今回も、漆絵の木皿、5枚です。
径 16.5㎝、底 径10.1㎝、高 1.8㎝。重 55g。明治。
縁が1㎜、底が少しぶ厚い(2㎜)皿です。菓子皿でしょうか、軽いです。
作られたのは明治だと思います。ざっと削った木地に、さっと絵を描いています。こういった類の皿は、当時、非常に多く作られました。漆器や金工の技術は、明治時代にピークを迎えました。それからすると、今回の品はBC級品です。しかし、漆器全体のレベルが高いので、普及品でも、今となってみればそこそこの物になります。骨董市で気に入った物をさがすと良いです。非常に安価なので、鼻歌まじりで使えます(^.^)
今回の品ですが、上下をどちらにすべきか、迷いました。
この向きでも、けっこう様になります。
しかし、絵はやっぱりくす玉でしょう。上に、吊りの部分が描かれていますから。
くす玉から四方八方に広がる細糸の描写が見所ですね。
よく見ると、細線は、縁から内側へ向かって引かれていることがわかります。人間の目線とは逆です。陶磁器の絵付けも、このような筆運びが多く見られます。たくさんの線をすばやく引くには、この方法が良いのでしょう。
繊細な線が縦横に引かれていますが、よく見ると、全部の皿に、細い金線を横切る、黒く丸い部分があります。円のようです。これは何?
この5枚の皿を重ねてみると、低い高台が、この黒部とぴたりと一致します。使用、保管を繰り返すうちに、上の皿の底が表面の細線を擦りとったのだと思われます。わずか50gほどの軽い木皿なのですが、やはり、上絵は消えやすいのですね(^^;
最後に、恒例の違い探しです。
違いはいっぱいあるので、難易度は低。
多く見つけた人が勝ち。但し、頭がぐらぐらします(^.^)