面白古文書『ゆめあはせ』の6回目です。
11,12頁に、16種の夢占いが載っています。
右上から、順に紹介します。
こくうにたつと 虚空に立つと
見ればあたら 見れば、新
しきいゑをもふ しき家をもう
くるなり くるなり。
くものいろあかく 雲の色赤く
なると見れば なると見れば、
かならずくぜつ 必ず口説(男女間の痴話げんか)
事あり 事あり。
ぶつじんをこん 仏神を建
りうするとミれ 立すると見れ
ばよしといへども ば、良しといえども
秋ハいむべし 秋は忌むべし。
ほとけをおがむと 仏を拝むと
見れバきミのあ 見れば、君の憐
ハれミ深くかふむり れみ深くこうむり
て大きによし て、大きによし。
神おほくあつ 神多く集
まると見れば まると見れば、
やまひ事ある 病事ある
べし べし。
神のやしろを 神の社を
見れば大ふく 見れば、大福
きたりいのち 来たり。命
ながし 長し。
とりゐをミれバくハんゐ 鳥居を見れば、官位
を得大ふつきとなり を得、大富貴となり、
神のめぐミをかうむるなり 神の恵みをこうむるなり。
よくよく/\しん/\〃をとるべし よくよく信心をとるべし。
いがきをめぐるとミ 井垣をめぐると見
れバばん人にあふ れば、万人に仰
がるゝまたへいがきに がるる。又、塀垣に
のぼると見るもよし 上ると見るもよし。
むかふばのおつると 向歯(上の前歯)の落つると
見れはよしミじ 見れば良し。短
かくなると見れバわろし かくなると見れば、悪し。
おくばのおつると 奥歯の落つると
ミれバおやにつけ 見れば、親につけて(意味?)
ていむなりと 忌むなりと
こゝろへべし 心得べし。
まゆのおつると 眉の落つると
見ればこひ 見れば、恋
しき人にあふ しき人に会う
ものなり ものなり。
ほうしになると 法師になると
見れバいのち 見れば、命
ながしほとけを 長し。仏を
ねがふべし 願うべし。
かミのながく 髪の長く
なると見れば なると見れば、
げいのうしよげい 芸能諸芸
あがるべきなり 上がるべきなり。
くだものをたもと 果物を袂
にいるゝと見れ に入るると見れ
バはらむべき ば、孕むべき
さうあり 相あり。
さんのひもをとく 産の紐を解く
と見れバしよじ と見れば、諸事
おもふ事かなふ 思う事叶う
なり なり。
おもふ人にはな 思う人に離
るゝと見れば るると見れば、
ぶつじんのめぐミ 仏神の恵み
ふかきなり 深きなり。