみたいに、口のまわりが白い泡だらけ。
首を振って泡を飛ばしながら、そこらをうろうろしています。
あわわわ、さんちゃん、どうしたっ?!
とっさに頭に浮かぶのは「ヘビに噛まれた?」ということ。
マムシとかヤマカガシとか毒のあるのもいますから。
とりあえずつかまえ、ティッシュで泡を拭いてみる。
さわっても痛がらないので、外傷はないらしい。
身体はちゃんと動く。眼の光もOK。
しかし、なんだろう、まだ口から泡がぶくぶくと…。
さんちゃん自身も、どうしたらいいかわからないみたい。
押入れにもぐりこもうとしたり、窓に飛び上がったり、
とにかくこの状況からなんとか逃れたいという感じです。
洗面所にかかえていって、口のまわりを洗ってやりました。
もちろん、おとなしくはしていません。蹴る、もがく、蹴る。
「くちゅくちゅぺっ、してごらん」って言っても、
うがいというのができないから、不便だなあ、猫は。
ちょっと前に外の草むらでしきりとガサゴソしていました。
どうやら何かマズイものを捕ったのだね。
毒のある虫とか、何かひどい味のするものとか。
トガリネズミをかぷっと噛んでしまったのかも。
あれは他の動物にはすごく嫌なにおいがするそうだから。
吐き気がないので、飲み込んではいないようです。
それなら、たぶん、大丈夫、だと思う。
5分ほどたったら、やっと泡が出なくなりました。
さんちゃん、まだ首を振りながら、よたよたした足取りで
Kの部屋に入っていきます。
(よたよたはべつに問題ありません。この猫は、
ジャック・スパロウ船長みたいな妙な千鳥足が癖なので)
ついていったら、ベッドにあがって、まるくなりました。
「ボク、疲れた。寝る…」とのこと。
しばらくして見に行ったら、いつもこの時間帯に陽のあたる
ベッドの毛布の上で、真鈴、ちゃけ、こだまも一緒くたに
ぐにゃぐにゃにのびて眠りこけていました。
ふつう具合の悪い猫のそばには他の猫は寄りつかないから、
これはもう、ぜんぜんなんともない、ということですね。
やれやれ。人騒がせな三太郎くん。
口に入れちゃいけないものは、ちゃんと覚えておくんだよ。