オドロキの大急須
かなり大振りの急須です。
やはり盛り上げで、日本の風景が描かれています。
これでもかというくらい、色んな技法がつかわれ、装飾がなされています。取っ手は、練り込み。
底には、控えめに、萬古の印が。
蓋をとって、ビックリです。
大きな茶漉しが付いています。
しかも、この茶漉し、金属の網ではなく、同じ土で焼かれているのです。
前の所有者は、毎日、これでお茶を飲んでいたのでしょう。茶錆が急須の内側全面にこびりついていて、少々の漂白では取れません。
かまわず、お茶を入れると、スーッと出ます。普通の急須とは大違いです。
ただ、練り込みの取っ手は危なっかしい。思わず、左手で底を支えてしまいます。
この萬古独特の濃密な色絵、どこか、異国風(中国?)な匂いがしませんか?
長崎に短期間滞在した中国の画人、沈南蘋の絵を彷彿させます。
少なくとも、私の持っている沈南蘋の掛け軸(当然、贋物)よりは、南蘋らしい(苦笑)。