なんにもない
人生なんてない
「無」というものが「有」る
人生もある
言葉というものを
使って
僕らは
見知らぬ未来を
紡ぐ
誰知らぬ
夕方の憂鬱も
時が経てば
春の生命のように
息を弾ませ豹変し躍動するさ . . . 本文を読む
僕らが寝静まった夜をノックするとき
ひとつの真実を纏った君の視線を感知する
熱い日々の網膜に刺さるそれは
不意にこぼした吐息と混ざって橙色になる
それって……
大いなる誤算よねって
君はためらうことなく
嘯いた . . . 本文を読む
太陽に
巧妙に騙されて
焼け付くほどに暑い
真夏の海を横切って
匂い立つ汗を流してる
川の流れに押し流されるように
社会に騙されつつある僕は
不穏な夏の夜に
今にも立ち消えそうな
自らの不安を燃やしている
何時だって
われわれは疑念を抱いて
でも太陽がくれる暖かさも信じようとしていて
この世に隠されている一つの真実を
見つけ出そうとしている
北極の寒さにも
. . . 本文を読む
狂気を飼い慣らして
失敗を積み重ねて
太陽の下へ晒してやる
夏は
僕の膝下へ
キャンキャンと鳴いて
すり寄ってくる……
「泣いてるの……? 」
言葉が世界を想像するなら
言葉は世界を破壊もするだろう
自らの権力を如何に行使するか?
なんでもない日々が紛れもない神聖な日々
そのことさえ忘れなければ
僕は僕の権力の使い途を誤らないだろう!
. . . 本文を読む
青
酒
錆が揺れて
風呂桶に宿る
世界が忘れて
音楽が高鳴って
女性の性器を
広げるように
宇宙は音もなく
膨張して
酒
青が乱れる
ここから三千メートル上空
飛行する物体の航路も乱れる . . . 本文を読む