ラジオ という媒体の自由さ。それぞれの好みに、寄り添うように流れる番組。霊的なもの、それは電波。脳波を読み取るのも不可能ではない世の中になってきた。ラジオ番組を、やっている。よっちの詩を紹介。私たちは、生者だが、死者の側のラジオがこの小説の主題となっている。生者も、死者もラジオが大好き。ちょっとしたレトロ感が、ラジオには感じられる。テレビに較べて、安心感を覚える。束縛が少ない。自由度が高まる。音 . . . 本文を読む
好きでいること
と
好きであること
を
比べてみたら
宇宙が
痙攣した
近くでいること
と
近くであること
の
違いを調べてみたら
膝が
跳ね上がった
孤独の価値を
測るだけなら
枕を反対にして
置き去りにしな
覚めるだけの現実なら、無用だと。
. . . 本文を読む
僕の幼い欲望は
いつの時代も巨大な銀河に隠れて
君のことを青い風に揺れながら見ていた
時の居場所を
何度訊き返してみても
暗黒の内側で息をする僕らにしてみれば
そんな些末な事は気にするほどのことではない
見つからない
あの日の暗号も
夢に紛れて
君のポケットへ匿われているようだ
僕らの古き学生時代も
淡い未来の曙光に
投影されているんだ
ラッキーな僕らは
. . . 本文を読む
愛の中で
呼吸をして
僕らは
知らぬ間に
惑星の住人として
存在している
アイはどこから
やってくるのだろう
それは
ここにはじめからあるのかもしれないし
ずっと遠くからこの地へ届いたものかもしれない
藍は
まるで宇宙の始まりを
再現するかのように
僕らの服を染めて
深遠な色彩を放つ
愛は
僕らの想像を超えて
宇宙を包み込み
僕らの自然ごと
すべて . . . 本文を読む
磨り減っていく
僕の健全なる精神
暗闇で不必要に
強く光るその画面に
とり憑かれて
僕は自分の弱さの
下僕になる
いつまで経っても
終わらない宴
とりとめのない会話
情報の錯綜が
意味を混濁させる
意識のか細い手が
まだキーを叩けるうちに
逃避しろ
現実へと
逃避しろ . . . 本文を読む
光っている孤独の貝
茹だっている夏の解
大体、期待など淡いもので
真っ当な間違いなんてもんで
埋め合わせが利くようなもんでもない
僕らの夢現の物語ほど
くだらなく気高いものなどない
そんなバカ話を実現させようと
藻掻く君の両の目を見つめて
それが恐怖を蹴散らすのだと
改めて気づけた暮れかかる日のなかで
再生するあの日の音楽と
再来する今日の守護神と
再誕する明日の . . . 本文を読む
あなたが食べられることを
正直な話を言うと
拒むことは
許されていない
ただし
食べられることを
許すことは
拒まれてなどいない
あなたが
食べられることを
受け容れたとき
世界は祝福に満ちるだろう
. . . 本文を読む