ズレていく
日々の思想
感情が滔々と流れる河を
君とふたりで下るなら
世界を何度分け合っても
足りない欲望の影を視る
ベッドの上で軋むそれは
何にも気にかけない動揺の様に
ふたりの胸の中へも這い入る様だ
世界を切断する術を手に入れたとして
間に合わないふたりの密やかな逢瀬の
結末を思い描くのは偉大なる神の仕事
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僕らの意識の真相は、ズレと間と差異によって明かされる。
赤い真夜中に、テーブルの上に残したパンケーキの熱量さえ、僕らの意識がそれに到達する前に、その温度はどんどん大気中に逃げていく。
かるが故に、僕らが何かを実現させるには、僕らは何かを未成就のままにしなければならない。
想像が逞しく広大な草原を駆け抜ける、そのイメージでさえ、僕は夜のパーソナルコンピュータの前で思い浮かべているに過ぎない。 . . . 本文を読む
そっと、呟く
内緒だからね
わたしと
あなたの
間だけの
今日の話
絶対誰にも
言わないでね。
だって、
今晩のことはわたしと
あなたの秘密
これをあなた
守れるかしら
星が落ちてくる前に
あなた決心できそう?
熱い眼(まなこ)と心の
温度を保ちながら……
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